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私がおとぎ話となった理由  作者: もんじ
序章
5/23

4話: 神様の村づくり

ロキの足元で倒れているフレイヤは

外傷などは見当たらなく気絶しているだけのようだ


「ここになにをしに来た・・・ロキ!」ヴァーリは力強く問いかける

一瞬ヴァーリの顔を見たが

ヴァーリには興味がなさそうに再びアイリの方を向き



「おかえり、アイリ・・・ずっと待っていた」

ロキは無防備にアイリのほうに近寄っていく

その行く手を遮るようにヴァーリの槍がロキの首元に触れる

アイリの前にブラギ、イズン、テュールが立ちふさがる



げっ!さっき私を狙ってる不届き者ってロキのことだったのか

ロキは昔から苦手なんだよね・・・


いや大昔の頃は苦手じゃなかったむしろ好意を抱いていた

私が即位をする時もその前も1番に支えてくれていたのはロキであった


そんなロキがこの様子だと謀反を起こしたように見える

この身体で最後に覚えている記憶は会議の後だったか

いつも通り玉座の間で副官であるロキと会議で話し合われた意見などを

確認していたところまでは覚えている、なぜ手をかけられたのだろう


「ロキが私を殺したの?」「・・・・・」黙り込むロキ

「バルドルは・・・?バルドルは私の代理を?」


「いえ、バルドル様はロキの手によって殺害されました」ヴァーリがアイリに伝える

「今はロキがイヴァ神族の主神代理で御座います」と続けて言う


「・・・そうロキが私や恩師であるバルドルを殺してまで主神の座に就きたいのなら

そのまま続ければいい、だけどもうロキ 貴方の顔は2度と見たくもない」


アイリが発言したあと1秒も経たずにロキが叫ぶ


「違う!!俺はそんな地位など欲してなどいない!!」

恐ろしいほどの覇気が部屋を包む

怯んでしまう4人、ロキは続けて

「俺が欲しいのはそんな地位などではないんだ・・・俺は、俺はただ」


ロキが剣を抜きアイリを見つめる、ロキの剣に殺気が宿る


そんな時に地面が歪み黒い空間のような場所から現れた者が

ロキを後ろから強く抱きしめる


ロキが驚く「なんだ貴様は!」体をバタバタ動かし、振りほどこうと抗うが

まったく微動だにしない、黒衣をまとった先ほどの女だ

「お前はあの時の・・・」ブラギは拳を握る


子供は洞窟にいると情報を伝えてきて、アキをさらって

ボーンを自分の身代わりにした女 、ノア教団のやつだ!



