表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

105/270

第4章・戦闘後のあれこれ

《side 希暗》



呂阿が六首邪覇龍ヘキサループスフォートドラゴンを倒し、リーダスを捕獲し、常軌を逸する速度で魔獣達の殲滅を終えたあと希暗達3人は戦後の後処理の手伝いをしていた


具体的には回復系の魔法が使える希暗と白月は怪我人達の回復を、まだ余力があった桜前は同じく余力がある者達と再度魔獣が攻めて来ないかどうかを警戒して辺りを見回っていた

他にも王都で他の都市へ避難出来ずに王城近くに集まっている住民達や各都市に戦闘終了を伝えに走る者、魔獣の死体から素材を剥ぎ取る者等動けるものは全員の様々な役割を果たしていた

魔獣の死体に関してはどこぞの人外が後片付けが面倒臭いと言う理由で片っ端から消滅させていたが元の数が多かったため充分な量はあるように見える

これは今回の被害に対しての復興資金や協力した人々への報酬になるだろう

それでもやっぱり被害の方が多くなってしまうだろう


そうして希暗達がそれぞれ役割を果たし一通り区切りがついた夕暮れ頃

希暗達の元に王が近づいてきて


「異世界人の3人組よ、此度は本当に助かった。お主達が来なければもっと被害が出ておっただろう、もしかしたら王都が落ちていたかもしれぬ」

と労いの言葉をかけてくる

そして更に


「して本当にお主達はあの化け物を倒し、魔獣共をあっという間に全滅させた者の正体は分からぬのか?」

と聞いてくる

それをいつも通り桜前が答える


「はい、私達にも分かっておりません。ただ人間とは考えられないくらいの強さであったと感じました」

それを聞き王は


「さすれば獣人や魔人の可能性もあるということか……そういえばその者の他に仲間が2人居ったという情報があったがそれは本当か?」

と再度聞いてくる

それを受け桜前は


「はい、それに関しては知っています。あの時黒竜ブラックドラゴンの背中に乗っていたのは謎の人物達や私達の計6名で、その確認されたと思われる2人は魔人と獣人でした」

と口止めされていないこのことは正直に伝える

というより魔人と獣人がいたことを伝えることでそれを率いていたのが人間と疑われる可能性が高くなるのだが異世界はそもそも奴隷についてよく分かってないから呂阿だと疑われる可能性は少なくなるのだ

予想通りにそれを聞いた王とその周りは少し驚いたような雰囲気になる

また王は少し考え込み


「・・・今の他種族が人間を助けること等あるのだろうか…………もしくは人間が率いていたのか。いや、これに関しては考えても分かるまい。お主達ももし何か分かれば教えてくれ、あの者達をこの国に引き込めればこの国はきっと助かる」

と言ったあと続けて


「今回の事に対する祝勝パーティーはひとまず整理が終わってから開催するので是非参加してほしい。今日は疲れたであろうから王城に戻ってゆっくり休むとよい」

と言うと踵を返し大臣達をつれどこかに去っていった

それを見て桜前が


「やっぱり利用しようと企んでるわね。これじゃ神楽君が警戒するのも無理ないわ、それに別の理由もありそうだし」

と言う

それに対し希暗は


「そうだね、その辺も詳しく説明してもらわないと。でもまずは一旦王城に帰ろうか」

と言うと桜前と白月が同意を示してきたので3人は作業を切り上げ王城へと戻ることにした










王城に戻った希暗達はそれぞれの部屋へと戻り身体を綺麗にして服を着替えてから食事に向かうことにする

今日の食事は炊き出しのような大々的なものであり豚汁のようなごった煮スープ(勿論味噌はない)とBLTサンドのようなものであったが空腹だった3人にとってはどれも美味しく感じられた


そして食事を終えた後3人は希暗の部屋へと向かう

その後部屋の中でこれからの予定やそれぞれの考えを話し合っているとふいにこの部屋のドアをノックする音が聞こえた

そしてノック音の後に


「夜分遅くに失礼します。こちらは希暗様の部屋で間違い無いでしょうか?」

と女性の声が聞こえてきた

それを聞き希暗は


(こんな時にいったい誰だろう、僕の名前を知ってるってことはもしかして・・・)

と思いすぐに立ち上がりドアを開けにいく

希暗がドアを開けるとそこにはフロリアとリアが立っていた

フロリアは希暗の姿を見ると


「また会いましたね。今日は呂阿にこの部屋に夜来るから来てくれと頼まれましたので参りました、中に入れていただいてもいいですか?」

と言った

よく見るとフロリアは希暗がダンジョンで見つけた呂阿の使っていた剣と何やら本を持っている

それを聞いた希暗は


「分かりました。では呂阿が来るまで中でお待ちください」

と答える

それを受けフロリアは


「ありがとうございます、では失礼しますね」

とリアと共に中に入ってきた

ちなみに桜前と白月は王女との面識は無いし希暗や呂阿が面識があったことを知らない

2人はフロリアとリアをみて固まっていた

白月はフロリアが呂阿を呼び捨てにしていることに反応出来なかった

そして桜前はフロリアと希暗が親しげなのに対して少なからず嫉妬していた


そしてフロリアとリアが中に入ってきて呂阿の使っていたベッドに腰を下ろす

この部屋には椅子が2個しかなく流石に床に座らせるわけにはいかなかったのでそれでも失礼だがベッドに座ってもらうことにした

椅子は桜前と白月が座ったまま固まっているので譲ることができなかったのだ


そうして座ったフロリアが希暗に


「呂阿がいつ頃ここに来ると言う連絡は受けておりますか?」

と訪ねてくる

それに対し


「いえ、分かりません。王女様が来るまでこの部屋に来ることさえ知りませんでした」

と希暗はやや緊張気味に答えた

いくら1度面識があるからといっても王女と話すのは緊張するらしい

それだけフロリアからそういった類のオーラが出ているのだ


希暗の言葉を聞いたフロリアは


「そうだったのですね………。呂阿はではどうやってここに来るのでしょうか…」

と呟くように言う

するとフロリアの持っていた本から


「あーテステス、只今マイクのテスト中。こちらKRA、誰か応答出来ますか〜」

と言う声が突然聞こえ始めた




……To be continued →

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