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上に上がれ上がれ!上にいたのは…………!?


「どうも~。こんにちは。おはよう。おやすみなさい。こんばんは。おげんきですか。僕だよ。はじめまして~。挨拶は大事だよ。アイカツだね~。アイドル活動じゃないよ。挨拶かつあげだよ~。およ?およよよよ?間違えたよ。挨拶活動だね。はっは~元気かい?ハジメマシテの人に聞かれたくないかい?そりゃそうだね~。でも、僕は皆に聞いているんだ~。まぁきちんと挨拶しなきゃね。どうも~。こんにちは。おはよう。おやすみなさい。こんばんは。おげんきですか。白群で多分強めのかっこいい男の子、萌黄だよ~。萌えちゃう?白群萌黄。はっは~。よろしく。」

「………………………。」

 出会い頭に沢山話された。

 五階につきそうな階段に足を組んで座っているおっさん。

「おや?おやややや?日本語が通じないのかい?あいどんとすぴーきんぐ。僕は日本人だからね。日本語しか分からないや。はっは~。おや、少年の背中にいるのは珊瑚朱君じゃないか。帰ってこないと思ったら……はっは~まったく愚図だね。使えないやつだ。負けたうえに捕まるなんて邪魔だね~。まあ、君らを殺したら処分だな。おや?おやややや?朽葉ちゃんじゃないか。はっは~。元気に死んでたかい?僕はいい感じに死んでるよ。運命の再会だね。感動しちゃうよ僕。僕は君で沢山アソンダなぁ~。およ?およよよよ?朽葉ちゃんはどうして震えてるのかな?ガクブルってやつかい?また、会ったんだ。またアソボウね?」

「うるせぇ。」

 朽葉が萌黄の言葉を遮った。

 しかしーーーーこいつ、朽葉の知り合いなのか?

 それにしても朽葉の震え具合がやばい。

 怒りより恐怖。

 憎悪より恐怖。

 敵意より恐怖。

「はっは~。威勢がいいな朽葉ちゃんは。何か愉しいことでもあったのかい?それにしてもーーーーーー」

 だんっとおとがしたと思ったら萌黄が朽葉の目の前にいた。

 一切途中経過が見えなかった。

 始まりと結末しか見えなかった。

「その口調はいただけないな~。可愛い朽葉ちゃん?可愛い可愛い朽葉ちゃん?可愛い可愛い可愛い朽葉ちゃん?」

「ひっーーーーごめんなさーーーーーー」

 朽葉が一歩下がる。

 萌黄は朽葉の腰に手をまわし押さえる。

 止めなきゃ。いけない。

 しかし、どうすればいいんだ?

 朽葉がこんなんじゃ、僕らには無理…だ。

 東雲なら逃げる隙ぐらい作るかもしれない。

 しかし東雲は曙の事しか気にしないし。

 いっそ、曙を危険に晒すか?

「はっは~。なんで謝ってるのかなぁ?あの時はよくも逃げてくれたね~?いや、逃がしてやったんだから感謝してくれないと。殺しちゃおうかな?それとも僕の所にまたくる?朽葉ちゃん。はっは~いいね~。そしたら皆逃がしてあげる。白群の1番エライ人に言っておいてあげるよ。僕がニガシタヨ~ンって。あ。あと珊瑚朱君も置いていって欲しいなぁ。処分したいし。はっは~どうだい?朽葉ちゃん?また僕とアソバナイかい?」

「い………やだ……。」

「んん?聞こえないな~?何て言ったのかな?まさか嫌だとか言ってないよね~?誰のおかげで今の朽葉ちゃんがいるのかな~?はっはー。どうせ僕が助けた命だ。殺してもいいよね?朽葉ちゃん?死にたい?死にたい?楽になるよ?そこにいる少年とロリッ子ちゃんとショタッ子ちゃんも死んじゃうけど?はっはー。守るものがあると大変だね~?朽葉ちゃん?僕にはちょっとわからないけどね?僕は何を守るんだろう?朽葉ちゃん。」

