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私がおとぎ話となった理由  作者: もんじ
序章
18/23

17話: それぞれの思惑

「そんな力があるなら俺は父上とベイドレード兄さんを止めるよ!」



「・・・そうか、お前ならそう言うだろうと思ったよ」

「実は当てがあるんだ、一緒に行ってみるか?」

「ついていくよ兄さん!」



シドヴァイスとヴァルトレアの2人は城の外にある馬小屋へと足を進める


「これはこれは、シドヴァイス王子とヴァルトレア王子」


「悪いが馬車を一台用意してくれないか?」

「馬車?でございますか?」

「ああ頼む」

「すぐに用意しますが・・・失礼ですがお付きの者は?」



「・・・いや、近くに用事があるだけだ必要ない」

「分かりました、少々お待ちください」


《ヒヒーーン!》

「これ!どうどう・・・よしいい子だ」

「お待たせ致しました」



シドヴァイスは大きな荷物を馬小屋管理人に一緒に運ぶよう頼み

それを見ていたヴァルトレアも手伝い、3人で運んだ

何が入っているのだろう重たく大きな木箱だった



荷物を運び終えた後、2人は目的地に出発した


「お供も連れないで大丈夫かな・・・

何かあったら責任とらされそうだな・・・」

2人を見送りながら馬小屋の管理人は色々考えていたがその時

横から声をかけられてビックリしていた


「・・・おい」

「わっ!・・・これはベイドレード様!」


「シドとヴァルあの2人はどこへ向かった?」

「え!?・・・いえ馬車を用意しろと言われて、目的地までは・・・」


「ちっ、まあいい、すぐに馬を1匹用意しろ」

「1匹で御座いますか?1頭では・・・


管理人が喋るのをやめるようにベイドレードは剣を抜き管理人に向ける


「早く用意しろ」

「た、ただいま!」



馬にまたがると颯爽と2人の後を追った


数時間ほどかかり、2人の馬車が到着した場所は自分が生まれる前には

廃墟になっていたであろう場所であった


そこで第二王子のシドヴァイスは車内にいるヴァルトレアに着いた事を教える

車内にいたヴァルトレアは木箱の中身が気になって仕方がなかった

というのも仄かにだが、香水のいい香りがしていたからだ




「こ、ここは廃墟?こんなところで何する気?兄さん」



疑問に思っているヴァルトレアをよそに、姿見えない者に呼びかける


「ガルドレフ王国第二王子、シドヴァイスだ!頼みたい事があって来た!」



しばらくの間静かになった廃墟だったが、王子の言葉に反応するように声をかけてきた


「こちらですシドヴァイス王子」



ヴァルトレアは驚いてしまった

声をかけてきた人物はドアを開いて出てきたのだが

その建物は半壊していてとても住めるような状態ではないし

建物の奥も見えるが何もない、そして声をかけてきた者は黒い衣を着て

フードで顔を隠していたが、すぐにノア教団員だと分かった



「兄さん・・・ここはノア教団のアジトなのか?」

「ああ、いまは異教徒と呼ばれている、ノア教団の本部だ」

「本部!?本部っていってもここには廃墟しかないじゃないか」



「なあ、そこの・・・君もこの荷物降ろすの手伝ってくれないか?」


シドヴァイスはヴァルトレアの質問に答えずに

ノア教団員に荷物を降ろすよう頼んだ

すると、半壊していた民家のどこに隠れていたのか

数人のノア教団員が建物から出てきた、荷物は軽々と運ばれ

半壊した民家へと持っていかれる


ヴァルトレアも民家に入った、そこで初めて謎が解けた、ドアを開くとそこには

大きな地下へと続いている階段があったからだった




「さあ、入ろう」そう言うとシドヴァイスはヴァルトレアの背を押すと

地下へと続く階段を下りていく


階段を下りていくとそこには広大な

いったい何年、何十年、いや何百年かけて作ったのか

広大な地下空間があった、中には数百人の黒の衣をまとった、異教徒達がいた

そんな異教徒達に囲まれながら奥へと進む

奥へ進むと大きな台座があり、その台座には先ほど運んだ木箱が置かれている



地下空間の奥から1人の人物が歩いてきた

そしてその人物がここの長である事は、一目見て雰囲気で分かってしまった

悪魔とでもいうのか、実際にヴァルトレアは悪魔など見た事がないが

そう思わせるような佇まいでもあった



近くにきてその人物は木箱の前に立つ、そして教団員によって木箱が開かれた


中から出てきたのはブレカレット公国の姫であり

兄であるシドヴァイスの婚約者、エリシア姫の死体があった

「・・・エリシア姫?」



兄が異教徒の長に話しかける

「グノシス殿どうかエリシアを蘇生してください」

「・・・いいだろう、それで代償は?」



少しの間があいて、再び話す


「この者はガルドレフ王国、第三王子のヴァルトレア」

「ふむ」



訳がわからなかった、代償とはなんだ?エリシア姫を蘇生?


