15話: 援軍にいこう!
「ラケンシュ、噂どおり君は新しく入った人の中で格別に強いな
負けてしまうかと思ったよ!」そう言うとアルビオンは手を差し伸べてきた
手を握り起こしてもらったが、屈辱であった
たかが人間相手になんてザマだ・・・これでも俺は旧魔王軍の師団長だったんだぞ
そんな時にブラギが話しかけてきた
「アルビオンは騎士団の中では1番強いからしょうがないよ
俺たち神族相手でもいい勝負するくらいにね」
・・・神族だと?疑問に思った俺はすぐにブラギに聞いた
「ブラギ殿は神族なのですか?」
「そうだよ、聞いてなかったのかい?他にもいっぱいいるよ」
神族はイヴァとノアの大戦後、神族の地で暮らしてると聞いていたが
人間と共に暮らしているだと・・・
ブラギと入れ替わるように1人の女が近寄ってきた
「貴方強いのね〜、お話があるから一緒に来なさい♪」
女の名はベスネルというらしい、普段はこの町の農園、果樹園、湖などを管理していて
この町の主の姉らしい
そんな女が訓練場から離れたところでいきなり質問をしてきた
「貴方は魔族よね?魔族が何しにきたの?」
「・・・・・」俺はその質問に答えられずにいた、
なにをしにきた?仲間の殺された町を見にきて
魔族が攻め込む時に少しでも優位に立てる地位に立とうとしていたからか?
そんな事言える訳もなく、黙りこむしかなかった
そもそも俺はいまの魔王に忠誠など誓ってなく、ヴェルゼ様が捕らえられ
解体したような魔王軍にいる必要性も感じていなかった
この町にしばらく身をおいて、有事の際にはなどと言い訳であって
いまの魔族の地での生活に飽き飽きしてたからだ
「今ここにいるのは、魔族の地での生活に飽きたからかもな」
ほとんど本音で答えた
「そうなの、では貴方は今から私の従者になりなさい♪」
唐突だな!って思ったけど、なぜかワクワクさせてくれる
この女に誘われて、主のいない俺は仕えると返事をしてしまった
その返事をしたらもう1人の従者を呼ぶと言いだしたので
どこに呼びにいくのか考えていたら女はいきなり
「シャルちゃーん!いらっしゃーい」と声をかけると
闇からスッと従者が出てきたのだが本当に驚いてしまった
闇から出てきたもう1人の従者は、魔族と連合軍の争いで
命を落としたはずの魔将の1人シャル・ルヴェル殿が出てきたからだ
「お呼びで御座いますかベスネル様」
「このラケンシュが従者に加わったからよろしくねシャルちゃん」
「ほう、お前はルイザルフの軍にいたラケンシュだな」
「・・・はっ!ルイザルフ・ダッパ軍の師団長をしていました」
「あら〜ラケンシュは師団長だったのね〜」
魔将と同格の立場にされ申し訳ない気もしたが
どうやらベスネル様が冥界の王をされていた時に、ベスネル様と契約を交わしたようだ
この町はとんでもねぇ、神族を筆頭に人間離れした兵隊、そして魔将までいる
2ヶ月後
馬に乗ったファルス町の伝令がアイリス町までやって来た
内容は北にある大国、ガルドレフ王国がファルス領の所属する
ブレカレット公国に攻撃、ブレカレット公国は籠城中
ガルドレフ王国軍はファルス領に進軍してきていて
ファルス軍では到底追い返せない戦力だから手助けしてほしいとの事
ヴァーリにいかが致しますか?って聞かれたけど緊急会議をして決めよう
みんなに集まってもらって書状の内容を伝えると
協力関係の町だから助けに行きましょうって意見だった
神族が一部の人間の肩入れするのはどうなのかと思い
開いた緊急会議だったんだけど、考えすぎだったのかな
そもそも人間は私達を崇拝しているが私たちは創造主などではなく
