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私がおとぎ話となった理由  作者: もんじ
特務機関編
22/23

21話: 特務機関員(補欠)

「なんなんだよこれは!」



遠くに見えるジーレ島の光景を目にしてスノーは叫ぶ

ジーレ島にある建物のほとんどが燃えている

トニア!トニアは無事なのか?頭の中ではトニアの事が思い浮かぶ

ジーレ島に向かっている海軍の戦艦は4隻

いつも利用している船とは桁違いの速さで進んであっという間にジーレ島へ到着した



到着するとスノーはすぐに街の中へと向かい走り出す

「ガルダンの爺さん!」

「スノーか!無事で良かった」

「いったい何があったんだ?」

「ガルドレフ帝国が攻めてきたんだ!」


ガルダン爺から聞いた話だと、ガルドレフ帝国が建国祭で手薄になったジーレ島に攻めてきて

逃げ惑う島の人々に次々と襲いかかってきたらしい

スレイブリルの海軍が来たことを教えたらホッとしたのか、落ち着いてくれた、

トニアを見かけなかったか聞いてみたが、逃げるのに必死で見かけてないようだった


爺さんには戦艦の方に逃げてもらって

俺は他の人々の救助をする事にして街の中を歩きまわっていたら

逃げてる人を襲っているガルドレフ帝国の兵士を見つけた俺は持っている剣を握りしめ兵士に襲いかかった

「うおおおおお!」


ズバッと敵の兵士を斬りつけた、なんてことはない、斬った相手の体は簡単に崩れおちた

海軍達も敵兵をどんどん追いやっているのが分かった、そんな時に


「スノー!」


声をかけてくる人物が誰だかはすぐに分かった、トニアだ

すぐに近寄り抱きしめた、そして敵兵のこない場所まで2人で逃げる事にした


「はは!トニア無事で良かった心配した!」

「怖かったよスノー、みんな殺されちゃったよ」

「でももう大丈夫だよ!海軍が助けに来てもう敵兵を追い詰めてる」


ホッとした様子のトニアにノガーレが朝来なかったからまだ街にいるんじゃないかと質問して返ってきた答えは

「ノガーレは朝、死体で発見されたの」


ノガーレは連続殺人鬼にすでに殺されて

待ち合わせの時間に来れなかったことを知った

幼なじみのノガーレが殺された事に動揺を隠せなかったが

この状況でトニアが無事でいてくれた事に俺は救われた


小箱を大事そうに持っていた俺にトニアはそれは何と聞いてきたので

こんなタイミングで渡すのもどうかと思ったが

買ってきたネックレスをトニアに渡した


本当は岬から花火を見ている時に渡したかったけどと言ったらトニアは笑っていた

ネックレスを渡して初めて気づいたのが

すでにトニアは別のネックレスをつけていたって事だったんだけど

元からつけていたネックレスを外した時に見えたんだ

そのネックレスは何かの紋章を象っていた



これからの事をトニアと話していたが、街の人々を殺したガルドレフが許せなくて

俺はスレイブリルの軍隊に志願する事を決めた

トニアにも俺の決意を話そうと思った


「俺はスレイブリルの軍隊に志願するよ」



その発言を聞いたトニアは俺の予想していた反応と全然違った

「貴方死ぬわよ?」

「死ぬって・・・確かに危険な仕事だとは思っている」

「そうじゃなくて」


いつも陽気なトニアの表情が、冷たくて

まるで虫けらでも見ているかのような顔で


「スレイブリルの軍隊に入るなら貴方を殺さないといけない」

「は?なに言ってんだよトニア?」


「ノガーレがこの前言ってたのよ、稼ぎも悪いからギルドをやめて軍に入るつもりって」


「だからね、私はね」

「ノガーレを今日殺したのよ」



トニアはそう言うとナイフを取りだして俺に向けてきた

そのナイフには燃えさかる街が映っている


「おいおい!トニアどうしたんだ、しかもノガーレを殺したって」

「私がつけてたネックレス、これはねノア教団員の大事な証なの」



「ノア教団ってあの邪教徒のか?」

「・・・残念ねスノー、貴方のこと気に入ってたのよ」


その言葉を最後にするつもりだったのかトニアはナイフを振ってきた

そのナイフを俺は咄嗟に避けた

