序章
「みんなー、静かにしろー。今日は転校生がいる。・・・・・入ってくれ。」
短く髪を刈りあげた女教師に招かれ教室に入ると、皆の視線がこちらに降り注がれた。
「えっと、それじゃ、イネさん。自己紹介を。」
「プミラ・シロガネヨシ・イネといいます!皆さん、よろしくお願いしみゃっ・・・キャハッ☆噛んじゃった☆」
しーん・・・・・
「(・・・・・え、あの人・・・おばさんだよね?)」
・・・・・ぎぎぎぎ・・・・・!
「(うん・・・・。いや、待て待て。ただの老けた人の可能性もある。)」
ぐぎぎぎぎぎぎぎ・・・・!!
「(・・・・・なんか・・・先生より年上のような・・・・。)」
え、あ、本当だ。そうかm・・・・いや、そんなはずない!!
「(メイクのせいじゃ・・・・?)」
「(いや・・・
・・・・・・・・
「・・・・おばさんじゃないわっ!!!二十代に喧嘩売ってるわけ!!?あたし、まだピチピチだから!!!!まだ、若い方なのっ!!」
しーん・・・・・・
「(・・・・え。やっぱおばさん・・・・。)」
「(二十代みたいだね・・・・。だから、まだおばさんではないでしょ・・・・。)」
「(二十代か・・・・。それにしては老けてるね・・・・・。)」
・・・・・・・。
「老けてないわバーカ!!!!」
老けてないったらふけてないの!!!
「(歳の割には・・・・子供っぽい性格だ・・・・。)」
「(というか、地獄耳・・・。)」
聞こえてる聞こえてる聞こえてる!!!声を潜めてたってムダだ!このプミラさまには全部聞こえる!
「えー、あー、えーっと・・・・・イネさんは、とある事情でこのクラスに編入することになった。君たちより年齢が7、8歳上だが、仲良くするように。」
・・・・しーん・・・・
「(ってことは・・・・)」
「(23歳か24歳・・・・・?)」
・・・・あんの馬鹿教師・・・。余計なことを言いやがって・・・!!!!
「・・・・・よろしく。」
どでっかい猫を被って生きていこうと思っていたが、もうあきらめた。クラスメイトも教師もゆるさん。年下のくせに・・・!!!あ、認めちゃったわ。
「じゃあ・・・席へ・・・。」
・・・・特に教師の言葉には返事せず、さされた席・・・・教室の一番後ろで窓際から二番目の席へとさっさと座った。となりの窓際の席のヤツは不在のようだ。ちっ、どうせだったら窓際がよかった。一番後ろで窓際とかお昼寝に最高のポジショ・・・・いけないいけない。あたしは真面目に生きていくのだった。真面目にきっちりと、学ぶべきことはしっかり学ばなくては。
「(あ、無の神子さまのとなりだ・・・・。)」
「(大丈夫かな、あの人・・・・・。)」
「(大丈夫だよ、大人だし・・・。)」
「(大分子供っぽそうだけど・・・・・。)」
「黙れ!!!」
しーん・・・・
ほんっとなんなんだこの学校。・・・・どうせ追い出すんだったら、他の国にしてくれればよかったのに。
「・・・・・・じゃ、じゃあ、今日のホームルームをこれで終了する・・・・。」
ふん、なんだよ。全部あたしが悪いみたいにしやがって・・・。