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よく有る架空戦記 の様な物  作者: 猫湊
激動の欧亜大陸
22/41

賭けたらおぼれた

その砲声は世界最高の人口を抱える東亜大陸の大地を切り刻んだ。

よせば良いのに日本を挑発し、攻め込んだ報復を食らった。

それは日本の技術の総力を結集して作られていた。

日本はそれが普通だった。だが、この国は違った。

かつて眠れる獅子と呼ばれ中華思想とか言う厨二思考で周辺諸国を見下していたこの国は、東の海に浮かぶ島国を舐めてかかり、沿岸部を焦土に変えられた記憶を歴史の彼方にぶん投げて、共産主義とか言う人間には無理だろうことを掲げて、旧清国北部を制圧し、生まれた。

「主砲第60斉発用意。撃!。」

日本軍が誇る世界最大最強の戦艦大和。

その主砲が、光の矢を放ち、またも東亜大陸は切り刻まれた。

「質量光線砲次弾装填。主砲第61斉発用意。」

「主砲待て。特連艦隊から連絡だ。『馬鹿はおぼれさせてしまおう。』だ。あの国の主要艦は空を飛ぶ。その際に艦の喫水線に合わせて仮想水面という物を構築する。この仮想水面の下に仮想水中空間という物を生み出し、濃度を高めあたかも実際の水中で有るかのように思わせるらしい。俺も体験したがあれはまじでおぼれるぞ。」

「司令。また馬鹿やって、特連艦隊の手を煩わされたのですか。」

「賭に負けた。彼の国の主師しゅさとか言ったかあの7人組。彼らのうち銀色の髪した姉妹が居るだろ。あの二人のどちらが先に、細い台の上に乗った状態から落ちるかを特連艦隊の司令官と賭けてな。負けたら重濃度仮想水面下空間で1分間とか言うな。ちなみに水圧はないんだが、何せ、あの国の主要艦はでかい。北海道の平原で体験したんだが、着底していても、仮想水面がある喫水線までは数百mレベルだ。今回はそれを彼の国最大最強の戦艦を投入するらしいからな。」

呆れる副官。

「もしかして、現在マリアナ海溝に着底中の船ですか?」

「ああ。あそこの艦長代行が苦笑いしてたぞ。惑星最深の海溝に着底しているのに、視界は360度大パノラマの雲海だー。ってな。」

今度は苦笑い。副官というのも表情筋が辛い。


「大気圏内飛行第1戦速。両舷減速おもかーじ。」

[お疲れ様。]

「司令。仮想水展開予定地点まで後250マイル。展開予定濃度462.5です。ただ。仮想水など使わずとも蝕弾頭なら。」

[結構な文化財が多いんです。そりゃもう、中二病満開の馬鹿にはもったいないほど。蝕弾頭だと保護指定とか復元とかが面倒くさいですが、仮想水なら猿の死体を掃除するだけで済みますしね。」

この場にいる全員が納得する。ちなみにここで言う猿は人間のこと。

彼の世界では人間は寿命によって3種に分類される。寿命が10万年以上有る長命種。彼の世界ではほとんどがこれである。次に1000年以上10万年未満の中命種。最後が、200年程度の寿命の短命種。遥夢達かの国では短命種は薄毛の猿と呼ばれ蔑まれている。まあ、差別も止む無しなりゆうだらけなのだが。傲慢で、死の匂いが身近で、たいした知識蓄積もないくせして結果ばかり求めるのだ。さげすまれても仕方なかろう。

基本的に日本人と、百済人は長命種、中韓に住む者は短命種と認識されている。故に猿と呼んだのだ。

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