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第十九話『得意不得意』

「わ、すごい!『氷剣 - アイスソード』はそうやって使うのね!!」

とヒカルが荷物をもって、やってきてそう言った。


「こんなの思いつかなかった・・・タカシすごい」

「どうもどうも!」

と、僕はおどける。


「スキルは発動の仕方に大きな違いがあるみたいだから、そこをしっかり観察すると、新しい戦い方が出来るかもしれないね」

「そうだね!」

とヒカルが同意した。


「タカシくんの新しいスキルも試せるように、投げられる武器をいろいろもってきたから試してみるといいかも!」

と、言ってドサッと、武器がいろいろ入った箱を置いた。


なんだか部活動みたいだ。

野球部とかの道具箱みたいな感じだ。

帰宅部一直線だった僕はこういう経験をしたことがなかったけど、これはこれで楽しいのかもしれない・・・。


「好きなの、選んでね〜。ボールでしょ!ナイフでしょ!」

とぽいぽいと、取り出すヒカル。


ナイフはいきなりは難しそうだと思ったので

「とりあえずボール行ってみようかな」

と、僕が言うと、りょうかい!りょうかい〜!と言いながらヒカルがポンっとボールを渡してくれた。


そして、そのボールを握る。


『高速投擲 - ファストスロー』


僕は、前回ゴーレムを倒して手に入れた、新しいスキル『高速投擲 - ファストスロー』を発動させて、『投げ』た!!


僕が目標の木のサンドバッグに向かって投げた球は、凄まじい速度で、飛んでいった。


「速い!!」


速い!が・・・!『はずれ』た!!

その球は、目標のサンドバッグには当たらず、遥か後方にとんでいった・・・。


「タカシ!どこ投げてるのよ!!」

とそう言いながらも笑ってニコは、そのボールを走って取りに行ってくれた。


「ごめんごめん!!」

と僕は言う。


「そうか、やっぱり、投げるのは普通に難しいのかぁ」

スピードは、スキルのおかげで、元いた世界の時からは考えられないスピードがでているけど、コントロールは元のままだ。

野球なんかやったことないから、ちゃんとボールを投げたことなんか数えるほどしかないかもしれない。

そうすると、こんなものなのだろう。


「ヒカルはビシバシ当ててたよね」

「ふっふっふっ、こう見えてもヒカルさんは凄いのですぞ!」

とメガネをキラーンと上げて言うヒカルさん。


「凄さがよく分かったよ」

と、ヒカルの発言に頷く。

ものを狙ったところに当てるのってすごく難しい。


「これは、1日2日で出来る感じじゃないな〜」

と僕が言う。


「よし、取ったわよ〜」

と言って、ニコはそのボールを投げ返してくれた。


しかし、そのボールは横にそれた。

僕がいないところ。

すこし走らないと届かないところに飛んでいった。


「ニコも投げるのうまくないじゃん!」

と言いながら走って、ぎりぎり間に合ってキャッチした。


「へへへ!」

とニコは笑った。


そう、人には得意不得意があるのだった。

リオンは、素早い動きは得意だが、剣術はそんなに得意ではない

ニコは剣術は得意だが、投げるのはそんなでもない

ヒカルは投擲は得意だが、たぶん体術はそんなでもないのだろう。


そして、僕が得意なところは・・・。と考えた。


「よし、得意な所で勝負しよう」

と僕は思考を整理して、そう言った。


「あれをやるのね!」

とニコが笑った。

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