第五十〇話『覚悟』
右腕を失ったキングゴーレムは吠えている。
「グオオオオオォォォ」と吠えている。
「どうだ!キングゴーレム!」
と僕は言った。
「タカシ・・・すごい・・・」
とニコが言う。
「タカシくんやったわね!」
とヒカルが言う。
「タカシ、ナイス!」
とグッと親指を建てるリオン。
なんとか一矢報いたが、まだ、ピンチであることには代わりはない。もう僕にそんなに体力は残ってない。キングゴーレムの攻撃はやはり凄まじい。
次、攻撃を受けたら、もうタダでは済まないだろう。
次で終わりにしなければならない。
もう、この死闘を終わらせなければならない。
『三重炎拳 - フレイムヘブン』単体では、僕の体術では、もう胸に攻撃を当てることは出来ないだろう。
「となると、合成するしかないか・・・」
そう、この戦闘中にだ・・・。
危険だが。
このまま、『三重炎拳 - フレイムヘブン』を当てようとしていては、命がいくつあっても足りない。
『速斬 - スピードスラッシュ』
『速突 - ラピッドスラスター』
『追尾投擲 - ホーミングスロー』
の3つがいまの僕の持つスキルだ
。
これのどれかに『三重炎拳 - フレイムヘブン』を合成する。
『三重炎拳 - フレイムヘブン』は『炎拳 - ファイヤーパンチ』の最終形態だが、さらに何かと合成することは可能なはずだ。
どれと、合成するかの判断が、この戦いの命運を分ける。
まず『速斬 - スピードスラッシュ』だが、僕の体術では、これを確実に、キングゴーレムの胸に当てるのを期待するのは難しいだろう。
次に『追尾投擲 - ホーミングスロー』だ。
これに合成して、当てて倒すというのが一番、有り難い。
なにせ、当たるからだ。
ただ、一つ、気になることがある。
「その威力でこのキングゴーレムを倒せるかどうか」
そう、遠隔から外れないナイフ。
しかも『三重炎拳 - フレイムヘブン』を纏ったナイフを当てれば、倒せる確率はある・・・。
倒せる・・・かもしれない・・・。
かも知れないが、僕の感覚では50%くらいだ。
力が足りない感じがする。
僕の投擲力の関係もある。『三重炎拳 - フレイムヘブン』の力だけに頼って、このキングゴーレムを倒せるのか、実際のところ怪しいところだ。
となると。
『速突 - ラピッドスラスター』に『三重炎拳 - フレイムヘブン』を合成する、という事になる。
この2つのスキルを合成させたものを『当てれ』ば、多分倒せるだろう。
そう、『当てれば』だ。
キングゴーレムの片腕はまだ生きている。
その、状態で、キングゴーレムの懐に近づかないと、倒すことはできない。
そして、次、キングゴーレムの直撃を受けたら僕がやられる・・・。
と思考を巡らすが、答えは決まっている・・・。
「やるしかないな」
と、言いながら僕は、スキルを発動させた。




