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佐藤君と私その1

「なんだよ桐内。お前まだ残ってたのか?」

「……あ、佐藤君。どうしたの?」


 放課後。私は誰もいない教室で楽しみである読書をしていると、忘れ物でも取りに来たのか佐藤君が教室に入ってきた。

 佐藤君はうちの学年では王子様と呼ばれるくらい現実離れした容姿や背景がある男の人。すごいカッコよくて、学年に囚われずに告白されるの。


 私が本を閉じて彼の方を見ると、佐藤君は私の方に近づいてきて「あのな」とため息をついてから続けました。


「お前は俺の物なんだ。心配で探したんだぞ」

「あ、ごめんね。いつもこうしてるのが日課だったから」


 誰にも言ってない私達の秘密。それは、私達が付き合っているという事。

 言ったら私がいじめの標的にされるという配慮で佐藤君が公言してないだけで、実際には出会ったその日に告白されて了承したんだけど。


 そういえば今日一緒に帰る約束したような…? と思い出しながら彼を見ていると「なんだよその淋しい趣味は……」と肩を落としていた。


 いつもの彼ならそんな姿を見せないので新鮮だなと思いながら「ごめんね佐藤君。心配だったの?」と質問する。

 いくら付き合っていると言っても認識されていないから誰にでも平等に接することができる人に見られるための道具なんじゃないかと思ってしまう私は本当にダメな人。

 内心でそんなことを考えながら返事を待っていると、急に佐藤君が抱き着いてきた。


 あまりに突然のことに私は驚く。


「え、え、え? ど、ど、どうしたの? 佐藤君」


 予想外の反応に驚きと嬉しさが入り混じった脳内で混乱しながら言葉を紡ぐと、彼はただ一言「心配に決まってるだろ」と耳元で囁いてきました。



 私はその言葉に本気を感じ、顔が赤くなりながら彼の体を抱き返しました。

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