18話: 絶対死守
馬を巧みに操り街を駆ける1人の男の姿があった
「おお!あれはベイドレード様!」
心待ちにしていたように迎えてるのはガルドレフ王国の兵士達であった
昨日の昼から王子が3人行方不明になっていたからである
「陛下!!ベイドレード王子がお戻りになりました!」
「帰ってきたか!」
大広間に足早で向かう国王
「ベイドレード!おお、心配したぞ」
「心配をおかけして申し訳ありません父上」
「よいよい!・・・シドヴァイスとヴァルトレアは一緒ではないのか?」
「ええ、実は2人が城から出て行くのを見かけまして、2人を追って行ったのですが・・・」
「蹄の後が途絶えて2人を見つけることは出来ませんでした」
「そうか・・・捜索隊も出発している、直に見つかるだろう」
ベイドレードは報告を終わらせると部屋に戻った
《コンコン》
「失礼致します」
「お疲れ様でした王子、お飲物をお持ちしました」
「ありがとう」
「ん?このコーヒー、ミルクは入っていないのか?」
「・・・え?ミルクでございますか?王子はミルクが・・・」
「少々お待ち下さい、いま持って参ります」
《バタン》
「クックック・・・第一王子か」
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ノア教団本部ではグノシスが教団員に指示をだしていた
指示の内容は、イヴァ城の地下に幽閉されている先代魔王ヴェルゼを奪い
教団本部に連れてきて、中身を入れ替えること、そしてヴェルゼを使い
ノア神族の絶対的な覇権を握る事
目的地はイヴァ城だが、アイリを筆頭に、邪魔な神族はいないので
簡単に奪うことができるとグノシスは確信する
「グノシス殿!エリシアの蘇生はまだですか?」
「シドヴァイスお手柄だったぞ、お前のおかげでいいものが2つも手に入った」
「ならばもういいでしょう!」
「そんなにこの女と一緒にいたいのか?たかが数十年の為に・・・」
「その為に兄弟を売ったか?」
「その通りだ、なんとでも言え」
「冥界を知っているか?」
「いや知らないが、あの世みたいなものか?」
「そこではな、数十年といわず永遠に一緒にいられるぞ」
「・・・グノシスお前、俺を殺す気か?」
グノシスはシドヴァイスに近づき体に触れる
「兄弟を売るか・・・私もな兄ゼノを手にかけた、ノア神族を作る為にな」
「さあ我が同胞達よ!共に魔王ヴェルゼを奪いにいくのだ!」
《ドタドタ》
「ちょっとルルちゃん今度はこれ着てみない?」
「シレーヌさん!僕は着せ替え人形じゃありませんよ」
「え?着方がわからない?手伝ってあげるからこっちおいで」
「いやいや分かりますから、ちょっと近いですよ?」
《ドタドタ》
「・・・あんた達なにやってるのさっきから」
「僕が掃除をしようとしてたらシレーヌさんが・・・」
「アイリ様済みません、ルルファウスが逃げ回るもので」
はぁ、ため息をついていたら窓からコンコン!と聞こえ
窓を見るとベス姉がいた
「大変!大変!使い魔から報告があってね、イヴァ城がノア教団に攻め込まれたらしいわよ」
「ええ!?それでイヴァ城は大丈夫なの?」
「いまイヴァ城でノア教団と交戦中らしいわ」
その発言を聞き、真剣な表情になったルルファウスがベスネルに問う
「ベスネルさん、それは本当の話ですか?」
「ええ本当よ〜、どうする?新魔王さん」
ルルファウスがビックリした表情でベスネルを見つめてたし
ベスネルの発言も意味がわからなかった
ただそれ以上にイヴァ城のことが気になり
イヴァ城に行くことに躊躇したが皆を集めて向かう事にした
私、ヴァーリ、ブラギ、イズン、テュール、フレイヤ、ベスネルの7人の神族全員で向かうことになった
ルルファウスも連れて行ってほしいと言ってきたが
年端もいかない少年を連れてはいけなかった
ベスネルはルルファウスの頭を撫でながら
本当はすごく強いのにねっと別れの挨拶をしていた
都市の防衛に神族を残していこうと思ったが
いまの騎士団が負けるところを想像できないというか
攻め込まれて負けることはないだろう
