建物に侵入!!味方か!?敵か!?食べ物か!?二人組、シュークリーム!
僕はどうすればいいんだ?
この先真っすぐとか言われてもね………。
僕、方向音痴。
まず、どっちからきたのか覚えてない。
珊瑚朱君重いしなぁ。(背負ってる。)
「………帰ろうかな。」
いやいやいや。いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。帰るところないし。
まず、朽葉に殺されるわ。
そして、珊瑚朱君どうするんだよ。
「お困りのようでし。」
「!?」
正面にいた。
二人。
二人も正面にいたのに気がつかないなんて。
気が緩んでた?
いや、そんなことない。……筈。
「…ふひひ……無視でしかぁ?私ぃ、無視とか虫とか慣れてないんでしよぅ。ねー?朱色君ー。」
「うはは---って名前で呼ぶんじゃねぇ!」
「そうでした。ふひ---ふひひひひ!どうも!匿名希望の皆のアイドルしーちゃんでし!」
「俺も匿名希望だったんだけどなぁ。死色。うはは。やべぇやべぇ-名前で呼んじまった(棒」
ツッコミ所のススメ。
1、誰?
2、敵ですか?
3、朱色君と死色ちゃんですね?
4、チームワーク大丈夫?
何番を選択する?
-------二番。
「コントなら他所でやってくれませんか?」
間違えたー。
どうでもいい事言った。
「気を取り直すでし。」
「テイクツー。」
「皆のアイドルこと、しーちゃんとーーーー」
「皆のアイドル、しゅーちゃん!」
「二人合わせてーーーー「「シュークリーム!」」でし!」
ジャキーンとポーズをキメる。
僕は無視ですか。
はいはい。他所でやってね。
シュークリームって、『し』と『しゅ』しかないよね。
「えっと?おめでとう?」
「おめでとうってなんだよー。」
「そうでし!そうでし!お祝いとか岩いとか意味分かんないでし!」
なんだよ!?岩いって!無理矢理すぎだろ!
「今日はちゃんと殺しにきてねぇのになぁ。」
「そうでしよ。ふひひっ。お道案内に来たでしっ!!」
「…………………………?道案内?」
「そうだよ。白群の場所知りてぇんだろ?」
「知りたいですけど………。」
信用できないよ君達。
僕だって馬鹿だけど馬鹿じゃないんだから。
「この先に地獄があるぜ。なんつったかなーし…東雲っーのが暴れてんぜ。」
「東雲が!?」
それは-----それはやばいぞ。
僕らの中で一番恐ろしいのは東雲なのに。
曙になにがあった?
「そうでしね……ここまでくるのに地球一周半してきましたからねぇ。5分ぐらい立ってまし。」
「地球一周半はブラジルだ!そして、5分で回るのは不可能だ!……………じゃなくて!それは事実か!?」
「さぁ?狂言、戯言かもしれねぇぜ?---俺らについてくるか?鬼が出るか蛇が出るか。ふははははははは!」
「でし。私達は騙そうとしてるかもでし。ふひひひひ----ひひ。」
面白そうに笑う。
「なにしに来たんだよ………。おまえら。」
「遊びにきたんでし。」
うわぁ。かなしい。
鬼が出ようが蛇が出ようが東雲はとめなければ。
東雲は鬼でもあり、蛇でもある。
とめなければ。
絶対に。
「お----て下さい。」
「聞こえないでし。」
「教えて下さい。」
「なにを?」
「東雲の場所を。」
「「了解。」」
なんだ。チームワークいいじゃないか。
なんて思った。
***********
三人の少年と少女は名前がありませんでした。
名前を忘れていました。
忘れ去っていました。
なので美しい悪魔は名前をつけました。
東雲と曙。
もう一人は名前は決めましたが教えませんでした。
悪魔はゲームにしました。
①色の名前。
②画数は十二かく。
③aは一。bは2。Cは3。Zは26だとしてたすと77。
と問題を出しました。
少年は答えませんでした。
絶対に分からないと悪魔は思っていました。
少年は名前が分かったように笑いました。
***********
「それ、重くねぇか?」
と朱色君。
……?ああ。珊瑚朱君か。背負ってるからな。
「ん。重いけど………。」
「私ぃもちましかぁ?ふひひ。力持ちでしよ!」
「いや、いいよ。」
僕が持たないと意味ないし。
「じゃあ薙刀もちましかぁ?」
「なんで。殺す側の奴に武器を渡さなきゃいけないんだよ。」
危険だわ。
と。
空気が変わった。
「…………………………。」
「もうすぐだ。」
空気が重い。
「あ。そうでしでしでした!おにーさん!しーちゃんはここまででし!」
「え?」
「俺こと、かっこいいしゅーちゃんも帰るかな。」
「こんな殺気だらけのとこに行って死んだら意味ないでし!」
意味?
