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私がおとぎ話となった理由  作者: もんじ
序章
7/23

6話: 神様の村づくり(3)

「ベ、ベス姉?・・・ 何やってるの?」直球に聞いてみた

「うふふ、ここでは大根を育てて・・・・こっちではピーマンとナスを育てるのよ」

「・・・そしてここではカボチャを・・・ハッ」

「あなたってカボチャ嫌いだったかしら?」

「いや、カボチャは好物だよ。」「そう、それなら良かったわ♪ 」


ベス姉の腰袋にはまだ開封されてないイチゴ

ぶどうなどの果物育成セットみたいなものが見える

・・・そうじゃなくて!

「ベス姉なんでこんなところで畑を耕してるの?って意味で聞いたんだよ」

「ああ・・・ごめんなさい」とあやまってきた後

「そうよね、ここに作ると教会の出入りの邪魔になるわね・・・あっちに作り直すわ」


・・・思い出してしまった

ベス姉がロキよりも苦手だと思っていたのは姉の性格の問題であった

「あら、ヴァーリそちらはもう終わったの?」

「はいベスネル様、もうじき日が暮れますので本日の作業は終了しました、

ただ民家などが完成すれば作業員がここに住み込みで働けるので、作業時間は伸びるかと」

「そうそれは楽しみね、うふふ」ベスネルとヴァーリは笑みを浮かべている


いったいなぜこうなった!?そう疑問に思っていたら後ろからブラギが現れる

そして私を守るように前に立ち

「ノア教団の者がこんなところで何をしている?・・・答えろ女」

「今日は畑を耕して野菜の種を植えていたけど

明日は果物を植えるわ」と答えるベスネル


なにを言っているんだこの女はと疑問の表情が顔に出ているブラギに対しヴァーリが

「ブラギ貴様、アイリ様の姉君であるベスネル様になんという口の聞き方を・・・」

槍を手に持ち「故にその行為ばんし・・・」

ヴァーリの言葉を遮るように私はヴァーリを止めた


ブラギは驚いた顔をして、アキのほうを向く

「お、お姉様?」コクリとうなずく私

「さて、私は建物が完成するまでどこで寝たりすればいいのかしら?」

「はっ こちらに窮屈になるとは思いますが

簡易的な寝泊まりできる小屋が御座います」

とヴァーリに案内されるまま小屋に向かうベスネル


え?ベス姉この村に住むの?とベスネルの後ろ姿を眺めるアキであった

ベス姉を見ている自分の後ろからさらに視線を感じたので後ろを振り返ると

カノンが立っていた・・・どうやら話しかけづらそうにしてる印象があった

まあカノンからしたらブラギ以外初めましての人ばかりだからしょうがないよね

フレイヤとイズンはまるでその状況を見ていたかのように優しくカノンに話しかけていた

テュールは食材調達から戻ってきたのだが

馬車の荷台には肉、魚、野菜などが荷台からこぼれそうになるほどに積み込まれていた

テュールにそれはどこから入手したのか聞いてみたら

食材がなかなか見つからないので森の端まで探しに言ったら山賊に

襲われて、その山賊にアジトまで案内させたら大量の食材と馬車をくれたらしい

仲良く?なったから今度また行ってくると言っていた


うん、貴重な資源地を見つけたんだね

教会の中に入ると昨日まであった椅子などが取り除かれて

中央には楕円形の巨大なテーブルが作られていた

どうやらここで当分のあいだ食事などをするようだ

今日はここで川の字で寝ることもないのだろう

先ほどベス姉が案内されていた簡易的に作られた小屋が4つあるので

そこを使って就寝をするのだ小屋の振り分けはまだされていないので後で決めよう


アイリの身体に戻るタイミングがつかめないでいる

人間の身体が嫌なわけではないのだが

力を抑え込まれてる感じは否めない

教会の外では火が起こされて料理を作っている

テュールが馬車から食材を運び、イズンとフレイヤが食材を洗ったり切っている

ベス姉とカノンは鍋を使って味付けなどをしている

ヴァーリとブラギは設計図を片手に明日の建設計画を練っているようだ

カノンもみんなに馴染めたようでホッとしている


私?私はいろいろやることがあるんだよ!


