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わたくしと貧乏少年その一

まさか一昨日時点で百PVいくとは思いませんでした。

 そよ風で草原が揺れ、わたくしは日よけのための麦わら帽子を押さえながら地平線を眺める。


 ――思えば、遠くに来たものですわね。


 感慨深くなりながら振り返ると、いつもと変わらない貧相な服装の『彼』が帽子を目深にかぶったまま佇んでいた。


 わたくしはその姿に見とれそうになって頭を振り、「いつ見ても貧相な服ですわね。わたくしの正式な婚約者に選ばれたんでしたらもうちょっと気にしたらどうです?」と心の中で思っていることとは違う事を言ってしまった。


 ――違う。


 瞬時に気持ちが否定しているのに気付く。だけど言ってしまった言葉を覆すのはできない。

 頭の中であわあわと慌てていると、『彼』はゆっくりと私の隣まで歩いてきてポンとたたきました。


「世間一般では金のためだと思われてるだろうから別にいい。格好が変わろうが世間の見る目は変わらん」

「そ、」


 それは違いますわ! と言いたくなったけれど、実際の世間はその通りなので何も言えない。

 わたくしが黙っていると、『彼』は数歩先へ進み、帽子を宙に投げてから振り返り、その素敵な笑顔でこう言いました。


「――けどまぁ、そんな目で見られているのも承知で『好き』と言ってくれたんだ。釣り合う釣り合わないなんて感情を抜きにして、本音を言わせてもらうと……」


 妙に決まってるポージングに地平線に沈む夕日の光が当たり、影としてしか認識できていなくても


「俺も大好きだぜ、南お嬢様」


 ――心の底から出て来たであろう『彼』のその言葉に、わたくしは思わず彼に駆け寄り抱き着いてしまいました。


 もう離さないと、そう心に決めて。

こちらの更新ペースは気まぐれに近いかと思います。基本どの作品にも言えますが。

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