夢見月の風吹く、アクアマリンの空に
青い夢見月の
空から舞い降りる
陽光を浴びて
光る坂道の途中に
咲いたモクレンの
白い花はまるで
春告鳥が空へと
飛び立とうと
見上げるように
枝の先に映えて
少しずつ高くなる
太陽とともに
また一つ
青くなっていく
広がる空は
アクアマリンの色
吹きゆく風に
そよぐスイートピーの
白い花びらは
いくつもの
夢見鳥のように
やわらかな日向を
彩る明日葉の
葉の翠とともに
夢見月の風吹く
アクアマリンの空に
暮れゆく南の
夜空高くに
浮かぶポルックスの
オレンジの光と
目覚めゆくように
煌めくレグルスの
そのあいだに
浮かび上がる
かに座の星々
はるかに続く
星の海の彼方から
やさしい光で
春をささやいて
夢見月の風吹く
アクアマリンの空に
はてしない宇宙に
広がる銀河のように
はてしない心の
宇宙を流れる
銀河を渡りゆくように
こぎ出すことから
すべては始まって
見上げた宙の
月や星々は彼方に
感じるけれど
広い宇宙から
その光を
見つけることが
できるのなら
この地球の上で
描くものもきっと
見つけられると
そう信じて
今日を咲く花も
未来に咲く花も
一粒の種から
少しずつ芽吹き
雨の日も
風の強い日も
その葉を広げていく
明日葉のように
鳥が空高く飛ぶのは
風に向かって
羽を広げた
その時であるように
少しずつ高くなる
太陽とともに
また一つ
青く澄んでいく
空と
夢を心に
夢見月の風吹く、
アクアマリンの空に
夢見月は3月、春告鳥はウグイスで、夢見鳥は蝶のことです。透き通る青色のアクアマリンは、3月の誕生石で、石言葉は「幸福」です。夜のささやかな光でも輝き、「月の女神の石」とも呼ばれます。
黄道十二星座の一つ、かに座は、ふたご座のポルックスとしし座のレグルスの星の間にあり、光はささやかですが、春の訪れとともに3月の空高くへ上がります。
モクレン(白木蓮)は花が空を向いて咲き、蝶が羽ばたくような白いスイートピーの花言葉は「ほのかな喜び」です。3月頃から旬の明日葉は、明日には葉が伸びているのが由来で、花言葉は「未来への希望」です。
季節の星や花をモチーフに、詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。