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私がおとぎ話となった理由  作者: もんじ
序章
6/23

5話: 神様の村づくり(2)

アキやカノンの住む家に着いたがどんな顔をして

両親やカノンと会ったらいいのだろう

ドアを開け家の中に入ってみたが両親とカノンは留守のようだ

キッチンに足を進め、沸かした湯で紅茶を入れる


カノンと一緒に取った山菜はカゴに沢山まだ残っていた

ブラギに紅茶を差し出すと、コーヒーが良かったと文句を言ってきた

あとで覚えてろよブラギ



両親は夜にはいつも通り帰ってくるだろう

カノンはおそらくだがギルド会館にいるか

すでに依頼を行なっているかのどちらかだ

ギルド会館に向かってもいいのだがいまはブラギと2人きり

道中で色々な会話はしてきたが聞いていない事があったし

他のことも聞いて見ることにした


まず気になっていた事はブラギにはいくつもの顔があったこと

イヴァ神族の師団長であり、国王の側近、ギルドの最高位ランクの

メンバーであり、イヴァ教団の神父、あと拳聖などと呼ばれる格闘術の始祖だとか

まあ何百年も生きていれば色々な事もあったのだろう


私はイヴァ城から出ることがほぼ無かった為に

風来坊みたいな生き方をしているブラギを羨ましいとも思っている

風来坊とはいってもいつも私の下に戻ってきていたからまた違うのだろうけど


穏やかな時間が流れてく

主神としての立場から解放されたからだろうか

この一瞬一秒が愛おしくも思える



ブラギが紅茶のおかわりを持ってきてくれた

ブラギのコップを見てみると中身はコーヒーに変わっている

あとで覚えてろよブラギ


窓の外を見てみると夕日に変わっている

家の外から笑い声が聞こえてきた、両親とカノンだった

あたふたしてる私を見てブラギが笑っている

家のドアが開くとカノンの姿が現れた

「あ!」と戸惑うカノンに対して「ただいま」と声をかける


抱きついてきたカノン

驚いた顔で見ている両親に帽子をとり紳士的に挨拶をしているブラギ

ブラギと両親はすっかり打ち解けて賑やかになる家の中

どうやら両親とカノンは帰り道にばったり遭遇し

途中で買い物をして帰ってきたらしい

なので夕食はかなり豪勢なものだったし山菜も使われていた


そして夕食の最中に話を切り出した

内容としてはダイヤランクのブラギを師として街を出て行く話だった

両親はお前の好きにしていいと言ってくれたが

カノンはしばらく黙り込んだあとに私もついていきたいと両親に伝える


両親はブラギとアキが構わないと言ってくれるなら

カノンの好きにしなさいと言ったところ

カノンはまるで呪いをかけてるような雰囲気で私とブラギを見つめる


うん、しってたよ。私もブラギも内心そんな事を思いながら話はまとまった



時間も時間な為に今日はこの家で一夜を過ごす

ああ、、昨日は椅子で寝たからベッドの寝心地に感動してしまう

村?に戻ったらまずは寝床の確保が最優先だな

村でいいよね、なんて名前の村にしようかな


私の名前を使ってアイリ村にしようかな・・・ 村長は誰にしよう?

この辺も含めてみんなで決めようかな・・・ ウトウトしていたら


なんかさっきからガサガサ音がするなと横を振り向くと

ブラギが布団の中に潜り込んできていた

「アッーーー!」




朝を迎えたが《昨日はお楽しみでしたね!》


なことになるわけはなく

あの後はブラギを蹴っ飛ばしてベッドから落とした

あの場面にもしもヴァーリがいたら

「その行為万死に値する!!!」と神槍が飛んできたに間違いないよ



部屋から出て一階に降りると朝食が用意されていた

両親はすでに仕事に出かけたようだ

私宛に両親からメモが残されていた、カノンとブラギの姿がない


窓の外を見ると2人で何か話しているのが見えた

一人分の朝食だけしか残っていないので2人はすでに食べ終わったのだろう

起こしてくれてもいいのにな。


などと思いながら朝食に手をつける

朝食を食べ終え準備を整えていた時に2人は戻ってきた

おはようと軽い挨拶をすると

カノンの近くには大量の荷物があった


まあ色々必要なものも多いだろうし私とブラギも手分けして運んであげよう

新天地の村まではとてもじゃないが徒歩では行けない

というか徒歩では数日かかってしまうので却下だ


転移魔法を使えばあっという間だが

カノンがいるのでギルド会館の馬車を使う事にした

馬車に揺られること7時間くらいでやっと到着した



村に到着して驚いた

教会の周りを囲んでいた森の木々がバタバタ倒れているそれを運ぶ者達

木を加工して建物の基礎を作っているものたち

近くには畑を作るためか土を耕している者達に

遠くの方では柵を作っている者達までいる


ヴァーリが図面を片手になにやら指示をしている

カノンは働いている者達の士気の高さにビックリしている

私もビックリだ

働いている者達に共通しているものが白の衣に紋章が刻まれている事


あれはイヴァ教団の者達だ

《ヴァーリめ・・・なんの相談もなしに

教団の人間を使うなんて・・職権の乱用に近くないか?

まあ、ベッドほしいって昨日思ったしね

さすがに教会だけで暮らすのはきついと思ってたからいっか》


なんて考えてたらヴァーリがこちらを見つめる


《まずい!!》すぐさま馬車から飛び降りてヴァーリに向かって走り出す

異変に気付いたのかヴァーリはこちらの行動を伺っている


ヴァーリまでたどり着きヴァーリに話しかける

「馬車の中にカノンという娘がいるんだけど

その娘の前では人間のように私と接してほしい」

「人間のようにでございますか?」


「その敬語も使わないで、例えば ずいぶん遅かったじゃないかアキ

のように軽く!友達のように!」「は、、はぁ・・ では」

「遅かったではないで・・・じゃないかアイ・・・アキ」お前はブラギかっ!

とツッコミをいれてしまいそうになった


ブラギはカノンを馬車から下ろしアキから遠ざけるようにカノンを連れ村を回る

アキは残り3人にも同じように説明が終わりホッと胸をなでおろす



改めて村を見回すと

ヴァーリはここを大都市にでもする気なのかと思えてきた

柵もあんなはるか遠くから作り出して・・・


それよりもベッドは後回しになってないよな!?

などと考えていた時に

目にうつった畑を耕しているであろう後ろ姿の女性

白い衣にイヴァの紋章が刻まれている


こちらを振り向いてウインクをする

《そんなところでなにやってんだベス姉!!》

ベスネルを見て心の中で叫んでしまった








馬車に揺られて7時間か・・・ヒヒーーン!!


「村に着きましたよアイリ様」「ちょなに言ってんだ」

「あわわわ・・・申し訳あり・・」バっ! モゴモゴ!

「アイリ様って?」「・・・あれすごい勢いで走ってくる仮面のひとが」

「アイリサマー!!おーいアイリサマー!」ズドドドド!


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