第4章・それぞれの戦い④
《side セリア&フロリア&リア》
セリアが男と女性との間に入り剣を構えると男も即座に剣を構えつつ口を開き
「お前はあの化け物の仲間か!?丁度いいお前も殺してやるよ!」
と殺気を出しながら言い放つ
それを聞いたセリアは殺気を膨らませる
「ロア様のことを化け物だと?ロア様を侮辱する者は全て許せません、あなたを滅します」
とセリアは男に切りかかった
この言葉を聞いて戸惑っているのはフロリアとリアである
リアの方は困惑した様子で
「どうしてこんな所に獣人が……しかも人間を守るなど。それに確かさっきロア様と……」
と言いながらフロリアの方へ向くとフロリアは
「理由はわかりませんが今は私達を助けてくれるようです……。それに………」
と言う
フロリアの方も呂阿の名前を聞いてさっきのこともあり余計に混乱しているのだ
だがそれも後で聞けばわかるかもしれない
微かな希望を胸に抱きながらフロリアはリアに
「とりあえずはこの戦闘が終わってから聞いてみれば良いことです、答えてくれるかはわかりませんが。ですが今は獣人の方が勝ってくれることを祈るしかありません」
と言った
それを聞いたリアも頷き2人の戦闘を見守ることにした
そんな2人をよそにセリアと男の戦闘は激しさを増していっていた
城壁の上なので横が広くないので正面からの近接戦を繰り広げている
セリアはレイピアにより多彩な高速攻撃を行い男の方は片手剣で恐らく自己流であろう動きでこちらもどんどん攻めていく
恐らく剣と剣でうち合えばたちまちセリアのレイピアでは男の片手剣には勝てないだろう
しかし動きはセリアの方が速い
片手剣と打ち合うことを尽く回避すると次々に男の身体に刺突を喰らわせていく
だが恐らく服の下に鎖帷子でも着込んでいるのであろう鉄を突いたような感覚がセリアには伝わってきていた
そしてしばしの間剣戟を繰り広げていた2人はどちらも一旦後ろに下がる
そして男が口を開く
「くそっ、めちゃくちゃつえぇじゃねぇか。早くしないといけないってのに………」
と気だるそうに言う
1方セリアの方も男の腕前に対して攻めあぐねていた
恐らくレイピアでは今着込んでいる鎖帷子を突破することは難しい
威力をあげた魔法でもぶち込めば分からないが恐らくそんな隙は与えてくれないだろう
相手の剣による攻撃だけなら喰らうことはないだろうが何を隠し持っているか分からないため一気に仕掛けられずにいた
セリアがどうするか考えていると男が再び口を開く
「仕方ねぇ、あの化け物がいつ六首邪覇龍をやっちまうか分からねぇからな。ここは一気に行かしてもらうぜ!」
と言うと男は魔力を練り始めた
そして
「上級火魔法・灼熱熱線」
と唱えた
そして男の右手からこちらにセリア達に膨大な熱量を持った熱線が向かってくる
威力はぜラスの使っていたやつに及ばないがここは城壁の上で左右避けようがない
しかもセリアが飛んで避けてしまうと後ろにいる2人に直撃してしまう
そう考えたセリアは
「中級風魔法・風壁」
と唱える
しかし上級に対して中級、火魔法に対して風魔法
相性が圧倒的に不利である
いくらセリアの魔法技術が高いといっても男の魔法は相性を簡単に覆せないレベルである
ちなみに魔法にも相性があり火は風に・水は火に・土は水に・風は土に相性が良く有利である
ちなみに光と闇は相互関係だ
そして男の魔法を必死にセリアか抑えるがすでに魔力の心もとなかったセリアは徐々に押されていく
すると後ろから
「中級水魔法・水壁」
と詠唱が聞こえてくる
そしてセリアの前に水でできた壁ができた
どうやらフロリアが残りの魔力全てを使って魔法を唱えたのでえろう
そして少しのあとは3人の魔法は消え去った
しかしセリアは魔力切れ、更に全身に傷を負っている
正確には防具と服にしかダメージはないが
それを見て男は
「そこの獣人が魔力少なくて助かったぜ。魔力切れでは体力があっても少しは動けねぇな、さて3人揃ってぶっ殺してやんよ」
と言いこちらに歩みをすすめてくる
セリアは魔力切れによってあまり動かない身体を無理やり動かそうとするが膝をついたまま立ち上がれない
更にフロリアも魔力切れによってリアに支えられている状態だ
セリアは
(申し訳こざいませんロア様、折角の頼み事達成出来なさそうです)
と思うと身体の回復へと集中する
何故ならセリアには呂阿から貰った腕輪がある
それによって守られている間に体力を回復させ後ろの2人を連れて逃げようと考えているのだ
しかしその目論見は外れる
「やっぱりまずは後ろの2人からだな、お前はまだしぶとく耐えそうだから今回は手を出さねぇ。時間が無いからな」
と男が言う
それを聞いてセリアは体を動かし阻止しようとするがまだ回復してない
そして男はフロリアとリアの前に着く
その時フロリアは
(ここまでのようですね………もし呂阿が生きているならもう1度会いたかった……)
と覚悟決める
リアはそれを止めるべく立ち向かおうとするが男に蹴飛ばされフロリアから離れてしまった
そして
「あばよ!」
と言い男が剣を振りかざす
フロリアはその瞬間目を閉じた
がその時
パリィィィーン
と言う何が割る音が聞こえてくる
フロリアが恐る恐る目を開けると目の前に男の剣を素手で掴んでそのまま握り潰している人物がいた
そしてその人物は
「なんか最近タイミングギリギリ過ぎる気がするんだよなぁ~、まぁとりあえずお前は邪魔っと」
と言うと男を殴り飛ばした
そしてその人物は呑気そうにフロリアの方に振り向くと笑を浮かべて
「よっフロリア、久しぶりだな」
と言った
……To be continued →