そしてアイリも思い出す、いつ以来だろうかここまで驚いたのは

フードをかぶっていてもすぐに分かる

それは幼少の頃から見知った顔であった


な、なんでベス姉がこんなところに!?姉のベスネル、通称ベス姉である

なんか心臓がバクバクしてきたよ

ロキが苦手だと先ほど思ったが、それはベス姉に比べればかわいいものだ


ベスネルはロキを抱きしめたまま転移の魔法陣を展開させる

「やめろっ!離せ!!・・・アイリ俺は、俺はお前を・・・」



最後まで喋る間も無くベスネルはアイリに向かってウインクをすると同時に

ロキとともに消え去った


・・・・・さてこれからどうしよう


主神の座はロキにくれてやると啖呵を切った手前イヴァ城には戻りづらいし

戻ってもさっきの感じではまた殺されそう

ここに残るにしても明日にはまたロキがくるだろうな

あいつなら今日中にもきそうだ


ヴァーリ、ブラギ、イズン、テュール、フレイヤはどうするんだろ

あ!フレイヤのことすっかり忘れてたごめん!今起こすからね


目覚めたフレイヤは涙を流しながら抱きついてきたが

ヴァーリに頭を叩かれ我にかえったフレイヤ

「お目覚めを心よりお待ちしておりました」



今後の事を6人で考える

アイリに全員がついていくというのは決定事項であり

その事について考える者など1人もいなかった


人間の街で活動をするという提案もあったが

人間の街に堂々と住むのはさすがに神族としてどうなのかとも思い

その提案はアイリが却下した


ブラギの提案はブラギは人間としてイヴァ教団の神父もしているらしく

イヴァ教の教会だけがポツンと建っている辺境の地があるらしい

普通に住むのは不便な場所ではあるが

我ら5人がお世話をすれば不自由なく暮らせるのではと話す


アイリは笑ってしまった、5人はなにが可笑しかったか分からなかったが

アイリは「まるでイヴァ城だけが残っていた400年前みたいだ

あの時も時間はかかったが復興していった」


「また1から始めて、のんびり暮らそうか」とアイリが話すと

みんな昔の記憶が蘇っていくような顔をしながら笑っていた


ブラギに案内されながら新天地を目指したが

着いてみると、辺りは広大な森で囲まれた教会があった

近くに民家などはない、教会の後ろには大きな山があり

近くには湖がある、そもそもこの教会に足を踏み入れる人はいるのだろうか


教会の扉を開けて中に入ってみるとさっきまでいた廃教会のように

ホコリなどはなく綺麗に整備されていた

きっとブラギは几帳面な性格なのだろう


ブラギで思い出したのでアキの身体がノア教団の支部にある事を告げ

回収するように頼んでおいた




イズンが「おおおお!」と目を輝かしながら見ているものがあったが

教壇の後ろにあるあの巨大彫刻はどう見ても私がモデルになっている

自分で見るとかなり恥ずかしいものがあるな・・・


着いたらすぐさまに食料の調達に出たヴァーリとテュール

私の身の回りの世話をするフレイヤ

ブラギはノア教団の支部に向かっている

残ったのはイズンだが

イズンには普段どのような役割を任せるべきだろ

得意の腕力をいかして周辺警備とかかな?



私?私は色々やることがあるんだよ!


その日の夕方ブラギはアキの死体を持ち帰ってきた

アイリとしてはアキに乗り移ったあとカノンに会いにいき

生きている報告をしたい

そしてどうやって去るのか悩んでいる

ブラギも必ずアキを連れて帰るとカノンに

約束してしまったのでその約束を果たしたいと願ってきた


私がアキに移りブラギと一緒にカノンに会いに行くことが決まった

ただやはり説得しても彼女はアキについて行くと言い出すのがオチであり

難しいのである


一度はアキの身体と記憶を持っていたのであまり悲しませるような事はしたくない

ついて来たいというなら連れて来てしまうか?

それは毎日のように私がアキに変われば不自然でもない

私とアキは同一人物でしたー!って話せば1番早いのだろうけど

その選択肢を今は選べない


ブラギに即席の死体安置所を作らせた、保管所とでも呼ぼうか

明日の朝出発予定なのでアキの身体をここに今日はしまう

晩飯の時にでもブラギ以外にも教えておかないと

掃除した時あんなのが出て来たらビックリしちゃうもんね!



教会の椅子にみんなで川の字になり就寝するのだが

この光景は傍から見たらすごい光景だ

でもみんなでこのようにワイワイ食事を取り

こんな雑魚寝をするなんて少し前では考えられない


長い時の中で忘れていたけど400年前の私はいまと同じような状況を楽しんで

永遠に続くように祈ってたような気がする

「ふふふ」と笑ったあと眠りについた




朝になると保管所の前でブラギが待機してる様子が伺える

アキの時もそうだったがあいつはいったいいつから待っていたんだ?


ブラギに朝の挨拶をしたあと保管所に入る

まるで試着室みたいなものだ

身体の乗り移りも慣れたもので躊躇なくアキに移り変わった

そしてアキの視線からアイリを見たらギャー!っと叫びそうになった


さっきまで動かしていた身体が倒れているのもあるが

目が半開き、口も半開き


《こ、これはほかの誰にも見せたくない!》開いた口と目を閉じる

ヨシっ!証拠隠滅!ドアを開きブラギに お待たせっ!待った!?

なんて軽く話しかけたら


「滅相もございませんアイリ様」・・・ん?

「それじゃあドカサの街に向かおうか!」ブラギに声をかけると

「ハッ!かしこまりましたアイリ様」・・・・・「ブラギよ」


「なんでございますか?」

いやなんでございますか?じゃない

そもそもアイリじゃなくてアキなんだけど?

カノンにそんなとこ見られたらどうするの?などと



色々話していたら「申し訳あ・・悪かったなアイ・・・アキ」


まあとりあえずドカサの街に着くまで時間あるし

なんとかなるだろうと思っていたが

街に着く頃にはブラギは、なれなれしいのほどを超えて

私にベッタリとくっつきセクハラオヤジみたいになっていた







「ふふ、みんなで川の字になって寝るだなんて」


《ガザガサ、ゴソ!なんなんださっきからガザガサうるさいな

「はぁはぁ・・・・」

「ちょ!ま、ブラギ!!」 えいっ! 《ブスリっ!!》

「アッーーーーー!」

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