微睡む
掲載日:2017/12/11
微睡みの中で、僕は、僕は……。
何を夢見たのだろう。
暗闇でも無い。かと言って、眩い光の中でも無い。
身体が浮いているわけでも無ければ、地に足を付けているのでも無い。
僕は、座っているのだろうか、寝転んでいるのだろうか、立っているのだろうか。
僕は、此処で何を、しているんだろう。
向こうから誰かが歩いて来たようだ。
いや、僕が歩み寄ったのだろうか。その姿がどんどんこちらに近づいてくる。どんどんこちらに近づいてくる。どんどん……
辺りが一瞬暗くなった気がした。
また一人だ。
さっきの彼とはすれ違ったのだろうか。
彼? いや、彼女?
振り返……れなかった。首が回らない。
おかしい。
僕の胴の上には、本当にちゃんと頭は付いているのだろうか。
確認したいけど出来ない。触れない。
僕が今感じられるのは頬に触れる微かな感触と、ぼやけた光、そして小波のような心地よいノイズだけ。
いつまでも此処に浸っていたい。
何故かそう思った。
このまま身を委ねていたい。
このままずっと……
ふと飛び込んできた一閃がモヤを掻き消した。
突然僕の周りの全てのものに命が宿り始める。
命が、空気が、重くのしかかる。
手探りで微睡みを探そうとするけど、見つからない。
どこにも見つからない。
行き着くのは硬くて冷たい壁と、柔らかい毛布の手触りだけ。
あの微睡みを、もう一度……