「こっちに真っすぐいけばいい………って殺気追えばいいぜぇ。ふははっははは!」
「じゃあばいばいでし。ふひひひひひ!」
といって消えた。
いや、人間が消える訳無いから移動しただけだと思うけど、まぁ消えたもんは消えたんだ。
「本当になにもされなかったなぁ。」
知らないうちに何かされてるのかも知れないけど。
強いんだろうな。
もう会うことはない気がした。
「………………………………。」
そんなことより、東雲だ。
この殺気はやばい。
朽葉は気付いているのだろうか?
朽葉だってなんでもできるわけではないからな。
取りあえず東雲を探さなければ。捜さなければ。
「近くにいるはずだ。」
と。
いた。
「………………………。」
地獄の中に。
東雲の周りは赤い朱い紅い。
コレは……………誰だ?
ばらばらを越えている。
なんだコレは。
「……うっ」
口元を押さえる。
本当、ーーーーーー
本当に僕は弱い。
曙ではない。
曙は東雲の近くに倒れている。
怪我はない。…と思う。
倒れたのか。
曙が。
ならしょうがない。
「……………っ」
東雲と呼ぼうとして止まる。
果たして、呼んでいいのか?
自我はたもっているのか?
話しかけるのも憚られる。
「……おねぇちゃん。」
と僕を見て東雲が言った。
虚ろな目で。
久しぶりに聞く、東雲の声。
「僕はお兄ちゃんだ。お姉ちゃんは曙だろ?」
「そうだった。」と言うように東雲は頷いた。
「守った…んだよ。」
「そうか。曙を起こしていいか?」
コクンと頷く。
東雲はそのまま目を閉じた。
いつも通り。
「…………………曙、起きろ。」
起きません。
ーーーーーーですよね。
ずかずかと曙の所に行く。
そして蹴る。
「起きろ。」
「ふわ!?ふわわわ!?何!?兄貴!?は!?まさかあけぼのの寝込みを襲おうと…………。」
「断じて違う。お前など興味ない。」
「逆に傷ついた!防弾ガラスは粉々だ!」
「防弾ガラスだったんだな!?」
普通にガラスにしろよ!
「は!あけぼのの周りが赤い!」
「気付くのおせぇ!」
「これはクレオンか?」
「なんだよ!クレオンって!クレヨンだろ!?そしてせめて絵の具にしろ!」
「じゃあ色鉛筆か。」
「そろそろ現実見ようぜ!」
「現実と空想が入り交じった世界。」
「厨二病お疲れ!」
「私はそこにおりたった。」
「まだ続いてたんだ!」
「しかし-----」
「もういいよ!」
茶番はいいからさ。
「……………納戸。」と曙が悲しげに呟いた気がしたが僕の入る領域ではない気がしたのでスルー。
「兄貴。朽葉さんから伝言がございますでござるですます。」
「なんだよ?」
あえてスルー。
「「私はこの中にいるわ!助けて!」だそうでございますでござるですます。」
「嘘だ。」
即答した。
朽葉がそんな事言ったら泣く。
「なんですと!?私の乳に誓って言ったんだよ!」
「お前に乳などない。」
「なんだっと!」
「噛んでるんじゃねぇ!」
「兄貴は噛んだ事がないというのか!?そして、兄貴の背中にいるのは誰だ!?まさか…………………………ほ…mーーーーーーーー」
「すまんかった!僕が悪かった!」
謝罪。
ちなみに背中にいるのは珊瑚朱君です。
「ふっあけぼのから百万メートル離れたら許してやろう。」
「地球退会命令!」
「ふっやってみなさい。」
「ふっお前が離れれば良かろう。」
「ふっあけぼのはここから動けないのじゃ。」
「植物か!」
「兄貴のツッコミにははきはきだよ。」
「はきはきってなんだよ。飽き飽きだろ。」
「そうそう。飽き飽き。はきはき。はいはい。じゃあ朽葉さん追いかけようか。兄貴。」
いい感じに流された!
なんか悲しいな!
この気持ち、東雲なら分かってくれてるさ!