「………っ…。」

 朽葉が……朽葉が朽葉が朽葉が朽葉が朽葉が。

 状況を変えなきゃ。

「ごめん。曙。」

 と言って曙を萌黄の方向に押そうとしたーーーー。


「止めろ!」


 と朽葉が叫んだ。

「私なら大丈夫だから。」

 と僕を見て朽葉が言った。

「…………本当に?」

「大丈夫。私は強い。」

「はっは~美しい友情だね~。しかし少年その曙ちゃんとやらを捨てようとしたね~。怖い恐い。人間ってこわいね~。曙ちゃんとやらより朽葉ちゃんかい?」

「違う。」

「違うのかい?少年。君は何も選んで来なかっただろうね。はっは~まだ若いね~。経験がなさすぎるよ。おじさんは強いよ~。イケメンだしね。まあいいや。少年と曙ちゃんとショタッ子君。君達は上に行けばいいよ。興味ないしね。僕と朽葉ちゃんは殺しあいを興じてるからさ。ん?僕らも上に行くかな。皆、五階。四階でやったら近所迷惑だよ。」

「嘘だ。僕らを殺そうとしているだろ。」

「嘘じゃないよ。アンフェアじゃないか。まあそのうち殺しちゃうんだから嘘になってるかもだけど。なんなら僕が招待しようか?おえらいさんの部屋に。僕が先頭。後ろから攻撃していいよ?どう?」

「お前、糸遣いだろ?ワイヤーソー。そこらじゅうに糸が張り巡らされている。指先を動かすだけだもんな?それなら簡単に僕らを殺せる。」

「はっは~。威勢がいいね。なにか愉しいことでもあったのかい?ワイヤーソー。うんうん。よく分かったね。なんで僕が階段にいたかも分かってる様子だね~。糸をかけるところが沢山あるからね。階段は。便利便利。しょうがないなぁ。回収するよ。」

 ヒュンヒュンと音が聞こえる。

「はい。どうだい?これでいいのかい?」

「朽葉。」

 朽葉に救助してもらう。僕に見えない糸、仕掛がないか。

「あ?もうねぇよ。」

「そうですか。」

「いいかい?はっは~。用心深いね。少年。」

 お前に用心しないほうがびっくり。

「いいですよ。ついていきます。」



***********



「朽葉。曙。東雲。珊瑚朱。萌黄。僕。」

 呟いてみた。

 なんのパーティーだよこれ。

「兄貴。五月蝿い。」

「おぉ!曙が話し出したぞ!」

「嵐がきたぞ!みたいないいかたやめい!空気を呼んで黙ってたんだから!」

「空気ー。空気ー。って呼んでたんだな。」

 ただしくは読む。

「はっは~。君は元気がいいなぁ。曙ちゃん。大好きだよ。結婚する?」

「変態は嫌いです。」

 おぉう、冷たいな曙。いいぞ。もっとやれ!

