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AWOプレイする前に

「さて、始めますか」


美亜の作った絶品の生姜焼きを食べ風呂に入っり少し調べものをした後、俺はAWOを始めることにする。


美亜と一緒にプレイしようと思ったが美亜はβ時代のフレンドと一緒にプレイする約束をしていたようで残念がっていた。なので、明日裕也と一緒にプレイしようと言いつつ頭を撫でておいた。その時小声で何か言っていたようだがよく聞き取れなかった。


あらかじめAWOのホームページをみた。いろいろ興味のある内容の中、驚いたのは知覚加速システムとAIについてだった。


知覚加速システムは現実の一時間がゲーム内では4時間にするというものだ。これにより時間がない人でも楽しめるし長い時間遊んだ気になれる。


そして、AIなのだがAWOに登場するNPCすべてがAIにより動かされており現実の人間と変わらないほど表情豊かなそうだ。さらに、AWOはAIが管理しておりチートなどといったずるは絶対に起こらないという。


そんなこんなで色々調べた俺はAWOにログインしようと思う。


「えっとVRギアを付けて・・・」


ヘルメットのようなVRギアを付けベットに寝転がった俺はスイッチをONにする。


すると意識がだんだんと曖昧になっていった。そして、眠るように意識が落ちていく。


―――――


「ようこそ、AWOへ」


そして、すぐに目が覚めた俺の前には白を基調としたダボッとした服を着た金髪の女性がいた。


「私はAWOの案内役のアイと言います。よろしくお願いします」


「あ、はい。よろしくお願いします」


表情が一切変わらず淡々とした口調で自分の紹介をしたアイさん。なんというか人間味がない。ホームページにあった現実の人間と変わらないというのは嘘なのだろうか?


「それではキャラクター作成を始めます。まず名前からお決めください」


アイさんがそういうと俺の目の前にウィンドウが表示された。


俺はそこにセツナと打ち込む。


「セツナ様ですね。では、次に容姿の設定を行ってください」


今度は俺が映し出されたウィンドウが表示された。


容姿は身長から体重、腕の太さなど細かく設定できるようだった。だが、俺は髪の毛を白のアッシュにして目の色を赤にするだけにした。


別に身体的コンプレックスがあるわけでもないのでキャラが俺だと特定されなければ問題ない。髪の色と目の色を変えるだけでもかなりの違いがあり、一目で俺とは分からない。


「次はステータスをお決めください」


AWOは完全スキル制のゲームでスキルのレベルを上げていき強くなっていく。


スキルには様々なものがあり基本的に自身を強化するものが多い。例えば、『剣術』というスキルは剣の威力を上げることができたり、『筋力強化』は腕力を強化する。当然腕力が上がれば相手に与えるダメージも大きくなる他、重い物を持ち上げられたりできる。『剣術』のような指定の武器を装備しなければ真価を発揮しないスキルにはアーツという必殺技のようなものもある。


また、新しくスキルを得るにはスキルロールというアイテムを使うか自分で身に着けるかの二つの方法がある。自分で身に着けるとは修練することによりそれがスキルとして取得できるということだ。


そして、AWOが他のゲームとは違い独自のシステムを兼ね備えていることがわかる、スキルを作ることができるということだ。スキルを作るというのは運営が元から設定しているスキルを作るということではなく管理をしているAIがプレイヤーが行動したことに対してふさわしいスキルを作り出しプレイヤーに与えるというものなのだ。


つまり、行動一つ一つがスキルになりえるのでスキルの数は無限大なのだ。


「それでは5つスキルをお選びください」


どうやら最初に選べるスキルは5つのようだ。俺は一つはだけ決めているが他の4つを決めてないので映し出されたスキルを眺める。


「・・・よし、これに決めた」


少しして5つのスキルを選んだ。


「では、こちらがステータスになります」


~~~~~

名前:セツナ (男)


HP:1000

MP:100


スキル

『刀術 LV1』『体術 LV1』『筋力強化 LV1』『脚力強化 LV1』『投擲 LV1』


称号

なし

~~~~~


俺が選んだのは『刀術 LV1』『体術 LV1』『筋力強化 LV1』『脚力強化 LV1』『投擲 LV1』の5つだ。


刀術は取ると決めていたのですぐ決まったが他をどうするか迷った。戦闘のみの構成にするか生産関係の構成にするのか、または戦闘と生産両方の構成にするのかを。


だが、結局戦闘のみの構成にした。俺には物を作るっていうのは合わないような気がしたので生産スキルはやめた。


「HPは1000で固定です。ダメージを減らすには性能の良い装備をするか魔法スキルにあるプロテクトなどといったアーツを使用してください」


「わかりました」


「最後に使用する武器をお選びください」


これはスキルからも分かる通り、刀を選択する。すると刀が現れる。俺はそれを手に取り腰に差す。


「では、これでキャラクター作成を終了します。次に基本的なシステムについての説明を行いたいと思いますが、スキップもできますがどうしますか?」


「説明おねがいします」


システムについてはあまり調べていないの説明を聞くことにする。


「わかりました。では、まずアイテムについてです。アイテムは基本アイテムボックスに収納します。収納のやり方は収納したいものに手を触れ収納したいと思えばアイテムボックスに収納されます。ただ、プレイヤーが装備しているアイテムなど他人が所持しているものは収納できません」


他人のアイテムまで収納出来たら盗みし放題だもんな。


「次はスキルです。これは概ね理解していると思うので簡単に」


まあ、理解してなかったらスキル選択できないだろうしな。


「基本スキルのレベルはそのスキルにちなんだ行動をすればレベルが上がります。あなたが選んだ刀術は刀を使用しモンスターを倒すほかに刀を使い素振りなどしてもわずかではありますが経験値が入ります」


へ~、レベルの上げ方にもいろいろあるんだな。


「次は戦闘についてです。戦闘の際他のゲームとは違いモンスターのHPは基本分かりません。なので、いつモンスターが倒れるかは経験によって判断してください。そして、ドロップアイテムは倒したモンスターのその場に落ちるので回収を忘れないよう注意してください」


HPが見えないから倒したって安心して後ろからズドンッてこともあり得るのか。最後まで気を抜かないようにしないとな。


「そして、部位欠損という状態異常があり腕などを切られた際、切られた腕はそのままで再生しません。目や耳も同じです。目の場合は視界が見えなくなり、耳の場合は音が聞こえなくなります。部位欠損を治す方法としては魔法スキルによる回復、または教会に行き治療してもらうのが一般的です」


「一般的じゃないのもあるんですか?」


「あります。高額ですが部位欠損を治す薬があります」


戦闘中に腕がなくなったりしたらかなり不利になるのでその薬を持っておきたいが、高額それも一般的じゃないといことはかなり高いのだろう。初心者が買えるわけがないだろうな。


「最後にチャットとコールについてです。これらの機能はフレンド登録した相手にチャットやコール、電話のようなものです、行うことができる機能です。ただ、戦闘中にはチャットやコールが行えないため覚えておいてください」


「わかりました」


明日美亜と裕也のフレンド登録しておこう。


「では、これよりあなたをAnother World Onlineの世界へとお連れします。準備はよろしいですか」


どうやら説明も終わりついに始まるようだ。


俺は目を閉じまだ見ぬ世界に期待と不安に心躍らせる。AWOで何かを見つけれるかもしれないという期待、また剣道を始めたときのようになるという不安。それらを落ち着かせるために一度深呼吸をして目を開く。


「はい、大丈夫です」


「では、もう一つの世界をお楽しみください」


アイさんの言葉とともにログインした時のように意識が落ちて行った。

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