19話: 水上都市ガリオン
「シャル、あの2人の動きを止められるか?」
「ふん、造作もない」
ロキに動きを封じるように頼まれたシャル・ルヴェルは
グノシスと騎士に向かって手をかざし重力の魔法を使う
「ダブルグラビティ」
ズーーーーン!と沈む2人に続けてロキが魔法を詠唱する
「ダークヴォルテックス!」
「・・・お、おい小僧」
何してる?と戸惑うようなシャルを無視してロキは極位魔法を放った
それもそのはずでこんな地下室で極位魔法を使われては自分まで被害が出ると思ったからだった
思った通りに地下室は大爆発を起こした後、天井まで崩れてきた
《ガラガラガシャン》
「・・・貴様、我まで殺す気か?」
「フ、お前はこの程度で死なんだろう?」
「・・・ふん」
瓦礫で埃が舞う地下で防御魔法使っているグノシスが見えたが
シャルもロキもこの程度でグノシスが倒せるとは思ってなかったので
当然の光景だった、そしてグノシスが話しだす
「面倒な奴らだな、おいヴェルゼよ、いつまで黙っている?」
グノシスがヴェルゼに話しかけると魔王ヴェルゼがやっと口を開く
「何が目的だグノシス?」
「ヴェルゼお前を解放しに来たのだ、力を貸せ」
「解放だと?フワッハッハ、お前とゼノが私を封印したのではないか」
「数百年の時が経って、気が変わったのだよ、それにお前の呪縛も解いてやる」
「シャルよ、お前は大戦の時に死んだはずだが神族に寝返ったか?」
魔王ヴェルゼは師団長であったシャルに問いかける
「ええ、いまはベスネル様の下僕」
「フワッハッハ、そうかベスネルのか・・・」
「アイリ様!城門が壊されてます!」
「じゃあみんなこのまま突っ込むよー!」
アイリスの神族達はイヴァ城に到着し正門から城内に入ったが
そこにはイヴァ神族とノア神族の死体の山ができていた
「・・・オリヴィア、ソフィーまで」
死体の中には長年仕えてくれた神族の姿もあった
広間の片隅で息のある神族を見つけたので、近寄ったところ
どうやらノア神族の狙いは地下にあると言っていた
地下で思い出せるのは魔王ヴェルゼしかなく、急いで地下へ向かうことにした
そして地下にたどり着くと、そこにはロキとシャルが倒れている
魔王ヴェルゼの姿はなかった、ロキとシャルはひどい怪我を負っていて
そんな2人にベスネルが慌てて近寄っていった
「・・・申し訳ありませんベスネル様、グノシスに魔王ヴェルゼを連れていかれました」
「わかったわかったわ、だから死んじゃだめよ」
2人はかなりの重症だ、辺境都市アイリスに医療施設があるが
この怪我を治せる技術はない
フレイヤなら応急処置程度の魔法は使えるけど焼け石に水だ
(・・・水上都市ガリオン!)
アイリの中にあるアキの記憶で名医だと覚えていた
あのヤブ医者なら治せるかもしれない!
病院に当てがあるからロキとシャルを連れていこうとベスネルに伝えて
私、ベスネル、ブラギは水上都市ガリオンに
他の4人はイヴァ城内の生存者の救出をさせることにした
人間に崇められる神族だが実際は万能ではない
こんな怪我すらも治せない、お父様から聞いた言い伝えでは
私達神族はこの地の観察者らしい
遥か昔に、そして遥かに人間の文明がいまより進んでいる時代
創造主達がこの世界の結果に呆れ
この地を一からやり直すために破壊したらしい
その時に私達神族と魔族はこの世界の観察者として作られたと聞いた
創造主達の望む結果に近づくように
そして創造主達の望む結果にならなかった時
再び彼らはやってくると聞いた
水上都市ガリオンに着き病院を訪れると最初は怪我の酷さにびっくりしていたが
大丈夫だ任せろ、とエマは言ってくれた
今日はガリオンに泊まることにして、綺麗な街の中を散歩することにした
ブラギが前にここの王様の側近だとか言っていたので
本当なのか聞いてみたら、どうやら本当らしい
なぜかというと街の中央に歴代国王の銅像が立っているのだが・・・
初代国王の銅像がブラギ・レオンブライトと書いてあった
へーこんなパーマで無精ヒゲがねぇって言ったら
昔はビシッとしてたんですよ!って言っていた
確かに銅像では今のブラギが想像できない
そりゃ衛兵が不審者と間違えてブラギを捕まえてしまったわけだ・・・
ってことは今の国王はブラギの子孫なのか
現国王の銅像もレオンブライトだし、まあブラギの事だから先祖ってことを隠して近くで見守ってるのかもしれない
宿を取ったのでベスネルを待っているのだが、病院から出てくる気配がない
ああ見えて心配性だからな、付きっきりで見守ってるのかもしれない
ブラギもちょっと野暮用があるって、どっか行っちゃったし
私は一足先に宿にいき休むことにする
ガルドレフ王国の王宮内で騒ぎが起こっている
「ベイドレード王子!大変です!」
「どうした、何かあったのか?」
「国王陛下が、何者かの手によって殺されてしまいました!」
「・・・そうか、わかった」
「・・・え?」
「なんだ?まだ報告があるのか?」
「い、いえ報告は以上です!」
「そうか、では手分けをして犯人を探せ」
「は!」
報告を受け、捜査の指示を出したベイドレードは部屋に戻ろうとしていた時声をかけられた
「犯人を探せですか、ベイドレード兄さん」
「これはシドヴァイス殿」
「これで貴方は国王ですね・・・兄さん」
「お前がベイドレード兄さんの代わりになり、父上を手にかけそして王位に就く
私はエリシアを人質に取られ、弟ヴァルトレアを失った
つくづく自分の行いを悔やんでいる」
「まあ自業自得でしょうシドヴァイス殿」
「ダークヴォルテックス!!」
「お、おい待て小僧」
《チュドーーーーーーーン!》
《ドンガラガッシャーン!》
「フ、お前はこの程度で・・・ってシャル?」
「シャルーーーー!」チーン




