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卒業

私、美月有紗は、今日、卒業します。


うわー、寂しいなぁ。

それに、チア部もすっごい心配なんだなぁ。

奈緒とか安藤さんとか、大丈夫かなぁ?

めちゃくちゃ心配。

本っ当に、大丈夫じゃなさそう……。


チア部がどうか、廃部だけにはなりませんようにっ!!

まあ、人数多いから大丈夫かとは思うけど。

仲間割れが心配だなぁ。

高校近いし、たまに見に来なくちゃなぁ。


「美月先輩、ご卒業おめでとうございますっ」


安藤さんがそう話しかけてきた。

私はにっこりと笑って言う。


「ありがとう。来年度は頑張ってね」


「は、はいっ!! 美月先輩みたいになります!!」


いや、私みたいになるのは、よした方が良いと思うよっ!?

本当に。うん。


「あ、えっと……頑張ってね。安藤さん」


そんなこと言えないけどさ~っ。

言えるはずないじゃんか。


『私みたいになっちゃだめだよ』


なんてっ!!

無理無理。


「美月先輩?」


「あっ、何でもない。じゃあ、行くね」


私は安藤さんと別れて、卒業生のところに行った。


「有紗、もう卒業だね。桃も、喜んでるかな……」


私の仲良しの、そして、桃の仲良しの杏樹あんじゅが言った。

桃……ごめんね。

私が見てなかったから。

私のせいだから。


「杏樹、私のせいなんだよね。桃が入院するハメになったのは」


「有紗……そんなことないよ。落とした子が悪いんだから」


そう、私は知らない。

落とした子を。

私は、知りたい。

卒業するまでに。

今日中に。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


私がやっていることは間違ってない……と思ってる。

でも、違うの?


私は、ベットに寝ころびながらそう思う。

あの時、先輩を落としたのは私なのに。


いつまでもウソを続けるつもりなの?

そんなの、ダメだ。

美月先輩が卒業する前に、私が言わなくちゃいけない。


もちろん、かばんのことも。

私は、学校に電話をかけた。

この足じゃ学校には行けない。


「もしもし。あの、同じ部の美月有紗さんと会話したいんですが」


『はい。しばらくお待ちください』


先生の声だった。

多分、教頭先生だ。


そして、美月先輩が出た。


『はい。誰ですか?』


「あ、美月先輩。奈緒です」


『奈緒っ!? どうしたの? こんな時に』


美月先輩はとても驚いていた。

どうかしたのかな……?


「あの、美月先輩……」


言うんだ、言うんだ私。


『どうしたの?』


「私が、桃先輩を、落としたんです。ごめんなさい」


『えっ……?』


終わった……。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


『私が、桃先輩を、落としたんです。ごめんなさい』


「えっ……?」


電話の奥から聞こえてきた、奈緒の声。

私はその言葉に驚きすぎて、全然言葉が出てこなかった。

桃を落としたのは、奈緒?

そんなこと……。


私は、とてもショックだった。

さらに、私の心が潰れるかのような、ショックなことを告げられた。


『美月先輩のかばんを焼却炉に持って行ったのも、私なんです』


泣きそうな声だった。

でも、泣きたいのはこっちだよ……。


私は、ずっと奈緒を信じてたのに。

やればできる子だと思って、叱って、褒めて……。

私は一人前のチアダンサーになれるように、精一杯サポートしてきたのに。

奈緒には届かなかったの?


「奈緒には……分からなかったの?」


私は、冷たい一言を発した。

奈緒がびくついているのが、見なくても分かる。

奈緒は、どう思ってるの……?


『ごめ……なさい。言えなかった。怒られるのが怖くて。でも、

 いつまでも嘘ついてるのも怖くなって、美月先輩が卒業する前に、今電話したんです』


奈緒……。

奈緒も分かってくれてたんだね。


「分かった。かばんのことも、もういい。でも、桃に謝って。あんたの病室の近くだろうから」


私はそう言った。

奈緒は、『分かりました……』と言って、電話を切った。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


やっば……。

桃先輩に謝る?

許してくれるはずないじゃん……。

でも、私は挑戦する!!


えっと、桃さんの部屋は……となり!?

私は看護士さんに桃さんを連れてきてもらった。


「何の御用ですか」


桃さんは冷たかった。

しらっとした顔で私を見ていた。

私が落としたこと、知ってる?

じゃあなんで、美月先輩に言わなかったの?


「あの、落としちゃって、本当にごめんなさい!!」


「じゃあなんで、すぐに謝りに来なかったの?」


あぁ……つつかれた。

こういう時は、なんて言えば?

あぁ、もう適当だぁぁぁ!!


「あの、勇気がなくて」


「もう一年以上経ってるのに?」


「と、とにかく、ごめんなさいっ!! 美月先輩に、もう言いましたから」


「いらないこと……」


は?

なんか、私嫌われてる?


「とにかく、用件はそれだけなんなら、もう帰るわ」


「え、はい……」


あとから、看護士さんが言った。


――――あの子はツンデレなのよ。大丈夫。許してくれてるサインだから。


ツンデレ……。

とにかく、許してもらえてよかったぁ……。


私は、チア部に復帰した。

ちゃんと、これからは頑張りますから、心配しないでくださいね。


――――――美月先輩?

終わりました!!

少し長かったですが、お疲れですか?

これからも頑張りますので、応援お願いします!!

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