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第5章・ダンジョン攻略(其ノ参)

俺が魔法を解除するとまだかなり残っている熱気が俺達を包み込む

その熱を受けて


(結構打ち消したはずなのにこれだけの熱さかよ……まじパネェなリーニャの特級魔法。ちゃんと言い聞かせておかないとこれからやばそうだな)

そう思った後俺はこの部屋を見渡して改めてリーニャの魔法の威力の凄まじさを実感する


まずボスであったキングゴブリンとその取り巻き達は本当に燃えカスらしき物体以外残っていない

ゴブリン達が付けてあった金属鎧や所持していた武器なども含める全て灰燼に帰したようだ

更にダンジョンの中を一定の明るさに保っている不思議物質である光る鉱石

この鉱石は未だ何故光っているのか分かっておらず研究しようにもかなりの強度を持っているので難航しているらしい

ボス部屋はその鉱石が壁や床・天井に多めにありダンジョン道中と違って普通に全てを視認できるくらい明るいのだが今はかなり薄暗くなっている

何故なら壁や天井にある鉱石の表面には大量の煤らしきものがついており光具合が鈍っている

更に魔法が直撃した部分の床に至っては溶けてドロドロになっているところがチラホラ確認できる


俺がそれらを確認していたときセリアとクロアも同じように部屋全体を見てリーニャの魔法の威力が驚くべきレベルであることに気がついたらしく


「リーニャちゃん凄いですね……さっきの魔法が直撃したら私は即死でしょうね……」


「末恐ろしいですね本当に……さっきの魔法だと昨日の人間達ぐらいなら一瞬ですね」

と感心したようにリーニャを褒めそして魔法の威力に身震いしているようだった

自分達に魔法の余波で被害が出かけていたことについてはすっかり忘れているみたいだ

そしてその2人の言葉を聞いたリーニャも自分がやらかしたことを忘れて


「ふふんっ、リーニャは最強の魔法使いだからこれくらい朝飯前だぜ!」

とか誰に影響受けたのか分からない調子ののり方をしている

それを見た俺はリーニャにも少しお仕置きをすることを確定させた

セリアとクロアにもついこの前したのだからこれで平等だろう

俺は死んだ魚の目をした無表情で


「・・・リーニャ」

と冷たい声でただ名前を呼ぶ

それを聞いたリーニャは俺の方を見て一瞬ビクッとするが


「リ、リーニャはちゃんと1発で倒した…よ?」

とおどおどしながらもこう俺に言ってきた

それを聞いた俺は再度


「・・・リーニャ……」

となんの抑揚も感情もない声で名前を呼ぶ

その後少し俺の死んだ魚のような目とリーニャの徐々に恐怖に染まっていく瞳はみつめ合う

するとリーニャはついに我慢できなくなったのか


「う、うわぁぁぁん。ロアごめんなしゃいぃぃ」

と泣きながら俺のところ走ってきて俺にしがみつくと謝ってきた

多分この時点でゼラスなら確実に許すだろう可愛さを感じられる

もっともゼラスがリーニャに怒るところなんて想像出来ないが

だーがしかし今回は少し反省してもらうべく俺はまだ無表情のままリーニャの方を見ると


「何がごめんなさいなんだ?リーニャ。ちゃんと説明しなさい」

と生気の感じられない声で聞く

するとリーニャはビクッと体を震わせるあと俺の方を見上げてから俺がまだ無表情であることを確認するとバッと顔を伏せた

そしてそのまま


「さっきの魔法………ロアにダンジョンの中では使っちゃダメだよって言われていたのに使ってごめんなさい」

と泣き声で言う

普段全くこんなふうに怒らない俺がたまに真剣な雰囲気になったことに驚いたのかリーニャはずっと涙目で俺をかなり怖がっているようにみえた

それを見た俺はこれ以上やるとトラウマになりかねないのでいつも通りの雰囲気に守るとリーニャを片手抱きの大勢にもってくる

そして少し戸惑っているリーニャに


「ちゃんと自分が悪いことしたって分かってるならすぐに謝らないといけないぞリーニャ、さっきのは俺がいたから無事だったけどもしかしたら一緒にいる仲間が危ないかもしれないくらいの魔法なんだからな。特にもうリーニャは魔法に関しては本当に最強の魔法使いといってもいいレベルなんだ、ちゃんと自分のことを管理できるようにならないとな。リーニャが良い子ならちゃんと守れるか?」

と完全に自分のことは棚に上げた説教をかます

ここで俺に対して色々とツッコミたそうな目でセリアとクロアがこちらを見てきていたが総じてスルーさせてもらう

俺はやりたい邦題やるって決めたかんね(笑)

そして俺の言葉聞いたリーニャは泣き止むと


「うん、リーニャちゃんと謝れる良い子になる。だからお家に帰さないでロアっ」

と言い抱きついてきた

何故ここで魔王のところに帰すという話になるかと思ったがよく考えてみればセリアとクロアに散々もといた場所に帰るか?という脅しをかましていた俺のせいということに気づいた

それらのやり取りをリーニャも近くで見ていたのだから自分も俺を怒らしたら家に帰されるとでも思ったのだろう

おれはリーニャの頭を優しく撫でながら


「ちゃんとリーニャが良い子にしているうちは一緒に連れていくよ、もし悪い子ならお家に帰すかもだけど」

と言う

それを受けリーニャは抱きつくのをやめると


「リーニャに良い子でいる!」

ともとの元気が戻ったようで笑顔でそう言った

それを見て俺は満足すると


「なら良い子のリーニャはまずセリアとクロアに謝ろうか?」

と今まで放置されていた2人の方をチラリと見てからリーニャにそう言いながら降ろしてあげる

それを聞いてリーニャは分かったと元気よく返事すると2人のもとへとかけていきセリアとクロアに俺に謝ったようにきちんとごめんなさいをしていた

セリアとクロアも話は聞いていたみたいでそれぞれリーニャに一言何かを言ってあげているようだった


そしてリーニャがセリアとクロアとの会話を終えたころを見計らって俺は


「それじゃあそろそろ時間もないしちゃっちゃと今日の分の目標達成するぞ」

と3人に声をかけボス部屋の出口へと歩き出す

そして俺は3人が後を付いてくるのを確認してから出口の方の扉を開け61層へ続く階段に足を向けた







……To be continued →

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