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私がおとぎ話となった理由  作者: もんじ
特務機関編
21/23

20話: 若き冒険者

スレイブリル王国では連続殺人鬼が夜な夜な現れている

そして今夜も殺人鬼は獲物を求め街を彷徨う



月明かりが照らす夜の街で1人の紳士が1人の淑女に声をかける


「やあ、そこのお嬢さん、こんなにも月が綺麗な夜だ、少し語らないか?」

男は帽子を手に取り自分の胸に手をあてると、続けて喋りだす



「最近この街に夜な夜な殺人鬼が出没している、私でよければ貴女の行き先までお供しよう」


「まあ・・・嬉しいわエスコートして下さるのね」


その後は会話も弾み、今夜初めて会ったのに

2人は恋人のように寄り道をしながら目的地まで歩いていく



「こんな夜更けにお一人で出歩くなんて、なにかあったのかい?」

「ふふふ、どうかお気になさらずに」


「しかしこんな綺麗な月が出ている日にこそ、殺人鬼には気をつけないと」

「こんな静かで素敵な夜に騒ぎ立てるものなど消えてしまえばいいのではなくて?」


「ははは襲われてしまうよ、()を煽るような事を言ってしまうと」

「・・・いいえ怯える者の前にこそ、殺人鬼は現れるのよ」



人通りの無くなった暗い通りで、殺人鬼は相手に襲いかかる

血の滴るナイフを手に、殺人鬼は次の獲物を探しに街を彷徨う





「見たか?あのゴブリン達の顔!必死になって逃げてたな!」

「お前・・・俺が助けに行かなきゃやられてただろ?」


小さな島々で構成された国、ここスレイブリルにもギルドが存在していて

依頼を終えた若者2人がギルドに達成報告するため向かっていた

世界の情勢は現在、ここスレイブリル王国

大陸では要塞都市アイリスを首都にしているアイリス教国

水上都市ガリオンが首都のレオンブライト公国



この3つの国以外は全てガルドレフ帝国に支配された

いまや絶対的な力を持っているガルドレフ帝国だが

四年前まではおとぎ話とされていた魔族を率いて、各国を攻めていったと聞く

もちろん各国は魔族相手に奮闘したらしいが、結果はこの通りだ


そしてこのスレイブリルもガルドレフ帝国と戦っている

地形をいかしたスレイブリルの海軍は無敵と言っても過言ではないのだが

相手は魔族だ、しかも如何わしいノア教団という連中も加わってはっきり言って劣勢が続いている状態

無敵と言われるスレイブリル海軍も、このままでは・・・



「よーし酒場に着いた、帰るまでが遠足だからな!はっはっは!」

「ったくお前は・・・そんな遠足で死にかけるなよ」


《カランカラン》

「お!悪ガキ2人が帰ってきたぞ」

「おうおう!こっちにきて一緒に飲むべ!」


2人は酒場にいる人相の悪い人達に歓迎される

一瞬海賊のような外見だが同じギルド協会に加盟する人達だった

スレイブリルのギルドはアイリスとは違って専用の建物があるわけではなく

酒場に併設されているので、仕事の報告が終わればそのまま酒場で一杯ひっかけるのが日常だ



「こらこらスノーもノガーレもまだ未成年なんだから誘っちゃだーめ」


スノーとは俺の名前、ノガーレは相棒、今日もゴブリンの討伐で一緒に行動した

ギルドランクはお互いにゴールド、ゴールドランクにとってゴブリン討伐は赤子の手をひねるようなものなのに

ノガーレは調子に乗るといつもヘマをする・・・そして今日もやらかしたんだ

そして他の客に注意したこの女性はこの酒場で働いてるトニア

俺が四年前にギルド協会に加盟した時から、なにかと面倒見てくれる

俺にとって大事な人だ


「ふ〜ん、ノガーレまたやらかしたんだ」

「違うって、建物の上でゴブリンが弓を引いてたから急いで走っていったんだ」

「そう、周りも見ないで走ったから落とし穴にはまったんだよノガーレは」

「で、スノーに助けてもらった?」

「そういうことだ」



「あーー!分かってるって!もういいだろ?」

