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第十五話『学年』

ここは、学校なのか?


確かに、グラウンドがあるし、建物もそう言われてみるとそれっぽい。

でも何故教室に?と僕が思っていると。


「そう、私達学生だからね!」

とニコが言った。


「そうなの?」

と僕が聞く。


「そうよ、ここは、13歳以上の子どもが通う学校。六年間ここで過ごすの」

と、ニコが説明してくれた。

一応勉強もしてるのよ!と言って笑った。

ニコは勉強得意じゃなさそうだし、体を動かすほうが楽しいのかな、と思った。


「13歳以上の6年間?つまり中高一貫校ということか・・・」

中高一貫校。中学校と高校が一緒になっている学校は、元いた世界にもあった。特に進学校に多いというイメージだ。まとめることにより、ロスが減り、最後の時間で大学受験の勉強をする余裕ができる、と聞いたことがある。


「君たちは何年目なの?」と僕が聞いた。

「私たちは、4年目よ!」

つまり、高校一年生ということか。


「僕と同じ年か・・・」

と僕はつぶやいた。

この世界の暦が、元いた世界と同じであれば・・・だけど。

なんとなく、そんなに年が離れている感じはしないので、たぶん一緒だろう。


「あ、そうなの?私達三人は同じ年よ!そして、この学年には三人しかいないんだけどね」

「やっぱり、そうなのか、ここは学校というには、小さいよね」

と、最初に思っていた感想を思い出した。


一学年に3人しかいないのは、学校というには、かなり極端に少ないとは思う。元いた世界でも、離島なら、そういう学校があるかもしれない。


最初に見た時、この学校は、都会の学校のように一学年に5クラスも6クラスもある感じではないなと思っていた。そういう活気があるようにも感じなかった。


「そう、6年間通うのにたったの9人しかいないの!」

と、ニコは笑いながら言った。


なるほど、やはりすごく田舎の学校ということだな。

6年で9人というのは、学年という概念さえ危うい感じだ。


「そして、防衛任務がある」

「そう、この街を守るのは私達の仕事よ!」

と、胸を張って言うニコ。

ニコはちゃんとそのことにプライドを持っている。

僕からスキルをもらってまで戦いたいと思うくらいに。


「なんでそんなことに・・・大人は何をしてるの?」

「ほかの人じゃ戦えないのよ!」

と、ニコが言った。

そして僕は理由も想像がついた。


「君たちしかスキルが使えないのか・・・」

「そう、だから私達が戦うしかない!」

と、ニコは笑った。


僕はやっと、彼女たちの過酷な状況を理解した。

スキルを使えるものはそんなにはたくさんいない。

そして、定期的にモンスターが街に襲い掛かってくる。


そして、残りの6人も『スキル獲得者』なのだろうか。

と思っていると、教室についた。


「さて!私は、報告してくるね〜!」

とメガネのヒカルはそう言って、教室から出て行った。

防衛の成果を報告しに行くのだろう。

と、いうことは先生がいるということか。


なんとなくこの世界のことがわかってきたところで

「タカシは、この後どうする?」

とニコは聞いた。

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