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よく有る架空戦記 の様な物  作者: 猫湊
激動の欧亜大陸
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新連合国という枠組み

「故に、国民の団結こそが、国家の富となり、国家防衛に繋がるのである!」

どでかくぶち上げた伍長総統閣下。

「これで良いのかね?」

ここは帝都は、麻績の帝国放送協会本社屋。その屋上は帝都を三つに分かつ二つの山地のうち北の山地の中にある高原に位置しており、今が戦時下であると言うことを忘れさせてくれる。そんな風が吹いていた。

「ええ。」

「しかし君も海軍のでだろうレーダー君と話をして欲しい。我が国は陸軍は欧州でも高レベルを維持できていると自負しているがね。」

「海軍ですね。」

「さよう。ユダヤ人という財力と技術力有る者達の協力を得られているがそれでもだ。貴国が大陸に得た領土をそのままユダヤ人に与えたときは血迷ったかと感じたが、実際今はそれが英断だったと分かるな。」

第二次大戦開戦時の関係性が大幅に狂い、それまでの敵が仲間にまたその逆もありという状態となり、訳が分からない状態となった。


「山本よ。今の戦線はどうなっておるのだ?」

「はい。我が国最東端にあるハワイ島付近にソ連軍が出没している形です。」

「ふむ。友邦はどうなっておる?」

「ロシア帝国では、アナスタシア皇女殿下が立太子の儀を経て皇太子となり、来月我が国に留学されます。英国はアレクサンドラ皇太子殿下が、海軍を指揮されることとなっております。独国は、自力でえらい勢いで発展しており、これからが楽しみです。問題は米国です。戦争景気が一段落し、徐々にまた失業者が増えております。」

ここは松代。皇居が置かれている。1100年の長きにわたりこの信州の地に置かれた都は、今や、高層ビルが建ち並ぶ大都会となっている松本諏訪地域と、雅なる雰囲気を有する長野上田地域に分かれ、そこに、経済の中心となる安曇野白馬地域や伊那飯田地域が繋がり、旧都たる関西地方の畿内府山城地方にある山城新都心や梅田新都心関東江戸地域の千代田副都心などが連なり、海洋大国日本の帝都として戦時下を感じさせない発展を見せていた。

「最近共産主義者どもがなにやらきな臭いことになっておると聞く。山本、其方も気をつけよ。」

「は。ありがとうございます。」

東に日本、ロシア帝国。西に英国、ドイツといった反共の砦たる超大国があり共産圏は勢力拡大に苦戦していた。


時は1945年になり、共産圏が、周囲の国に大規模な攻勢をかけた。一番被害を受けたのは、ドイツの隣にあったポーランドであり、ドイツの支援を受けつつも国土の半分を失った。

そんな中戦中最大の惨事と呼ばれる事件が起きた。

ソ連領チェルノブイリ

ソ連が、ひっそりと完成させていた核兵器。巨大すぎて弾頭に搭載できない上に常に莫大な熱を生み出すが故に、これを発電などに使用していた。この核反応炉として利用されている核兵器が暴走し、メルトダウンを起こした。

「総理、ソ連で大規模な核汚染事故が発生しました。」

「何?あの時代遅れ兵器が暴走したのか?」

「分かりませんが、場所はチェルノブイリだそうです。ソ連政府は、キエフ管区を閉鎖すると。」

「急ぎ、特務部隊を派遣し、近傍を無人にするのだ。今は戦時下だが、これは、人類の危機と見なし、敵味方の壁を越え支援を差し向けるのだ。」

この事件を機に共産圏は親玉ソ連が兵を引いたことにより、撤退。そして、フランスヴェルサイユ。先の大戦の講和会議が行われたこの地にて、再び講和会議が開かれた。日英率いる国際連盟側と、中共及びソ連率いる共産側中共と朝鮮が一部ごねた物のポーランド国境の回復と、共産圏における宗教、少数民族の保護と引き替えにソ連は、西側諸国の除染を受けることができた。

時に1945年8月6日のことであった。

第二次ヴェルサイユ講和会議と呼ばれる本会議において、両陣営は5年後をめどに日本の山城新都心にて、講和条約を締結することで合意した。

これにより、国際連盟は国際連合と名を変え、より戦争抑止のための監視を強めることとなった。そして、その運営事務をになう事務局長には事務仕事をさせたら彼らの右に出る者は居ないとまで言われる日本人が任命されることとなった。

ここに世界を巻き込んだ大戦の嵐は一応の終結を見た。

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