「私も嫌いだ。」

 朽葉便乗。

「ひどいなぁ二人とも、僕悲しいよ。泣いちゃうよ。殺しちゃうよ?」

「お前がそれを言ったらしゃれにならないですよ。」

「そうかな?少年。僕にしては最高のしゃれなんだけど。」

「うわぁ。兄貴、助けて。常識を知らない人がいる。」

 と曙。

「お前に言われたくないと思うよ。曙。」

「酷い!兄貴の馬鹿!朽葉さん助けてください!」

「東雲に頼め。」

「あけぼのだけがボケ役だよ!」

「いいじゃないか~。はっは~。愉しいな~。全く。曙ちゃん。結婚前提のお付き合いしないかい?」

「嫌だ!」

「僕はロリコンかい?いいや~違うよ。小さな女の子も立派な女性だよ。あのこが1番体つきがよかったな~。」

「あ………兄貴。本物のロリコンがいます。」

「そうだな。あいつはロリコンだ。」

「はっは~。あのこって朽葉ちゃんだよ。小学校二年生。可愛いかったな~。今も可愛いけどね?」

「は!?私!?」

「朽葉さんの小学校二年生………………。あけぼのは見たいかも。」

「僕は見たくないぞ。」

 可愛い朽葉とか見たくない。

 威張っているのが朽葉だ。

「はっは~。愉しそうだね~。まぁいいんじゃない?ここにいる皆が生き残る訳なんかないんだから。誰か死ぬんだからね~。まぁ珊瑚朱君は絶対処分だけど。」

「処分って言い方やめない?ですか?」

「どうして?ゴミでしょ?ゴミは処分しなきゃ。」

 駄目だこいつ。僕には無理だ。掴み所がない。

「はっは~。少年は若いからそんなこというんだよ。こんなに弱いんじゃ近いうちにどうせ死ぬんだ。なら経費削減。早めに殺してあげる。苦しむなら早めにってね?」

「優しくないです。あけぼのはぎりぎりまで生きたいもん。」

「はっは~。曙ちゃんは元気がいいなぁ。お元気ですか?れれれのれーってね?はっは~二番目に可愛いな~。あ。勿論1番は朽葉ちゃんだよ。あと一番カッコイイのは僕だよ。」

 どんな自信家だよ。

 お前は朽葉と並ぶレベルなのか?なぁ、おっさんよ。

「一番格好悪いのは君だね。主人公君。」

「僕か!?」

 酷いな!萌黄よ!

「あけぼのは!?」

「ん?んん?曙ちゃんは普通かな?普通少女。」

「あけぼのはキャラが立ってないらしい!」

「その辺は珊瑚朱君に通じる物があるね。普通。普通普通普通普通普通。いいことじゃないか~?はっは~。珊瑚朱君はそれがコンプレックスだったらしいけどね。」

「ふうん?」

 よく喋るな。この人。

「はっは~。ここだよ。」

 といって立ち止まる。

 前には対になっている襖。

 突然和風。

 あぁ。初期設定にあったな。和風って。今更設定を戻すのか?

 いや、現実だから設定も何もないけど。

 僕は現実なんだから。

「はっは~。少年よ。君が開けなよ。開けた瞬間体が動かなくなると思うけどね~。僕のせいじゃないよ~。奥にいるおえらいさんがやってるからね~。」

「僕は死ぬ事を前提に襖を開けるのか!?」

「はっは~。この戦いが終わったら僕たち結婚するんだ。みたいな感じかい~?」

「二人とも死亡フラグ立ってるぞ!」

 あと、おっさんに興味はない。…筈。(筈ってなんだ!?僕は!?自分で言っていて意味が分からなかった!)

「早く開けてくれないかい?迷惑だよ~。」

「うるせぇ!」

 襖をバンッと開ける。

 しまった!勢いで開けちゃった!

 と終始焦る。

 が襖の奥には襖があった。

「?」

「なんちゃって。嘘だよん。おえらいさんはこの襖の奥だよ~。」

「なめてるんじゃねぇ!」

 苛立ちながら勢いで開ける。

 開けた瞬間思い至る。


 駄目じゃん。


 開けちゃ駄目じゃん。

 開けるにしても警戒はしないと。

 今のは一瞬も迷いも警戒もしなかった。

 一回目の方がまだ警戒していた。

 詐欺師のやり方だ。嘘をついて気を緩ませる。

 と。

「あぐ…………」

 僕は倒れた。

 珊瑚朱君と一緒に。

 俯せに。

 本気と書いてマジで動けない。

 なのに、意識だけは自棄にはっきりしている。

 珊瑚朱君が僕の体から離れたのが感覚で分かる。

「兄貴!?」

 曙の声。

 やめろ。駆け寄るな。

 というか僕に触るな。

「駄目だよ。曙ちゃん。勝手に動いちゃ。はっは~。ほら、君達の相手はもう置きるよ。」

 声しか聞こえない。

 ていうか漢字間違えてる!格好悪っ!置きるってなんだよ!