「あ!俺ちょっと用事があるからさ先かえるわ!」

「なんだなんだノガーレ逃げるのか?」

「ちがわい!今日は彼女とデートの予定があるからな、ムフ」

「ってことでだ、さらば独り身のスノー君!そしてトニアの姉さん!」



《カランカラン》

「・・・あいつ喧嘩売って帰りやがった」

「大丈夫よスノー、私にも喧嘩売ってたから」


「な、なあトニア、明日さ仕事が終わったら時間ないか?」

「え?・・・時間は作れるけどなんで?」

「いやさ、明日は建国祭だろ?このジーレ島の岬から首都で上がる花火が見えるから、一緒に見に行かないか?」


「それはデートってことかな?」

「・・・からかわないでさ、行けるか?」

「ははは、大丈夫だよ分かった明日ね」


トニアと明日の約束をして、しばらくした後、明日の仕事は早く出るため酒場を出た





「あーこれは酷いな、喉をザックリ切られて、腹部も数カ所刺されてる」

「犯行時刻は午前2時ごろ、発見時刻は午前4時20分です」

「これも連続殺人鬼の仕業か、目撃者は?」

「犯行の目撃者は未だに見つかってません」


「捜査官殿!身元が判明しました!」

「この被害者は名前はノガーレ・ノガルドという若者です」




今日の依頼は建国祭が行われる首都でパレードの警備をするのだが

朝の6時になっても、ノガーレの野郎がこない、あと数分で船が出ちゃうっていうのに


「あの野郎・・・デートとか言ってたから朝まで遊んでるのか?」

《ボオオオオオ!》

「まずいな船が出ちまう、しょうがないから置いていくか。」



首都までは船で数十分で着いた

着いたらすぐに警備隊の指示に従ってパレードが行われるルートに配備された

国王の支持率はかなり高い、暴挙にでるような民衆がいないのは分かってるが

念のためにも俺たちギルドに依頼がくる


去年もこの依頼は受けたけど、結局不審者など1人もでないで終わった

俺の夢はいずれこの首都に家を持って住むことなんだが

この土地の価値が高くて家をここに持つなんて今では不可能

ギルドランクがプラチナにでもなれば給料は跳ね上がるけど

まだまだ昇格できる気配がないのが現状だ



数時間後パレードが始まり王を乗せた馬車が目の前を通った

周りは歓声で包まれてる、俺も周囲を警戒しつつ王の馬車を眺める

そして結局今回も何事も起きずにパレードは終わった


そのあと警備隊の片付けなどを手伝って午後3時には仕事が終わったのだが

今日はトニアをデートに誘ったから王都でプレゼントを買って帰るつもりだ

プレゼントとは言っても、たいして稼ぎのない俺が買えるものなどたかが知れてるけど、アクセサリーを買って買えることにした


今更だが俺はトニアに惚れていて、島に戻って2人で岬から花火を見ながら

タイミングを見計らって告白するつもりだ


プレゼントのアクセサリーどれにしようか悩んで

買った頃にはすでに午後6時、あたりは暗くなっていた

島に戻ろうとしたのだが、船は出ていない、非常事態のため船が出せない状態らしい


それでは困ると船員に突っかかったが

遠くに見える自分の住んでるジーレ島を見て理解してしまった

島の周囲が明るくなっていて、建物などが燃えている光景が見えた



「あの島は俺の島なんだ頼む!船を出してくれ!」

「ダメだ!非常事態のため船は出せない!」


船は出せない、何度頼んでも答えは同じだった

そんな時目に入ったのはスレイブリル海軍の戦艦だった

海軍は島に救援にいく為、隊列を組んでいた、俺は海軍に必死に頼みこんだ

すると奥から海軍の将校の様な格好の男が


「その青年を一緒に連れて行ってあげなさい」


そう他の海軍の兵たちに告げた、俺はその将校の船に一緒に乗りジーレ島を目指した









「捜査官殿身元が分かりました!」

「名前はノガーレ・ノガルドという若者です!」


「扱いひどくね?」

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