歴史の彼方へ星は去る。
平成80年第二次大戦講和80年を記念して行われた東洋。いや、世界一の規模の一大観艦式が行われ、その後東都五輪が始まった。
さてそんなのはどうせこちらでも史実通りになるので、時間は百数十年ほど下る。
明和23年
ワシントン
アメリカ建国時に日本、英国との間に結んだ契約が建国500年を機に違反の有無の確認と条項見直しを行うことになった。。
「解体に値する違反が多数見受けられるため、アメリカ合衆国の解体を。」
『先住民の居住地、聖地を穢しその生命財産を脅かしてはならない。これに違反した場合合衆国はその施政権等の国家を形成するに当たり必要な全ての権限、国家に属する全ての資産、使節を日英に譲渡し、国家を解体する。』
この条文は確かに建国後数十年間はしっかりと護られていた。
だが、いつの間にやらアメリカは忘れた。
ネイティブアメリカンが強制移住を余儀なくされた。日本は、抗議したが、アメリカ側はそんな契約してないとすっとぼけた。まあ、表向き英国の抗議なんだけどね。だって、日本このとき鎖国してたし。
話を戻し、アメリカ国内は割れた。
海軍は日本側についた。真珠湾鎮守府を間借りする太平洋艦隊は帝国海軍連合艦隊を通じこの契約を知っていた。
契約違反を知りつつも盟友という理由だけで契約履行を待ってくれている日本に感謝していた。これに、第二次大戦以降日本びいきだった海軍省が同調。
さらに、日本に司令部が置かれる太平洋方面隊から報告を受けていた海兵隊と空軍も同調した。
唯一陸軍だけは反日英の立場をとった。だが、国防省内での立場は非常に悪かった。
さらにアメリカ籍の企業も同様に立場を割った。
日本市場に依存し、生産開発拠点の多くを置く、某小さくて柔らかい会社や、林檎が大好きな会社、世界最大の検索エンジンやってる会社とその愉快なお友達は日本に本社を移転すると発表。
これには日本が、「おらが国はみんなが満足できるほど広大な土地なんて無いから勘弁してけろ。」っと土下座してまで頼んできたので、とりあえず落ち着いた。
小売り系は反日英の立場だったが、これには、「じゃあ、コンビニ撤退ね。」
と、日本から言われれば、干上がるくらい日本の小売りシステムにどっぷり浸かってやがんの。
ちなみに交通系は既にほぼ全てが日本に技術、システムなどを依存しているため、日本側に立った。それ以外は反日英だったが…。
明和26年 聖歴2276年
アメリカ合衆国は建国から500年を経て解体されることとなった。
「アメリカ合衆国に敬礼。」
アメリカ東海岸に集結した数百隻もの大艦隊。
旧アメリカ太平洋艦隊はそのまま日本海軍に編入され、第二連合艦隊として組織される事となった。それ以外の艦隊は全て英海軍に編入された。
アメリカ本土はカナダに併合されることとなったが、どさくさに紛れてメキシコまでその領域に入っていた。
ここに、数百年もの間世界の警察を担い続けた大国の歴史は幕を下ろした。と思いたいんだけどね。




