〜学園内における劇的ビフォーアフター〜
どうも、鮫垣です。
この作品は簡単に言っちゃえばラブコメでありんす。自分のやりたかった事を詰め込んでいくので、ちょっとしたお友達探しでもあります。
まぁまずは見ていって下さい。
第一章 感情欠損男子の出会い
1―1
「よお長谷川、おはよう!」
「…はよ」
俺の名前は長谷川武久。普通の高校2年生だ。
「てか見ろよこの娘!最近デビューしたアイドルなんだけどさ、超可愛くね!?」
そういうと、彼は『週刊アイドル』なる雑誌を見せてきた。もう出番はないので名前は言わないが、なるほど男子ウケは良さそうだ。
「可愛ええ〜〜!な、お前もそう思うだろ?」
「…いや、別に」
「なんだよ、お前ホント女見る目ないよな」
そのアイドルには可哀想だが、俺は可愛いとは全く思わない。いや、思えないのだ。
「そーいやお前って何見せても『可愛い』とか言ったことないよな」
そう。俺に『可愛い』という感情はない。
幼い頃からそうなのである。
ペットを見ても、ラブコメを読んでも、そしてさっきのようにアイドルを見せられても。
俺は『可愛い』と思えないのだ。
「おいおい、この娘が可愛くないわけねぇだろ?本当は感じてんだろ?な、ムッツリスケベさんよぉ」
それ以外の感情はある。
現に俺は今、こいつに殺意を抱いている。
「まぁこの娘は可愛くなくても、お前にも『可愛い』と思える女はいるはずだ。ま、気長に待っとけよ」
「…んじゃそうするわ」
本当は恋愛など全く興味ないが、こいつに悪意はないため、無視するのも後ろめたい。
…ん、じゃあなんでラブコメなんか読んでるのかって?
そりゃあもちろん、
『可愛い』を理解するためだ。
思えば『可愛い』を理解できないせいで、随分嫌な思いをしてきた。
男子グループに入るもラブコメのヒロインの可愛さが理解できず浮き、
女子グループに入ろうとするもペットの可愛さが理解できず浮き、
老人の井戸端会議に入るも子供の可愛さが理解できず浮いた。
全く困った話だ。
人間、一つ同調出来ないだけでボッチになってしまうのだ。
俺は、そんな世の中を変えたい。
だから、こうして必死に勉強しているのだ。
「そういえば今日、ウチのクラスに転校生が来るらしいぜ!なんでもすっげー美人だとか!」
「‥‥そうか」
「なんでノーリアクションなんだテメェは!
美人の転校生だぞ!?もっとこう‥なんか、その‥
なんかあるだろうがぁぁ!!」
無い。悪いが一切無い。
「あんまヌカ喜びすると、ブスだった時が辛いぞ」
「くっ‥た、確かに‥!」
こうして俺はこの馬鹿ー真田弘を言いくるめ、いつも通り学校へ向かっていた。
「いっけな〜い、遅刻遅刻!」
曲がり角を曲がった瞬間、テンプレの様な台詞を吐きながら、一人の少女が俺にぶつかってきた。
それは転校生ーではなかった。
「痛ったた‥あ、ぶつかってごめんなさ‥って何だアンタか、謝って損した」
この出会い頭から殴りたくなる女は石橋桜。
いわゆる幼馴染というやつだ。
「まぁいいわ、てかもうすぐチャイム鳴るわよ。
アンタらも早く学校行きなさいよ。」
「その学校と真反対の方に全力疾走してた奴には言われたくねぇな」
「‥え、今なんて‥?」
「だから、お前は学校と真反対の向きに走ってたんだよ。あっち行っても風俗しかねえぞ。
それとも何だ?そういうエロい店ででも働いてんのか?どうなんだよ桜サンよぉ」
「う、うっさいわねこの馬鹿!」
そう言うと、桜は学校に進み―いや、戻り始めた。
さっきの仕返しはできたのでよしとしよう。
「全く、あんな可愛い幼馴染ちゃんの事あんなにイジメて‥
あっ、そうか!
もしかしてお前、ドSってやつだろ?
だから可愛いとか思わないのか。なぁどうなんだよなぁなぁn」
まるで人を殴る様な、鈍い音がした。
こうして俺は馬鹿1名を無事撃退し、真っ直ぐ学校へと向かった。今日も良い天気だ。
一方そのころ、桜はと言うと――
(はぁ、また怒っちゃった‥私ったら駄目ね‥
武久と一緒に学校行きたいからって方向音痴のフリするのも疲れるなぁ‥
‥いやいや、明日こそ!明日こそは武久と一緒に学校行ってやるんだから!頑張れ私!ファイト!)
おわかりいただけただろうか。
これが長谷川武久の日常である。
しかし、日常とはときに簡単に崩れるものだ。
そう、たった一人の女によってさえ‥
楽しんでいただけましたか?
そうなら幸いです。
この作品は不定期更新なので、まぁ気長に待ってやって下さい。
それでは、また。