「朽葉はこのなかにいるんだろ?」
「うん。殺し屋国際会議やってる。」
その設定生きてたんだ。
「そこにくっちーがいるのか。」
僕は設定を掘り起こす。
「誰だよ。くっちーって。とにかく、スーパーミラクルシニカルユニセフカラクルサイクルカラフルラスイチキラキラスペーススペックタチキリチェーンツッコミナックルヌードルフワフワハラキリフジヤマリーダーネコソギカラオケヤサクレヘッポコサイコロラジカル体操隊。としては朽葉さんを捜さなければいけないのだ。」
くっちーは設定として消えてるけどスーパーミラクルなんとかかんとかは設定として生きている………………と。(というか、なんで皆言えるの?これ。)
「で、あのなかにいるのか?朽葉は。」
「さっきからそれをいってるんだもん。兄貴はバナナなんですかー?」
「なんだよバナナって。せめて馬鹿って言ってくれよ。」
「あけぼのは言うべき事を言ってるんだもん。」
バナナっていうべきだったんだ!?
「逝くか。僕と曙と東雲で。」
「漢字ちがうもん!」
おぉ。曙にツッコミ入れられた。
「あながち間違ってないぞ。」
「間違ってるもん!」
「どうでもいいから行こうぜ。」
「ボケを放棄された!そして背負ってるのはどうするの!」
「あん?珊瑚朱か?いいよ。持ってく。」
「持っていないと意味がないんだっけ?」
「そう。」
「ふーんどうでもいいもん。好きにすれば?」
どうでもいいんだ!
「朽葉死んでもしらねーぞ。」
「は!それは困る!行かねば!GO!GO!!」
といってあるきだす、曙。
GO!GO!言ってる割にゆっくりだな。
「もうちょい早く歩けないのかよ。」
「無理。」
「残念無念。」
なんだよこの会話。
僕と東雲は曙についていく。
入口はもうすぐ。
僕は呟く。
「あーぁ。つまらなくなってきやがった。」
***********
扉を開けると本物の地獄だった。
一言でいうとーー
血の海。
肉の陸。
だった。
皆、殺されている。
一人残らず完璧に。しっかりと。
東雲よりは無惨ではないが、数。
50は越えている。
これが続くかとおもうと吐き気がする。
「う…………」
口元を押さえる。
グッと。堪える。
さっきより強く。
「兄貴?大丈夫?」
「だいじょばない。」
「ここで早口言葉。赤巻紙青巻紙黄巻紙。」
「なんで!?」
「楽しいかなって。」
「朱麻痺紙青薪神着巻髪。」
「わー。すごーい。かみがいっばい。」
「神がおっばい?」
「糞虫が。下品。」
「ひでぇ!!」
ちょっと?間違えただけだろ。
「糞虫。元気になった?」
「う…ん。元気になっていいのかわからないけど。」
糞虫って、年上に言うか!?普通!?
「ふうん。良かった。あけぼのは寒心したよ。」
「寒心ってなんだよ!?せめて安心と言ってくれ!」
ん?曙は曙で僕を心配しているのか?
なら気をつかわせて、悪いことしたなぁ。
「間違えてないよ。寒心で正解。」
前言撤回!
「悲しいな!さあ!階段のぼろうか!」
「兄貴は天に昇るんだよね!?」
「違うわ!」
と楽しい会話をしながらカンカンと鉄製な階段をのぼる。
僕、曙、東雲、珊瑚朱。
楽しいなぁ。
全く。
全く。
「兄貴はどうして朽葉さんについていくの?」
「ん?」
真面目か。
「曙と東雲は地球から一センチ離れた、ショタロリ星崩壊の時、朽葉さんに助けてもらったけど身寄りがないから朽葉さんについていってるんだよ。兄貴は?」
絶対、嘘だよなぁ!
なんだよ!ショタロリ星って!
しかも一センチだぜ!?
流石、朽葉!
そこに痺れる憧れるぅ!
「僕はなんで朽葉についていってるんだろうな?覚えてない。」
「意味不。」
「意味不まで言ったら意味不明って言おうぜ。」
「嫌だ!」
「何故!全力で否定する!?」
「うりゅしゃい!」
「噛んでるんじゃねぇ!」
「火に頁と書いて……………?」
「煩?」
「君は煩いね☆」
「☆が逆に傷つくぜ…………。」
「五月蝿いね☆」
「漢字変えても意味ねぇよ。」
「五月煩い。ねぇ?東雲。」
「うるうるさいになってる!」
馬鹿か!
