水筒エモーション
水筒、もってません。
ほんとのところは
もしぼくにできるのであれば きみへと
肩をかしてやりたいし
手をひいてやりたい
背中をおしてやりたいし
肩をたたいてやりたい
汗をぬぐってやりたいし
涙をふいてやりたい
弱音を押し殺してやりたいし
強がりをひきずり出してやりたい
でも どれひとつ かなわないことだし
それでも このぼくに
できることがあるとしたら せいぜい
のどのかわきを いやしてやることぐらい
だったら せめて
何キロかおきに置かれた事務机で
紙コップに汲まれて待ち構えるんじゃなくて
きみと寄り添いたいな
ちっぽけなぼくの水が涸れるまで
好きなときに 好きなだけ
飲んでくれていいよと もちはこばれたいんだ
水筒エモーション
飲みたいきもちに
きみが正直になってくれたのなら
水筒エモーション
飲まれたいきもちの
ぼくはふたをゆるめるよ
ペットボトルがあるからなぁ。
真夏なら、保冷性のある水筒のほうが安全ですけど。