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幸則君と私その一
ただただのろけ話が書きたかった。それだけです。
私の名前は菅波彩萌。今年で十七になる高校二年生。
容姿は学年のアイドルとは言わないけど、それなりに自信があるかな。実際に告白して来た男子達居るけど。私彼氏いるのに。
というわけで、私の彼氏を紹介するね。
といっても今デート中で隣にいるんだけど。……サングラスに帽子とマスクという、不審者のような恰好をしてる私より身長の高い人。
「ねぇ幸則君」
そう言って私は彼の腕にしがみつく。
その瞬間、彼はすぐさま空いてる手でスマホで何かを打ち込み私に見せてきた。
そう。私の彼氏は女性に免疫がなくて、とても恥ずかしがり屋なの。書いてある内容も『こ、こんんあ人目につくばほで』とかテンパって滅茶苦茶なことになっているし。
本当に可愛いなぁと思いながら「嬉しくないの?」と訊ねると首を高速で横に振る。
「ならいいよね?」
そう言いながら私は彼の腕に頭を預ける様にしなだれながら歩いた。
本当、可愛いなぁ幸則君。
それでは