ついでに東雲の返事はありません。
「馬鹿だ!」
「認めた!?」
「何が悪い?」
「いや、悪くはないが……………。」
逆切れは良くないよ。
「さあ!司会が開けてきたんだよ!」
「そうか……開いたんだな……殺したのか?」
ただしくは視界。
「視界が開けてきたよ!」
「テイクツー!」
と、二階に着いた。
まあ、視界は開けたけど………。
血みどろ。
「うひゃあ、気持ち悪い。」
「うひゃあ?」
また、肉、血。
ていうか一階より雑。
そして、一階より少ない。
まぁ、侵入されて一階に皆行っただろうから当たり前か。
「ちょ………………兄…貴。」
「あん?」
「朽葉さんが倒れてる。」
「は?」
「あそこ。」
といって正面を指差す。
そのさきを見る。
そこにはーーーーーー
「朽葉っ!?」
走って駆け寄る。
血で汚れる。
「ーーーーーー赤朽葉青朽葉黄朽葉。」
「は?ーーーーーー」
「うるせぇ。」
飛び蹴りがとんできた!!
まま、まて!
朽葉の飛び蹴りはしゃれにならねぇぞ!
僕、珊瑚朱君背負ってるんだぞ!
「ままよ!」
腰を曲げ朽葉の足を掴む。
「ぐぅううう!」
抑えられない!こともない!
抑える!
死にたくないもん!
朽葉にはなにがきく?あれは?これは?いや駄目だ。じゃああれは?駄目だ朽葉には聞かない。
ごり押ししかないようです!
まてよ…………朽葉も人間だ。
関節ぐらいあるさ。
膝を折ればいい。
「名付けて、爪先膝カックン!」
だせぇ!
しかし、おかしな方向に足が曲がった。
「赤朽葉青朽葉黄朽葉。言え。」
「赤朽葉!青朽葉!黄朽葉!」
なんだよこれ!
「よし。やめてやろう。私への愛があるようだ。」
といって朽葉は僕を足場にしてばく中をする。
いてぇ!
そして、美しく着地。
「兄貴!」
と言って駆けてきたのは東雲と曙。
曙のタックルをくらう。
「なんなんだよおまえら………。」
珊瑚朱君死ぬぞ。
「私は機嫌が悪い。だから死んだふりをしてた。きちんと心臓も止めてたぞ。」
「お前人間か!?」
「人間だ。」
「というかなんでご機嫌斜めなんだよ!?」
「殆ど死んでたから。」
「は?」
「私が入ったときは白群はほぼ全滅してた。」
「なんでですか?」
と曙。
「しらねーよ。生きてるのは五階の奴らぐらいだとおもうぜ。私は。」
「足音はするもんな。」
「四階までいったが皆死んでた。くそ、殺しができねぇ。」
そっちなんだ!
僕、びっくり!
「じゃあ、のこすところボス戦だけなんですか?」
「そうなのかな?」
「そうなのかなってなんだよ。僕らを待ってくれたのは嬉しいですけど。」
ん?自分で言って思ったんだが嬉しいか?これ。
「ほう。嬉しいのか。そうか。ほう。私に服従しているもんな。」
「服従した覚えはない。」
「じゃあこの場でお前を殺ちてもいいのか?」
「噛んでますよ。」
殺ちてもってなんだよ!
「煩い。殺すぞ。」
「やめてください!死にたくないです。」
「死にたくなければ「朽葉様、私ことち---僕は貴方に従います。」と言え。」
「今、僕の名前言いかけたよな!?」
「木のせいだ。」
「植物の性にしやがった!」
「さあ、いえよ。死にたいのか?全力で殺してやるぞ?誰に戦い方を学んだんだ?お前は。ほらいえよ。」
少なくともおまえじゃない。僕には師匠がいるんだ。
「クチバサマ、ワタシコトチ--ボクハアナタニシタガイマス。」
「よし。いいだろう。」
いいんだ!
片仮名はいただけないなとか言わないんだ!
「そろそろ行きませんか?朽葉さん。」
と曙。
お前出番へったな!
ざまぁ!
「ここでいう、ラスボスだがいいか?」
「いいも悪いもやらなくちゃいけないでしょう?」
「そうでもな---そうだな。行くか。」
何か言いかけた!
「逝きましょう!」
「逝くな!」
「五月煩いです!兄貴!」
「うるうるさい!」
「うるせぇ。逝くぞ。」
「お前まで言うか!」
もうだれが話してるか分からないよ!
そんな僕、今日この頃。
僕らは階段を上り始めた。




