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第十二話『ゴーレム』

「おしゃべりは、そこまで」

と、リオンが二人に言う。

皆がリオンの方を見る。

その視線の先を皆も追う。


「グオオォォォオォォ」

そう、ゴーレムが襲いかかってきた。


咆哮を上げたゴーレムが、天高く拳をあげる。

三体の仲間。ゴブリンを倒されて怒りもあるのだろうか。

明らかに怒っていると言っていい気性のゴーレムが攻撃してきた。


「はい、くるよ!みんなよけて」

と、そんな怒り狂ってるゴーレムとは全く逆の冷静さで皆に言う。ヒカルはゴーレムの動きを予測していたようだ。的確なタイミングで指示を出している。


「オッケー!」

「了解」

とニコとリオンが答えながら、跳ぶ。


二人も余裕があるようだ。

この子たちは緊急事態なのにかなり冷静だ。

これが彼女達の日常だということだろうか。


ゴーレムのパンチが飛んでくる。

ニコは上空へ、リオンは左に飛んだ。

そして、誰もいなくなった、地面にゴーレムの拳が突き刺さる。


「行くわよ!」

ニコは、ゴーレムの右腕が突き刺さっている地面をぴょんと乗り越え、腕に着地した。

そして、その腕を走っていく。


「まじか、なんて器用な!!」

と僕が言う。


それを気にせず、タッタッタと腕を登っていく。ニコ。

そして、そのまま顔に向かっていく。

剣をさっとだし、そのまま突進しながら、ゴーレムの顔に向かっていく。


「よし、これで終わりよ!!」

と、ニコはいきなり剣でとどめを刺そうと、大きく、剣を引き、振り下ろす。


「グオオオォォォォ!」

と、言いながらゴーレムがうなる。

そしてゴーレムは、ニコが登ってきた、右腕にに向かって

左腕を振り回す。


「よし、うまく行ったわね!」

とスッと、剣を振るのをやめて、その拳を避けて、そのまま、ゴーレムの後方に着地した。

彼女はそもそも、振りかぶった時に、実は力を入れていなかったらしい。

最初からこれを狙っていた。


そう、ゴーレムはあまり頭が良くなかった・・・。


自分の右肩に向かって、大きく左の拳を打ち付けたのだ。


そして、左肩に大きなヒビが入った。

さらに、その攻撃が遠心力を持っているので、そのまま時計回りにゴーレムが回転し、バランスを失って倒れた。


「グオオオォォォォ!」

とゴーレムはうなっている。


「ヒカル!!」

と着地したニコがヒカルの方を見て叫ぶ。


「はいはい、わかってますよ〜!」

と、何かを取り出して、仰向けになって倒れているゴーレムに向かって何かをぽいぽい投げた。


「タカシくんも避けてね!」

と、ヒカルが言う。

そして彼女は耳を塞ぐ。


「え?」

と僕が思う間もなく。

ゴーレムに爆発が起こる。


ボン!

ボンボン!


と爆発する。


「爆弾!?!?」

と僕が叫ぶ。


「そう、私が投げるのは、ナイフだけじゃないんだよ!」

と、ヒカルは笑った。


いつもニコニコしているが、怒らせてはいけないのだな・・・とよく分かった。

そして、ゴーレムは爆発の煙に包まれた。

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