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間幕・ちょっと閑話(壱)

おまけその弍っ!

《side ゼラス&エマ》



呂阿とセリアがリーニャを連れて魔王城から旅立ち二日ばかりたったころ、魔人達は先日の戦闘による被害の復旧や呂阿から伝えられたように王都周辺防備などの強化に勤しんでいた

更に他にも国中の魔人達に魔獣による襲撃が起こりうるから備えるようにといった勧告を出し回ることで防衛能力の強化や有事の際に協力するための布石を打ったりする等の活動もしている

そして現在の魔王であるゼラスも自身の職務室であるシンプルな内装の部屋で色々と仕事に追われていた

その傍らには秘書兼妻でもあるエマも協力している


しかしゼラスはそんな中溜息ばかりつきあまり手が進んでいない様子であった

それを見ていたエマはぜラスに


「いったいいつまで落ち込んでいるつもりなんです?」

ともはや何度目か分からない質問をする

それを受けてぜラスは


「だってなぁ〜………(´口`)ハア-」

と返す


「そんなにも落ち込んで後悔するならあの娘を行かせなければよかったのではないですか?」

とエマも溜息をつきながら言う

それを聞いたゼラスは


「いやぁだってなぁ?リーニャが行きたそうにしてるし……置いて行かれた後のリーニャの事考えたら知らないふりするわけにはいかなかったんだよ。それにもしそのせいで嫌われたりしたら………俺死ぬよ?」

と言い更に


「それにあの人間の側が1番安全なのも多分間違いないだろうからな………(´口`)ハア-」

と本当に元気のない様子で答えた

これを見てエマもどうしたものかと考える

ゼラスはリーニャが攫われたと分かった時も真っ先に探しに行こうとしたくらいリーニャを溺愛している

誰がどう見ても親バカなのは分かるレベルで

それに関しては魔王の近くにいるもの全てが認識していることでありその者達の間では親馬鹿魔王と呼ばれている

しかし子供に甘すぎる部分を除けば歴代最強で王としての資質も申し分ないためにかなり慕われているのも事実であった


ゼラスはリーニャとの再会でこの上なく上機嫌な様子になったがあの戦闘やリーニャの様子を見て本当に渋々ながらも苦渋の決断として呂阿にリーニャを託すといった選択をするにあたった

そしてそれがゼラスにとってどれだけ辛くゼラスがどれだけリーニャのことを思っているかはエマも分かっている

だからエマもゼラスにあまり強く言えない状況にあるのだ

ゼラス本人もこれではいけないと分かってはいるのだがどうしてもエマと2人になった時や一人でいる時はこのような状態になってしまったようだった

そして部屋の中は再びゼラスの溜息と何かを書く音だけが聞こえる状態になる




少し居心地の悪い雰囲気の中ゼラスは呂阿からこれから起こるかもしれないと言われた事態に対応するためにはどうするべきかといった案件を考え続ける

最もすることと言ってもいつでも避難したり戦ったりすることに備えることしか出来ないのだがその際の負担を軽くしようとゼラスは一生懸命考えていた

すると突然


『あーテステス、マイクのテスト中。そちら聞こえますかー?』

と訳の分からない声が頭の中に響く

ゼラスはバッと顔を上げ周りを見渡すがエマ以外誰もいない

そして感じられる魔力と現状判断から


『この魔力はロアか?いったいどうやって念話を俺に送ってきてるんだ?』

と言う内容を念じてみた

これがすぐさま念話だと気づき対応できるあたり流石魔法に詳しい種族の王だろう

すると


『ちょっとした魔法だよ。それより今からそっちに魔人軍の奴ら転送するから』

となにやら理解のしがたい台詞が聞こえてくる

それを受けゼラスは


『なっ!?ちょっと待て、転送するとはどういう事だ?それに無事戦闘は止めれたのか?』

と慌てたように聞く

すると念話を送ってきている呂阿から


『戦闘は無事止めれたさ。とりあえずそいつら全員をそっちの広間に送り付けるからさ、じゃっ時間が無いからそゆことで。あっそうそう、リーニャが、お父さんお仕事頑張ってね、だってさ』

と返してくる

リーニャの名前を聞いたゼラスはリーニャからの言葉に一瞬嬉しさのあまり内容を聞き流してしまいそうになるがギリギリで踏みとどまる

そして再び


『おい!ちょっとまて、どういうことか説明してくれ!』

と呂阿に説明を求めた

だがしかし一向に返事が返ってこない

エマは突然顔を上げ椅子から立ち上がったゼラスを驚いた様子で見ている

その後もゼラスは念話を送るが一切返事は返ってこなかった

それを踏まえゼラスは呂阿が念話を切ったのだろうと考えると次は呂阿が言っていた魔人軍の奴らを転送するだのといった訳の分からないことに対応するため動こうとする

だがいったいどこに転送されるのかすら分からない

顔を顰めたゼラスが呂阿が転送をどこにするのか考えていると突然職務室の扉がノックされる

そして


「魔王様、大変です!我が国から出兵していた軍の者が突然広間に現れました!」

と焦ったような報告が聞こえてきた

それを聞いてゼラスは


(まさか本当に全員転移させてくるとは……まじであの人間なんなん!?・・・まぁ仕組みは今度聞いてみるとして今は俺がやるべき事をやるか)

と考えた後報告に来ていた者に


「今から俺達がそこへ向かう!もし怪我人がいるならそいつらの治療、あと詳しい事情は俺が聞くから全員待機させておいてくれ!」

と指示を出した

そしてエマを向いて


「すまないエマ、事情は後で説明するから今は手伝って欲しい」

と言うとエマは


「分かりました、では行きましょう」

と返してきた

それを受けてゼラスは頷くと二人して部屋を後にする


そうしてまた忙しい魔王様の日常は過ぎてき、呂阿に振り回される被害者が増えていくのであった………






……To be continued →

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