第五十八話『プレゼント』
「うんうん、連れてきてよかったわ!」
その様子を見て、ニコは微笑んだ。
「いろいろ勉強になったなぁ」
と、いろいろな話をヒゲの店長から聞いて、満足して、店を出た。いろいろな道具の使い方を聞いて、それに対するアイデアもたくさん浮かんだので、学校でまた、ヒカルといろいろ相談すれば、新しい戦い方が見つかりそうだ。
「次は、どこに行こうか!」
と、よろず屋さんを満喫した僕は、ニコに聞く。
よろずやを出て僕らはなんとなく歩いていた。
なんとなく周りを見ながら進んでいたのだ。
「そうね〜、次のそこは洋服屋さんよ!」
とニコが言う。
今までどおり、目に見えるお店を紹介してくれた。
「入ってみようか」
と僕が答える。えっ?という声がニコから聞こえる。
僕が洋服に興味がないと思ったのだろうか。
僕の行動が意外だったらしい。
「あ、ニコちゃんいらっしゃい!お、さっそく着てくれてるのね!」と、店長らしきおばちゃんが微笑んだ。
「うん!」
とニコが返事をする。
「あ、その子とのデートのために買ったのね」
「しー!それ言っちゃダメだから!!」
と、おばちゃんに対して顔を真っ赤にして抗議するニコ。
ああ、こうなることがわかっていたから、少しためらったのか、と笑った。
「彼氏!かわりに何かかってあげなさいよ!このアクセサリーがおすすめよ〜」
「おばちゃん、やめてよ〜!」
ここに連れてきたのは失敗だった。とボソリと呟いた。
「商売上手だなー」
ちゃっかり自分のところの商品を勧める、おばちゃんのセリフに僕は笑って、アクセサリーコーナーを見る。
「ニコ!ほしいものある?このネコのアクセサリーとか可愛いんじゃないの?」
と、僕は聞いた。
小さく可愛らしい、ネコのアクセサリーだった。
お金は少し持っている。
防衛任務のお金が学校から定期的に支払われているからだ。
「え?いいの!!」
とニコが目を輝かせた。
「もちろんいいよ!いつもお世話になってるし、こないだも助けられたし」
こないだとは、キングゴーレム戦のことだ。『炎弾 - ファイヤーバレット』で、キングゴーレムの注意を弾いてくれなければ僕は今頃ここにはいなかっただろう。
「ほんと!!じゃあ、タカシが選んでくれた、そのネコのアクセサリーで!」
と、ニコが決めてくれたので、おばちゃんにお金を払って購入した。
「やるじゃない!彼氏!でもニコちゃん泣かせたらおばさんが許さないよ!!」
と言うおばちゃん。
「ははは・・・」
と僕は答えるだけで精一杯だった。
「わーい!タカシにプレゼントもらっちゃった!」
とニコは喜んでいる。
「喜んでもらえてよかったよ!」
と僕も嬉しい気持ちになった。
あのニコにこれだけ素直に喜んでもらえたら、嬉しい。
そうこうしていたら、当たりは少し暗くなってきていた。
「あ、夕方になってきたね」と僕が言う。
「そうね!じゃぁ、行くわよ!!私がタカシに見せたい場所に!」
とニコはそう言って歩き出した。