アキ大隊長、アルビオン大隊長、他に4人の大隊長とカノン隊長
そして魔族のラケンシュも残るし
もし攻め込まれて都市アイリスが負けるとすれば
魔王軍が総攻撃を仕掛けてくる
もしくはノア教団が総攻撃を仕掛けてくるのどちらかだろう
ノア教団はいまイヴァ城を攻めてるので可能性はない
魔王軍が攻め込んでくる可能性は、ほぼ0って言ったベスネルを信じて
イヴァ城に援軍に行く事になった
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数時間前
「ロキ様!!大変ですノア神族が攻め込んできました!」
「・・・なんだと」
王座の間から飛び出しバルコニーから外を眺める
「城門を突破されているではないか・・・」
「ロキ様いますぐ避難を!」
「ならぬ!迎え討つぞ」
足早に場内を歩き広間を目指すと
そこにはイヴァやノアの神族達が倒れていて、いまも魔法や剣が飛び交っていた
ロキを見つけると我先にと攻撃してくる黒い衣の者達
そんな黒い衣を着たノア神族達を相手に、落ち着いて剣を振るい対処するロキ
数百年動きがなかったノアが今頃になって攻めてくるなんて
どうせアイリや他の神族がいなくなったから、
いまのイヴァ相手なら倒せると思われているのだろう
舐められたものだ!ロキの剣には表情には出さないが
怒りがこもっていた
「ノア神族が裏門から進入して地下へ向かっています!」
「・・・お前達はここを絶対に守り抜け!」
広間を他の者達に任せたロキは地下へ急ぐ
ロキは気付いたノア神族の狙いは地下にある
アレだけはまずい、この世界が滅びる
地下へと続く階段で待ち構えてるノア神族を斬り捨てて地下へと進むロキ
地下牢獄へと繋がる踊り場で、自分の側近である師団長の1人が殺されていた
やつらはもう・・・
大きな地下牢獄へ到着したロキの目の前には、
ノア神族数人と1人の騎士のような男と、グノシスの姿があった
「なにをしにきたグノシス」
「・・・ロキ退がれ、ヴェルゼさえ連れて行けばここには用は無い、すぐにノアは引き上げる」
「ヴェルゼを連れていくことは許さん」
「交渉決裂か、まあいい」
1人の騎士がグノシスの前にでてロキに剣を向ける
「時間を稼げヴァルトレアよ」
そう騎士に告げると、グノシスは檻の中にいるヴェルゼに近寄る
目の前に立っているこの騎士は人間で間違いなさそうだ
すぐに片付けてグノシスを止めようとしたが
その騎士の動きは人間を超越した動きであった
しまった、時間を稼がれている、そう思った時、グノシスが口を開く
「準備は整った、さあこいヴァルトレアよ帰還する」
転移の魔法が発動されてた、くそ逃げられると思った瞬間に
ズドンと空間に閉じ込められるような物凄い重力を感じた
なんだと?とグノシスの口からこぼれた
転移の魔法が中断されてしまったからであった
そして闇の中からズズズズズと人影が見えた
その人物はロキにとって忘れることの出来ない人物だった
自分を圧倒的な力で敗北させたこの姿
その人物がグノシスに話しかける
「・・・久しいなグノシス」
「貴様は魔将シャル・ルヴェル」
「なにをしているお前の主人であるヴェルゼを解放するのだぞ」
「主人?残念だったな私の主人はベスネル様ただ1人」
魔将シャル・ルヴェルが今度はロキに向かって話しかける
「小僧、久しいな、少しは成長したのか?」
「・・・っ!」
「心配するな小僧、ベスネル様の命令だ、気が乗らないがお前の味方になってやろう」
「・・・はは、ははは!ベスネルの奴いつまでたっても俺の姉ちゃん気取りか!」
「シャル・ルヴェル・・・頼む手伝ってくれ!」
「ふん・・・さあいくぞ小僧!」
ロキは700年ほど前に
自分を圧倒的なまでの力で恐怖させた強敵と共闘することになった
「貴様は魔将シャル・ルヴェル!」
「ふ、久しいな小僧少しは成長し・・・ってあれ?」
《サササッ》
「グノシス頼む手伝ってくれ!」
「よし3対1でフルボッコだロキ」
\へいへーい/\おらおらー/\かかってこい!/