そんな俺に対してトニアはナイフとは別の手をこちらに向けてきた

その瞬間体を縛られた感覚を感じた



体を動かせない俺に近づいてくる、ナイフを首に突きつけられて

「さようなら」


トニアが俺に囁いてきた、その直後にトニアの体が10mほど吹き飛んだ


「おー!間一髪ってところだったか?なあアキ」

「アルビオンさんがギリギリまで見入ってたからでしょ」

2人の男が俺の前に立っていた


「じゃあここは俺に任せてアキは海軍のお手伝いよろしく」

「はーい、それじゃあまた後で」



「君はどっかに隠れてな、邪魔になっちゃうから」


トニアは立ち上がり男にナイフを向ける

「そんなナイフでどうするんだ?・・・聖王剣!」


いったいどんな手品なのか

この男の持っていた剣が光に包まれて長さはざっと30mくらいあるだろうか?

光の剣がそこにはあった



「ナイフとこれじゃ長さが違うよ長さがね!」


その光の剣をブンブンと振り回す男、その剣を避けるトニア

避けきるのが大変なのか、トニアが俺に使ってきた

体が動かなくなる魔法みたいなものを男に使った

だが男はハッ!と気合を入れるような掛け声でそれをまるでなかったかのように解いた


次第に光の剣の速度が上がっていき

トニアのナイフは弾かれ体勢を崩したトニアは転がった、男はトドメを刺すように

光の剣を頭上に掲げた、そんな時トニアが口を開いた


「助けてスノー」


心の迷いが生まれ、この男を背後から剣で刺そうか悩んでしまった時に、男は俺に問いかけた


「助けてだってさ、どうする?」


どうする?と聞かれ殺されかけた自分と殺された幼なじみを思い出した俺は

その男に苦しまないよう一撃で終わらせてくれと頼んだ

キミ優しいねと言われた後にその光の剣が振り下ろされズドーーン!と物凄い衝撃がこちらにも伝わった



「貴方はいったい何者なんですか?」


そう聞くと男は大陸にあるアイリス教国に所属する軍人だと話してきた

そしてトニアは各地に潜伏するノア教団員の1人

ガルドレフ帝国に抵抗するためにアイリス教国を筆頭とする、三ヶ国が同盟を結びガルドレフ帝国と戦っている

この男アルビオンは軍の中の別動隊、特務機関の人間で

特務機関は同盟国内を脅かすノア教団員や魔族と戦っているらしい

ガルドレフが憎い俺はそこに加えてほしいとお願いしたが

キミじゃ足手まといだと断られた



しばらくすると、ジーレ島内の敵は全て倒され町人が港に集まってきた

というのも俺の家もそうだったが

街の建物はほぼ燃やし尽くされてとてもじゃないが住める状態ではなかった為

一時的にみんな王都に用意される、簡易的に作られた建物で暮らすためである


港には戦艦に乗せてくれた海軍将校の姿を見つけることができたので

お礼を言いに近寄ったが、将校の近くには先ほどのアルビオンともう1人、同じ特務機関なのであろう同じ制服を着てる男がいる


この男はアルビオンと一緒にいたところを見たことがある

たしか名前はアキと呼ばれていた

将校に先ほどのお礼を済ませた後、もう一度アルビオンに一緒に連れて行ってほしいとお願いをしたが


やはり断られた、落ち込んでいたら1人の女がアルビオンに近寄って


「入りたいって言ってるよいれてあげないの〜?」

「いや、しかし見てわかるように技量がありませんので」



足手まといだ、技量が無いなどと散々な言われようだったが


「補欠としていれてあげなさいよ♪」

「補欠・・・で御座いますか?」

「そうよ、それに成長できるわよこの子」

「は、はぁ、貴方様がそう仰るのでしたら」


アルビオンは会話を終わらせるとこちらを向き


「補欠でいいならついてきな」


そうして俺はアイリス教国の特務機関員(補欠)となり

アイリス教国に向かう事になった

「聖王剣!」

《ブーーーン!》

「へいキミは危ないから隠れてな!」

《ブーーーン!》《ブーーーン!》

「ちょ!あぶない!」

《ブーーーン!》

「あわわわわ!」

《ブーーーン!》《ブーーーン!》

《チュドーーーーーーーン!》

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