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第5章・仲良くやろうぜ

俺はリーニャを肩車すると俺達が起きたことにも気づかず戦闘を繰り広げているセリアとクロアのもとへと向かう

近づくにつれ分かったことなんだがこの2人、全く手加減しているように見えない

証拠に辺りの地形にも結構影響出ているし、何より目が本気だ

てか殺る気がここまで伝わってくる


なんでこんなことになったのか分からないがこのままでは双方怪我はまだしないだろうが色々とめんどくさいことも起きそうなのでとりあえず止めないとまずいだろう

そう思い俺は瞬時に2人の間に割って入る

もちろんリーニャは肩車状態のままだ

そしてセリアの攻撃とクロアの攻撃をそれぞれ片手で抑えると2人はかなり驚いた様子をみせる

セリアとクロアが驚きで動きを止めているうちに俺は2人に


「2人とも何をしていたのか説明してくれるよな?」

と少し威圧ぎみに答える

恐らく今回がはじめて俺が仲間に向けた威圧なような気がする

決して寝不足で不機嫌だったわけではないからね

たまにはこのような雰囲気を出しておかないと2人のためにもならないと思ったからだ


案の定2人ははじめて俺から威圧的にものを言われたことによりそれぞれがいいわけをしようとしていたが再度俺が


「ちゃんと全部説明してくれるよな?」

と言いながら昨日向けられまくった目が笑っていない笑顔を2人にむけるとセリアとクロアも黙って何も言えなくなった

それを見て俺は2人に


「じゃあ説明してもらおうか……と言いたいところなんだがまずはいったん姿を隠さないとな。さっきの2人の戦闘音のせいでどうやら何人かここに様子を見に来ているみたいだし」

と言う

実際その通りに王都からこちらに向かってきている反応を俺はいくつかとらえていた

反応的に希暗達が来ていないのは分かったのでそれ以外に俺達の姿を見られるのは避けたいため俺達はいったん姿を隠すことにする

そして俺の物言いから2人のせいで人が来たから仕方ないけどちょっと隠れるか的に受け取った2人は更に落ち込んだような様子をみせていた

その2人に対し俺は


「ほら2人ともちょっと飛ぶよ、それくらいの魔力は残っているだろ?」

と聞く

すると2人とも頷いたのでそのまま空に浮かんでやり過ごすことにした

もちろんしたから認識されないように自作オリジナル魔法・不可視化インビジブルを使用しておく

感知スキルでの反応感知に関しては多分戦闘していた2人の分は捉えられていただろうから空に浮かぶ際に俺が3人を連れて一瞬で上空に移動することで瞬時に消えたように誤魔化しておいた

そして2人は空に浮かんでまだ気落ちした様子のまま微動だにせず、リーニャは舞空術みたいに空を飛び回って遊んでいた

子供は元気があっていいなー( ˙-˙ )……眠い


下では数人の冒険者っぽい格好の奴らが先程まで捉えていた反応が急に消えたことと辺りにはかなり激しい戦闘が行われたらしき後があるために念入りに警戒して周辺の調査をしている

なので俺はその間特にすることも無かったので2人に説明をしてもらうことにした

まずはセリアとクロアの前に行き無表情で


「じゃあこの間に説明してもらおうかな。どっちから話すか?」

と2人に訪ねる

するとセリアとクロアはお互いをちらっと見るだけでどちらから話すのかを決めあぐねているみたいだ

なので俺は


「じゃあセリアから話してくれ、その間クロアは黙っているように」

と言いセリアに話すように促した

そうしてセリアが口を開く

ちなみにセリアの言い分はクロアに挑発されたのでそれに乗ってどちらが上かをはっきりさせようとしたという事だった

ちなみにその争いの原因がどちらが俺の側で守りどちらが辺りの警戒をするのかの役割ぎめだったらしい

まぁあらかた俺関連でこの2人が衝突しただろうと思っていたらその通りだった

ちなみにこの後クロアに聞いてみてもほとんどの内容は同じでやはりクロアの場合はセリアが挑発してきたと言った


そうして2人の言い分を聞いた俺は少し考え込む


(うーん、どうやって2人を仲良くさせたものか…。前からこのふたりは俺がいない時にちょくちょく言い争ってるみたいだったしなぁ、クロアが人化した事で遂に戦闘に発展したわけか……。・・・仕方ない、ここは2人に少し反省してもらうために小芝居を打つか)

と俺は考えをまとめると2人の方を向いて


「2人が仲悪かったなんて知らなかったよ……今までの気づいてやれなくてごめんな。俺と一緒にいるから喧嘩するんだよな…だったら片方だけってわけにはいかないから2人ともそれぞれの場所に帰るか?俺と一緒にいない方がいいだろうしな」

とさも悲しげな表情をして顔をうつ向け気味をそう言い放つ

するとセリアとクロアは大慌てでそれを否定するように


「そんなことありません!私はロア様と一緒にいたいです、お側に置いてください!」


「私も側にいたいです主様、どうか捨てないでください!」

と涙目になりながら言いながら俺に詰め寄ってくる

まぁこれはほぼ目論見通りの反応なので俺は続けて


「でも2人とも仲良くできないんだろ?俺は自分の仲間が仲間同士争うのなんて見たくないんだよ…」

とこれまた寂しげな表情で言う

これを受け2人は即座に


「いえ、大丈夫です!クロアともちゃんと仲良く出来ます。もう二度と今回のようなことはしません」


「わ、私も大丈夫です!これからは二度と主様に迷惑掛けたりしません」

と勢いよく謝ってきた

表情や雰囲気まで自由に操れるようになった俺の演技は上手くいったみたいだ

なんかこうしていると2人からの好意を逆手にとったゲスな奴みたいに思えてくるがこれは仕方ないことだと自分に言い聞かせた俺は


「・・・分かった、なら2人を信じるよ。でももし次2人が変な理由で争ってたら………だからね?」

と2人に言う

それを受け2人は


「分かりましたロア様」


「了承致しました主様」

とそれぞれ了承の意を示してきた

まぁ多分懲りずに争いそうな気もするがその時はその時だろう

それらを確認した俺は下にいた奴らが引き上げていくのを確認してから1人遊んでいたリーニャを呼び戻して4人で地上へと降り立った






……To be continued →

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