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フリースタイル・コロシアム  作者: 痩せ散らかす
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Rec1-2

チャレンジャーシディカの戦いが始まる。

いよいよ、シディカの挑戦が始まる。


「それでは、チャレンジャーシディカ。どちらのサポートを選びますか」

ブルトラが手で空中に浮かび上がった選択肢を指し示す。


第一試合。対戦相手はリザードマンのミラーラ。

シディカが選択したものは……


「俺は武道鎧(バトルアーマー)を選ぶ」


「さぁ、シディカは天海地(てんかいち)武道鎧(バトルアーマー)を選びました!では、行きましょう!!レェッツバトゥール!!」


戦いが始まった。

ステージはマグマ流れる火山。ミラーラは武器の大鎌を、鎌の部分を低くして構える。


「モード(スカイ)!!」

シディカが叫び、空へ舞ったのと同時、シディカが地を踏んでいた場所にはミラーラが現れており。その大鎌を振り空間とぢめんを切断していた。


シディカの武道鎧は鳥のデザインに変形しており、火山ステージも相まってさながら不死鳥を纏っているかの様だ。


「凄い速さだ。この鎧。しかし、あの大鎌は……俺の剣では刃が持たないな」


シディカが持っている剣は、レジスタンス内でも良質な物だ。

風の刃を魔法付与(エンチャント)されている魔法剣でもある。


その魔法剣をしても、高熱の地面を切断しておきながら刃毀れ一つしていないミラーラの大鎌には敵いそうになかった。


すると、シディカの頭の中に武道鎧の機能が新たにインプットされる。

試合開始時にも武道鎧のモードチェンジの方法がインプットされていた為、シディカはモード(スカイ)によってミラーラの攻撃を避ける事が出来たのだ。


新たにシディカにインプットされたのは、モード(スカイ)の武器情報。

シディカは武器をイメージし、出現させる。それは炎の弓矢。左手に炎か出現し弓を象っている。右手から炎の矢を出現させてそれを構えた時だった。

シディカは危険を察知し、後ろへ後退した。


シディカの前をミラーラの大鎌が凄い速さで回転しながら通過していった。


シディカは、地上のミラーラを探すが見当たらない。

ミラーラはいつの間にかシディカの背後へと跳んでいた。ミラーラは自身の両の手を合わせて拳を握り、シディカの後頭部を殴って地面へと吹っ飛ばす。


「おっらぁっ!」


ミラーラは上空から降りてきた大鎌をキャッチして、自身も地上へ着地する。


勢いよく地面に激突したシディカはフラフラと起き上がった。


「っ……モード(ガイア)っ」


止めを刺しにやってきたミラーラの大鎌を、(ガイア)の武器である大剣で受け止める。

シディカは、そのまま大剣で受けた力を地面に流すように大鎌を払って大剣を地面に刺し、自前の魔法剣でミラーラに攻撃をして距離をとった。


「やるじゃねぇか」

「諦めは悪い方でね。モード……(オーシャン)!」


シディカは、武道鎧のモードを再度チェンジさせた。

溶岩の赤い輝きを反射するその鎧の表面は、まるで鎧の中に大海があるかのように紅の波が漂っている。

シディカにインプットされたモード(オーシャン)の武器情報は全身。つまりは格闘。

その格闘術はミラーラに大鎌を振らせないことに成功した。

モード(オーシャン)のの能力によって、溶岩の熱も一定の温度を閾値にカットされている。


一見シディカが押しているように感じるが、守護者(ガーディアン)ミラーラの次の手によって状況は一変した。


別次元で観戦している者達の歓声が大きくなり、会場のボルテージが上がっている。


ミラーラは地面の下から2体の死神を出現させた。死神達の存在は薄暗く半透明。2体の死神はシディカの体を押さえつける。軽く触れているだけのように見えるが、シディカは痺れたように動きが鈍っている。


「まぁ、良くやった方だよ小僧」


ミラーラは俊敏な動きで大鎌を回収し、シディカへと迫る。


その時だ。

「大海の渦に飲み込め!!オーシャンッ!!」


シディカが叫ぶと武道鎧(バトルアーマー)が光に包まれた。

会場の歓声も一層大きくなる。


光から現れたのは進化した武道鎧(バトルアーマー)、モード大海の渦グレイト・ボルテックス


「諦めが悪いって言ったろ!ただじゃ帰れねぇ。ここで負けて経験値を得られないのだとしても、ここでの経験はもっと積ませてもらう」


「良い根性だ。そういうの嫌いじゃないぜ」


ミラーラの死神による妨害をモード大海の渦グレイト・ボルテックスによって防ぎつつ、シディカは懸命に攻撃するものの、ミラーラを倒せる程の決定打には繋がらない。


刻々と制限時間が迫る。


ついにシディカの拳がミラーラの鳩尾を捉えた。

しかし、急所をついたはずのシディカの方が、顔を強張らせ驚愕に目を見開く。


「楽しかったぜ」


シディカの拳は、ミラーラの体から現れた死神の顔を捉えていた。

死神の顔はヘコんでいるもののどこかニヤケている。

ミラーラはその腕を掴んでシディカの体勢を崩す。


会心の一撃(クリティカル)だ!死神の大鎌(デスサイズ)っ」


ミラーラは、手元に地の底から死神達をどんどん吸収し集め、漆黒の禍々しい大鎌を作り出し、体勢を崩したシディカの胸にその刃を埋めた。


シディカはそのまま意識を失い。武道鎧(バトルアーマー)もブランクモードへと姿を変えた。ミラーラはぐったりとしたシディカをそっと地面に下ろした。武道鎧(バトルアーマー)が火山の大地の熱に煙を上げる。


すかさずブルトラのアナウンスが入る。


「バトル、終了ぉ!!勝者、ミラーラ・ダドゥ!!」


「いやいや、暑いステージに熱いバトル!最高でしたね」

シデンクトァが感想を述べると、火山ステージはコロシアムへと景色を変えた。


そしてシディカはいつの間にか、火山のステージからコロシアムに変わっていた闘技場の上で意識を取り戻した。

自分の体を確かめるがどこにも怪我は無い。


傍にいたミラーラがシディカへ手を差し伸べる。

シディカはその手を取って起き上がった。


「また、お前の挑戦を待ってるぜ」


ミラーラは再度、手を差し出す。

シディカもそれに応え握手を交わした。


「ああっ!次こそ勝つ!」


次第にシディカの体が透けていく。元の世界へ帰るのだ。

ミラーラの手からシディカが消えたとき、ミラーラの体も透け始めた。

ミラーラは踵を反してコロシアムの端へと歩いていき姿を消した。


見えない観客の視線がシデンクトァに集まる。

「さぁ、シディカには元の世界でね。また力を付けて戻ってきて欲しいものです。次のチャレンジャーは、コイツだぁ!!」


ご覧のスポンサーの提供でお送りしました。

「読者のみなさま」

「小説家になろう」

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