完成された料理をどんどん教会の中に運び込んでいる私

(何もしていなかったのでカノンに怒られ運ばされてる私)

まるでパーティーでも行われているのかのように豪勢な料理がテーブルに並んだ

食事をしながらそれぞれの役割を決める


この村の村長はヴァーリに決まった

食材調達はテュール、料理担当はフレイヤ、農園担当はベスネルとカノン

警備担当はイズンとアキ 建設担当はブラギ

ブラギとテュールはそれぞれの役割の他にアキとカノンに稽古をつける事になった

剣術はテュールで拳法はブラギだ


村の名前はアイリからとってアイリス村と名付けられた

カノンがアイリとは?と質問をしてきたのでヴァーリが主である事を教えてあげた

アイリの身体に移ってカノンと会う必要もあるなと考えた

夕食を食べ終わり2時間経ったくらいの時にベスネルとカノンは体を洗ってくる言いだした

この村にはお風呂などもないから近くにある湖で洗ってくるらしい

私はお風呂も優先的に作らないとな、作るなら大浴場がいいなと考える


そんな私にカノンが話しかけてくる「覗くなよぉー!ふふん♪それじゃあいこベス姉!」

・・・覗くなよって私は一応女なんですが、いや確かにこの身体は男ですけどね

それよりもベス姉なんて呼んでたなずいぶん慕われてるようで良かったねベス姉!


小屋の振り分けだが、《ヴァーリとテュール》《フレイヤとイズン》

《ベスネルとカノン》《ブラギと私》に決まった

先に小屋の様子を見に行くと

だいたい六畳一間くらいだろうか2人で寝るだけなら問題ない小屋である

ベッドが2つあるから前みたいにブラギがこっちのベッドに入ってくることも無いだろう


噂をすればなんとやら、ブラギの登場であるがなにやら設計図面とにらめっこ

明日は朝から現場監督か頑張れブラギ!

そんなブラギを横目に私は試着室に向かう 《ガチャ》


アイリの身体が地面に座っている、ここもブラギに改装してもらおう

アキの目と口を閉じアイリの身体へと精神体を移す

やはりこちらの身体の方が落ち着くな

教会を出ると外で星を眺めてるカノンを見つける

《オホンっここは挨拶をしておくか》

「こんばんは、あなたがカノンさん?」「・・・こ、こんばんは!」


「私の名前はアイリ、この村に住むのでしょ?これからよろしくね」

「は・・・はい!これからよろしくお願いします!」ぷぷぷカノンのやつ緊張してるな

「それでは御機嫌よう」と言い残し、教会の裏に歩いて行く

その途中カノンの熱い視線をずっと感じていた

さて自由の身になったしどこかに散歩でもいこう


フワっと空に浮かぶ

上空から村を見渡すと ベスネルが無造作に耕した畑や建物になるであろう基礎が

至る所で目につく

数日後にはどのようになっているのだろう、楽しみである

近くを飛んでいると月明かりに照らされた湖が目にはいる

しばらくのあいだはここがお風呂代わりである


湖を見ているとなにやら動いてる巨大な生物がいる

「あっ潜った・・・ また出てきた」珍しい生物を発見してしまった

あれはかなり昔に絶滅してしまったはずの生物モケーレムベンベであった

こんな生物久しぶりにみたな

どうせベス姉の仕業だろうけどここを動物園にでもする気なのかあの姉は


ベスベスネルと最後に会ったのはおよそ400年前くらいかな

ベスネルとは姉妹だったので昔はよく一緒に遊んだものだ

600年ほど前になるだろうかその当時の私は主神などではなかった

イヴァ神族の主神は私とベスネルの父であるゼノが主神を務めていた

副官としてグノシス、グノシスはロキの父だった


親同士のつながりもあり私、ベスネル、ロキの3人で一緒に遊んだものだ。






キャハハハッ!バチャバチャ!

「冷たくて気持ちいいねーベス姉!」「そうね〜♪」

「ベス姉の胸大きすぎー!」


ガサガサッ

「はぁはぁ・・・けしからん!まったくもってけしからーん!」

「木が邪魔して見えないではないか!」スタスタ

《ゴチーーーン!》「痛たたたってブラギー!」「ヴァーリーー!」

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