 ただしくは起きる。


「あーァ。」


 と彼は言った。

「ちョう時間寝ちまったじャねーかよ。なあ?おにィさんよ。御礼と言ッては何だが踏み潰すぜェ。」

 と言って珊瑚朱君は僕を踏む。

 結構な力で。

 でも声が出ない。

 しかし---珊瑚朱君はやっぱり起きてしまったか。

 もっとしっかりやっておけば良かった。

「萌黄のオッサン、いるじャねェか。しッてたぜ。聞いてたぜ。しかもここは奴のへやじャねェか。」

「はっは~。珊瑚朱君は元気がいいね?なにか愉しい事でもあったのかい?」

「あッたぜェ?オレを処分する話とかなァ?」

「それは愉しそうだね~。君は普通だからね。普通普通普通普通普通普通普通。必要じゃないんだよ。ここじゃあ。曙ちゃんとキャラ被ってるしね~。」

 ん?

 考えろ。

 考えることは許されている。

 まさかーー萌黄の奴ーーーーーー

「キャラねェ?一人になればいいのかァ!?」

「そうだね。一人になればいいね。はっは~。まぁ曙ちゃんと死んでる少年はワンセットだからね?珊瑚朱君、君ならそれぐらい楽勝だよね?」

「あァ。朝飯前だ。」

 ーーー僕が珊瑚朱君の意志を止めているだけだと知っていて。

 思考も出来ている事を知った上で、会話をしていて今の状況に持ち込んだのだとしたら……。

 なんて奴だ。

 そんなこと出来ていたら、恐ろしい。

 煽っただけなのに。

 見事に流された。

「………………。」

 僕が流された。

 しかも、あんなおっさんに!

 かなりショック!

 僕のキャラが語り部で終わるじゃないか!

「……………。」

 ということは、朽葉と萌黄、珊瑚朱と曙&東雲でバトルをするのか?

 ……………僕は?

 寝てるの?

 まず、おえらいさんとやらが出てないじゃん。


「我はここにいるぞ。」


 と声が聞こえた。

 聞こえましたが、見えません。

 と体が浮いた。

 ………………ふわぁ。

 わーい。魔法だぁ。

 じゃなくて!

 シュール!シュール!

 俯せのままで浮いてます!

 シュール!シュール!

 同じことしか言ってない!!

 魔法なんて非現実的な物があってたまるか!

 もう、色々聞こえない。

 そして、浮いた体が前に動き出した。

 しかもかなりのスピード。

 まてまてまてまて!

 スーパーマンじゃねーぞ!

 片手あげたらスーパーマンじゃねーか!

 アンパンマンか!?鉄腕アトムか!?マシンガーZか!?

 せめて、片手あげさせろよ!

 本当!僕シュールだな!

 漫画になったらどうするんだよ!


 ぽむん!


 何かに当たった。

 うーん。僕的な意見を述べると、これは女性の胸かな?

 かなり、大きいなぁ。

 朽葉ぐらいあるんじゃないか?

 いやぁ。頭が当たってもそんなに嬉しくないなぁ。

 そして、体をよくわからない風に動かされ座らされる。

 着席!

 朽葉、曙、東雲、萌黄、珊瑚朱を背に向けて。

 そして、僕の目の前にいるのは、少女。

 推定年齢十歳前後。

 のわりに巨乳。

 長い、碧い髪。

 目は黒。

 顔には★が一つ刻まれている。

「我が名は常盤じゃ。お前は何と言う?」

「………………。」

 名乗りたくないし。

 話せないよ。

「暗示じゃ。お前なら話すぐらい出来るはずじゃよ?」

「……………。」

「ばーか。」

「馬鹿とは何だ。」

 は!反射で!

「名は何と言う?」

「しらなーい。」

「まあよい。下僕よ。暫くはお前は我の下僕じゃ。」

「嫌だよ。」

 なんで勝手に決めるんだよ!

 突然だな!全く!

 ていうか、叫べない!

 これじゃあツッコミがろくにできないぜ!

「成る程じゃなぁ。しかし、いいのか?今、我はお前をどうにでも出来るんじゃよ?」

「こわ。」

「秋葉原に全裸で吊しにいけるんじゃよ。」

「そういうのなんだ。」

 せめて殺せよ。

 いや、死にたくないが。

「下僕よ。お前は我を殺しに来たんじゃな?これが終わったら殺してもよいぞ?」

「どれが終わったら?」

「ここでこれからやる戦いじゃ。といっても片方はもう始まってるが…。」

「え?」

 始まってるんだ!?