「済まないな、ヴァルトレア、エリシアの為に頼む」

「だが、お前の求めてた人間を超越する力、お前はそれを手に入れる事ができる」

「そうですよね、グノシス殿?」


「無論だ」


ヴァルトレアは大勢の教団員に手や足を掴まれ拘束され

そんなヴァルトレアにグノシスは近寄ってくる


「それでは、お前の魂と体を頂こう」



ゆっくりとグノシスの手がヴァルトレアに向かって伸びてきた

その時



「ヴァルトレアーー!」


入口の方から大きな声が聞こえた

その者はガルドレフ王国第一王子のベイドレードだった

ベイドレードは剣を振るい、ヴァルトレアを助けにきたのだ


「ベイドレード兄さん!」

「・・・兄さん、なぜ邪魔をしにきた!」



シドヴァイスも剣を抜き、兄であるベイドレードを迎え討とうとしたが

グノシスに剣を下ろせ、何も心配する事はないと言われた


教団員と戦うベイドレードを眺め

グノシスはヴァルトレアよりもいい獲物を見つけ喜んでいた






「ブラギ、あんたファルス町まで繋がる街道まで、こんなでかい壁作るわけ?」

「ファルス町までって言ってもですね

今はファルス町は同じ都市アイリスですからね!」


「なにか問題があるんですか?アイリ様」

「え、いや別に、なんもないけど」


さあ飛行船建造を!って思っていたのにブラギが旧ファルス町までの道を

市民や行商人達の安全を守る為、壁を作りましょうって言いだして

また予算がなくなってしまったのだった


確かにこの街道は通行人が増えていっぱいいる、魔族も出現するから

最優先なのかもしれない、などと考えてたら


こんな所を歩いている

まだ年端もいかない少年がこちらを見つめニコニコ笑っていた

わざわざこんな所にまで会いに来てくれたのだろう

笑い返して手を振った



すると、その少年は嬉しそうに近寄って来て話しかけてくる


「こんにちは!貴女がアイリ様?」

「え?そうよ、私がアイリだよ」


私がアイリという事は知らない、私の顔を見たことのない様子だった


「初めまして僕はルルファウス、貴女に会ってみたかったんだ」

「そうなの?会いに来てくれたのは嬉しいけど

1人でこんな場所にきたら危ないから、街に戻りなさい」


「僕はこの街に住んでない、別の街から出てきたんだ」

「え?」

「ねぇアイリ様、この街を見て何を思う?」

「え?この街を見て?」



「そう、この街を見て何を思ってるのか・・・この街は豊かだよねアイリ様」

「そ、そうね・・・みんなが頑張ってくれてどんどん発展して豊かだね」


「アイリ様は他の街を見たことがある?僕の街はこんなに豊かじゃない」

「そして、僕の街は仲間同士の争いが絶えないんだ」



「君はどこから来たの?」疑問に思って少年に聞いてみた

答えは、ずっと遠くにある街からと言っていた、その後も少年と話した

この少年は見た目は10才前後だが、話の内容がそれとは違うものに感じた

しばらくすると、その少年は小さなバッグからなにかを取りだした



「アイリ様にこれあげる」


手渡されたのは物は果実のようで、丸みを帯びた赤い実だった



「これは?」

「これはね、バラ科のサクラ属サクラ亜属の木から実るのだけど

僕達は桜桃って呼んでいる、食べてみて、美味しいから」


「モグモグ・・・美味しい!」

「でしょ!他にもあるんだよ」


少年は小さなバッグの中から色々な食べ物をだす

それはまるで異次元ポケットのようだった


「これも美味しい!」

「あはは、アイリ様が食べた食べ物は全部この地にはないよね?」


「僕はこの食べ物の育て方を知ってる

実るまで時間はかかるけどこの街で一緒に育ててみない?」


一緒に育ててみない?ってことはこの街に住んでって事なのかな?

自分の街はずっと遠くにあるって言ってたし

まあ初めて見る食べ物(主に果物)に魅力を感じた

だってケーキに混ぜたら絶対美味しいから


フレイヤもイズンも喜ぶだろう

あとベス姉も自分の農園の種類が増えれば喜ぶだろうし

・・・ただどこに住ませるか、いきなりだしな

今日は屋敷に泊めて明日にでも探そうか


いや!ダメだこんな少年が家を出て親が心配しているだろうし

そのあたりも聞いてみたら、ちゃんと伝えてきたから、この街に住ませてほしい

そしてできたら専属従者の1人にしてほしいと言ってきた


いま私の専属従者はシレーヌただ1人だけど、シレーヌは大歓迎するだろう

シレーヌはいわゆるあれだ

とりあえず農園にいるであろうベス姉の所にまで一緒に行った




「わあ、様々な種類の野菜や果物がありますね、立派です」



ふふふと満足気にベスネルが近寄ってくる


「アイリ、一緒にいる子はずいぶん見所があるわね」

「おおっ・・・ベス姉そこにいたんだ、実はこの子

ルルファウスが新しい果物の作り方教えてくれるらしくて」


ルルファウスがこの地にはない食べ物をベスネルに見せると

ベスネルは嬉しそうに話していた

私もベスネルにルルファウスは新しい専属従者の1人になった事を伝え

時間も時間なので、明日またここに来て

新しい食物の育て方を教えてもらう事にして、私達は屋敷に向かった




「ぜはぁぜはぁ・・・ベスネルのあねさん!」

「どうしたのラケンシュ?」


「いやいやいや、どうしたのじゃなくて、なんで来てくれなかったんすかー!?」

「・・・あっ!ごめんなさいねアイリと話し込んでて」


「アイリ様が来てたんですか?ってあそこにいますね」

「・・・・・っ!!」




「どうしたの?ラケンシュ」

「あねさん、アイリ様の横にいる子供」



「あいつが新しい魔王ですよ」









「すまないなヴァルトレア、エリシアの為によろしく」

「だけど、人間を超越する力を手にすることができる!」

「ふ・・・そうですよね、グノシス殿」



「グノシス: え?」

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