表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フリースタイル・コロシアム  作者: 痩せ散らかす
3/3

REC2-1

チャレンジャー、ガルの戦いが始まる

コロシアム。

そこで戦うのは、

何も、猛者達だけでは無い。


ブルトラとシデンクトァの登場に、見えない観客達の歓声が湧き上がる。


「フリースタイルコロシアァァム!!」

「さぁ、今回のチャレンジャーはコイツだぁ!!」


カーツ王国歴1749年、その年の終わりは王国歴1750年となる国の半世紀毎の祝い行事があるはずだった。


国中がお祝いムードであり、それはカーツ王国の端にある田舎の村でも同じだった。


村の近くにある魔獣の森で、(いにしえ)の魔獣ブレェヤが目を醒ますまでは。


魔獣ブレェヤは山を喰い、湖を飲み干す。

魔獣ブレェヤは子供を産む。

魔獣ブレェヤ達は、世界を破滅させる。


ある時、教会に神のお告げがあり勇者が発見される。


勇者は懸命に戦った。


教会は魔獣ブレェヤの子供達に潰された。

教会の結界が消滅し、魔獣ブレェヤの被害は世界に広がった。


それでも勇者は戦った。仲間を集め、戦った。

魔獣ブレェヤの子供を倒し、時に魔獣ブレェヤを退けた。


魔獣ブレェヤの子供は知性を付けた。

その知性は他の子供達にも広がった。


勇者は戦った。仲間を失い、守るものを次々に失って尚戦った。


カーツ王国の端には村があった。

その村には兄弟がいた。

兄弟は魔獣ブレェヤが目を醒ます寸前に逃がされ、魔獣ブレェヤの被害が世界に広がっても生き延びていた。


弟は魔獣ブレェヤの子供に連れ去られた。

知性のないタイプの魔獣ブレェヤの子供だった。


兄は弟を助けにいった。

伊達に兄弟でサバイバルを生き抜いてきた訳じゃない。

兵士の死体から拝借していった中でも上等な剣と、手製の弓を持って助けにいった。


魔獣ブレェヤの子供の巣。

更に下位の魔獣ブレェヤの子供を屠りながら、兄は進む。

やがて弓矢は潰え、上等な剣も刃の損耗が激しく使えなくなってきた。


巣の奥に辿り着いた頃には、兄は既に満身創痍だった。

あと少し、あと少し力があれば……そう願う。

その時、招待状を持ったスカウトマンが現れた。


今、兄の目の前にあるのは魔獣ブレェヤの巣でなくコロシアム。


「フリースタイルコロシアァァム!!」

「さぁ、今回のチャレンジャーはコイツだぁ!!」


兄は一歩前へ進む。

すると兄の姿が見えるようになった観客が声援を上げる。


「チャレンジャー!ガル・ポーロォォオ!!!」


ブルトラの紹介に兄ことガルは一層の声援を受ける。


「対する守護者(ガーディアン)はコイツだぁ!!」

シデンクトァが天を手で指し示す。


光の柱がコロシアムに注ぎ、そこを守護者(ガーディアン)が降りてきた。


守護者(ガーディアン)!バハ・エルガァアー!!」


鋼鉄の皮膚を持ちながらそのウシカエルの様な見た目通り、腹や頬を膨らませては縮ませる。


「それでは、戦って頂くステージはこちらになります。クリエイター、ベンシー!ステージをブッかませー!!」


ステージは密林。

しかし、そこの生体系はガルの見たことの無いものばかりだった。

昆虫、爬虫類、鳥類、肉食の哺乳類。ガルの経験したことの無い密林。その世界の名は地球から亜熱帯の密林(ジャングル)


「木々から全く魔力を感じないだと?」

ガルが疑問に思うのも仕方がない、彼の世界と地球(この世界)は違うのだから。


毎度お馴染み、ブルト ラがルールを説明する。


「1試合、5分。勝利条件は相手を殺害、または降参させること。制限時間内に決着がつかなかった場合、判定になります。自爆と見られる行為や世界を壊す行為は反則となり即失格となりますのでご注意下さい。特殊なアバター同士の対戦となる為、実際に死亡することはありません。チャレンジャーは毎試合、三枚の御札(クリエイター)天海地(てんかいち)武道鎧(バトルアーマー)三つの選択肢(ライフライン)から1つのサポートを選ぶ事が出来ます。チャレンジャー、ガル。どちらのサポートを選びますか?」


「……三つの選択肢(ライフライン)だ」


「オッケーい!チャレンジャーガルが選んだのは三つの選択肢(ライフライン)、それではいってみましょう!レェッツ、バトォォオル!!」


開始早々地響きが驚く。

ガルは周囲を見渡し、警戒を空へ向けた!


ガルの目線と、空高く飛び上がっていたバハの視線が交差する。


50:50フィフティーフィフティーっ!!」


ガルが叫ぶとバハの周りを1秒程、幾つもの50:50という文字が素早く周回した。

50:50フィフティーフィフティーが発動したのを確認し、ガルは弓を構え、上空のバハへ向け矢を放った。


しかしその矢は、バハの手から放たれた粘液により勢いを相殺されてしまう。


バハは落下とともにガルへ向かって舌を伸ばす。ガルは弓を腰に掛け、武器を剣に持ち変えた。

伸びてきた舌を見極め剣で斬り落とそうとしての行動だったが、ガルはそれを途中で止め、横へ跳躍してバハの舌を避けた。


バハの舌は、纏う唾液によって大地を溶かし抉る。まるで巨大なワームの魔物のように。

その強力な酸の唾液に、ガルは気づいて飛び退いたのだ。


やがてバハは落下中にその身を密林で隠す。

バハの着地は静かだった。


ガルは50:50でもまだ勝利へ届かないと判断し、大衆の案(オーディエンス)を申請した。


すると、陽気な音楽と共にブルトラが密林(ジャングル)ステージに登場した。


「タァーイムストップ!!」


ブルトラの掛け声で、ガルの体は動かなくなる。


「チャレンジャーガルが大衆の案(オーディエンス)を申請しました。それでは皆様で4つの武具から1つを選んで頂きます。皆様、お手元のパネルから1つ武具をお選び下さい」


A.空間拳(ゾーングローブ)

B.命燃焼炉(クリムゾンブルース)

C.精霊素材の義眼(マテリアル・アイ)

D.筒鍵の銃(キーバスター)


50:50の印象があれですが、ガル君も結構超人ですので。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