ただ人間より寿命が長く、強いだけ、これは魔族も同じである
冥界の王などは死者を管理する特別な立場にいるけどね
ベス姉なんて最近、冥界は暇になってるから
ハーデスの仕事増やしましょ♪なんてノリノリだ
「じゃあファルスに援軍を送るって事で決定ね、編成は任せるわ」
緊急会議はあっさり終わった
4、5、6番隊とテュール、ブラギが援軍に向かうことになったが
ベスネルも遊びにいくらしい、
私もノルド卿の館に今度寄らせてもらうって言ったきり会いに行ってなかったから
ついでに行くことにする、他のみんなはお留守番
ファルス町までは飛んで行けばすぐだから、入念に準備させた
4、5、6番隊といったが正しくは第4大隊、第5大隊、第6大隊になったんだよね
騎士団の人数増えたから細分化させるために、数百人の隊を隊長と副隊長が指揮するのは大変だもんね
アキとアルビオンは大隊長、カノンは隊長
準備が完了したのでファルス町へと向かうことになった
着いたらファルス軍から猛烈な歓迎をされた
それもそうだよね騎士団の人数は少ないとはいえ
空から白銀の騎士達が2000人ほど援軍にきたんだもんね
それよりベス姉の近くにいる2人
1人は従者のラケンシュでもう1人は魔将じゃないか?まあいっか
ノルド卿の姿も見えたので私は館にお邪魔する事にした
話によると向かってくる敵軍はおよそ5万人で、
ファルス軍は8000人ほどらしい、数では相手のほうが5倍も多い
本国のブレカレットも敵兵に囲まれて
籠城中だから援軍は期待できないらしい
「初めての戦争だが緊張してるかアキ?」
「アルビオンさん、初めての戦争なんですがなぜか緊張しないですね」
「ふふ、そうか」「さっすがーアキ大隊長!」
「お、カノン隊長も大丈夫そうだな」
「はい!毎日ちゃんと訓練してますからね!」
《前方に敵影発見ー!!》
「きたな・・・総員配置につけーー!」
「ノルド様ー!敵軍を確認しました!」「来たようですね、私は外で見てきます」
館から出て、上空から見てみると相手の軍隊を確認できるが凄い数だねー
できる限りうちらは防衛に専念ってことにしたけど、数が凄い
って1人で敵軍の前まで歩いていく人影が・・・
あれはさっきベス姉の横にいた魔将?だよね
スタスタ歩いて近寄っているけど・・・
「な、なんだあいつは!」「矢を放てー!!」
「待て!!一発大砲を食らわせてやれ!」
《ズドーーン!》と見せしめに撃たれちゃった・・・
《モクモク・・・》「なんなんだぁ今のは?」
\効いてないだと!?/ \そんなバカな!!/
「静まれーーーー!おい、そこのお前、ワシと一騎打ちをせい!」
1人の老戦士がシャルに挑む
\ザンドレフ様ー!/ \英雄ザンドレフ様の戦いが見れるぞ!!/
「フン!フン!フン!さあかかってこい!」
「・・・シャル師匠ここは俺が」「ふむ、よかろう」
魔将の代わりに前に立つラケンシュの姿が見えた、ラケンシュは右手を老戦士に向け
その手を下ろすと同時に老戦士の体はズドン!と地面に完全に埋まった
\ザ、ザンドレフ様ー!/ \そ、そんなザンドレフ様が!/
敵軍の混乱している様子がすぐに分かった
混乱に乗じてファルス軍が一斉に突撃を開始した
それを援護するように騎士団も上空から魔法の一斉射撃を行う
さっきラケンシュが使ったのは重力系の魔法だけど
やっぱり横にいるのは魔将だな、魔将シャル・ルヴェルで間違いない
ベス姉・・・どんだけ冥界で悪さしてたんだよ・・・
「貴方私の従者になりなさーい♪」
「はぁ!なんだこのばばあ!」
「シャルちゃーんいらっしゃーい!」
ズズズズズ、じゃじゃーん!
《チュドーーーーーーーン!〉