 しらなかった。

「知らなくて当然じゃよ。下僕。お前は我にしか意識が行かないようになってるからな。それを知った今も回りの音がきこえぬだろぅ?」

「暗示かぁ。」

「暗示じゃ。しかし、我のこの技が役だっているのか愚問じゃ。意志が強い奴ややるべき事がある奴にはきかん。全く効かないのじゃ。お前は意志とか思いとかないらしいな。ここまで聞く奴久しぶりじゃぞ?」

「わるかったな。」

「本当にお前は面白いのう。」

 くくっと笑う。

「戦闘はやる物じゃないのう。観ているのが一番楽しい。」

「見てるのもやるのもつまらないよ。」

 と僕は思う。

「ほう。戦闘をして快楽を覚えぬ派の奴か。我の所の奴らは、そんな奴しかいないからのう。」

「そうですね。」

 楽しそうにバトルしてる人たちらしいもんな。

「まぁ、終わる前に見ようじゃないか。下僕よ。これがここでのラストバトルじゃぞ。」

「僕は?」

「見てる。賭でもするかのう?お前らが勝ったら我は死ぬ。我らが勝ったらどうしようかのう……………。お前が我の下僕になるというのはどうじゃ?どっちみち何も残らないのじゃ。」

「のじゃかぁ。」

「見ようじゃないか。」

 ぐーと僕を回転させる。

 重いだろうに。

「むー!」

 やばい。可愛い。

 なんだこいつ。

 ちょっとも動けないからな。

 僕。

 動けるようにしてよ。

 まあ、僕を無効化させる方法は動けなくさせるのが一番早いからな。

「ほらみるのじゃ。回してやったぞ。」

 ん?

「なんで、僕に触れるんだ?」

 純粋な疑問。

「我をなんだと思っているのじゃ?」

「そうですか…。」

「お前、前が見えてないんじゃ無かろうな?」

 ん?

 見えないけど。

 壁かな?

「馬鹿が。どれだけ純粋なんじゃ?暗示にかかりすぎじゃよ。」

 目の前を手が通りすぎた。

 常盤の手が。

「おぉ。見えた。」

「馬鹿め。今すぐ殺したくなってきたわい。」

「やめろ……僕は死にたくないぞ。」

 そして、なんだその口調。

「ほれ、前を見ろ。戦ってるぞ。曙とやらと東雲とやら、対、珊瑚朱じゃ。………二対一は卑怯ではないか?」

 僕からみて左側では、曙、東雲対珊瑚朱君でバトルをやっていた。

 曙が何か珊瑚朱君と話してる(叫んでる?)が聞こえない。

「曙、東雲は二人で一人みたいな物ですからね。一人じゃ動くのも難しいんですよ。」

 曙は。

 東雲は曙を捨てれば自由に動ける。

「ほう。しかし珊瑚朱が押されてるぞ?」

 珊瑚朱君はデスサイスで二人の攻撃に堪えるのしか出来ていない。

「二人というのは変わらないから………一人は有り得ない。二人しかありえない。バラバラだったら0人。とでも言っておきましょうか?」

 僕なりに頑張った説明でした。

「しかし、最初のほうは珊瑚朱が優性だったからのう…………。まだわからんわ。」

「曙、東雲に勝って貰わなきゃ困りますよ。」

「珊瑚朱の命は消えるがな。」

「………………。」

 弱肉強食。

 この戦いやめられないかな…。

 何処から違ったんだろう。

 ここに来たこと?

 いや、もっと前から間違えてた。

 ………そうだろ?

「ほれ、朽葉とやらと萌黄も始めるようじゃ。」

 右側をみると、いままで曙、東雲対珊瑚朱君を見ていた二人が立ち上がって向かい合っていた。

「僕がみるかぎり、萌黄はかなり強いと思うんですよね。」

「朽葉の師匠と言っても過言ではないとおもうぞ。色々とおエロい事させられたようじゃがの。」

 師匠…………?


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