人間不在
周りには誰もいない
聞こえて来るのは
鳥たちのさえずりだけ
1日は 明るくなり
暗くなる
その中で 何を考え
何を するのか
決まっていないよ
ふらりと動き ふらりと休憩
ろくに腹も減らないのに
仕方なく食べる
一番気になるのは
鳥たちの声だ
1日のうちに 記憶にのこるものと言えば
何が楽しいのかって?
楽しみなど無い 無だ
1日を ぼけっと過ごし
勝手に過ぎて行く
目的でもあれば
集中できるから 楽しい
その目的でさえも 無い
このまま年を取って
終焉を向かえるかと
思えば 無情だな
空っぽの人生で 充実感など消えてしまったから
すべてが仕方なくで
片付いて行く
趣味と呼べるものも皆無だし
お天気が 晴れだ 雨だと
分かるぐらいなんだ
ひたすら天井ばかりを
見上げて 木目との会話
空想や想像も消えた
もう心は いつかからか
止まっている
動いを止めた心
さんざん心に負担を
かけてしまったから
心は 閉ざしている
再起動させたくても
カチコチに固まった心には
始動させるすべもない
良く言えば 無心
悪く言えば 考えないから
突発的な行動にしかならない
あとは余力の心のかけらで
この身を動かしている
さてさて この先はと
思うと 憂うつな感情が
ものすごい量で
湧き上がってくるだけだ
まさに原始のような感覚
悪く言えば いい加減の
詰め合わせみたいなものだな
ハハハと
笑わないけれど
笑いたい気分
そう言えば 笑いも
失ったようだ
何十年も 笑いが消えている
いったいこの身は
人間なのだろうか
無表情な生き物に
なっていないだろうか
それにしても
辛いものだ 生きることは