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よく有る架空戦記 の様な物  作者: 猫湊
激動の欧亜大陸
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ドイツって何奴だ?

43年10月大戦の二局構造が崩れた。ドイツ第三帝国アドルフ・ヒトラー総統が世界に向け宣言を行った。

「我々が望むのは我々を脅かす、共産主義勢力の打倒である。故にこうして軍事力を行使した。戦地となった場に住む者、有った国には戦後責任を持って賠償を行う予定である。」

と。

3帝5王と呼ばれる国々に率いられた連合国と枢軸国。そして共産勢力の三つどもえになっていく様相を呈していた。

史実はどうだか知らないがこの世界のヒトラーさん総統になった直後日本に来て、その発展した高層建築と伝統的な和風建築が融合したごった煮の美に見せられ戦後、隠遁生活時のインタビューで、

『かなうなら日本と同盟を結び共に共産勢力に立ち向かいたかった。しかし日本は既に敵と定めていた英国と同盟を結んでおり一度は諦めた。だが、私の思いに反して英国はひどく腹の白い国だった。云々…。』

と日本への思いを語り、英国に連合国側との講和を打診。三帝五王の8ヶ国は協議の結果、ロシア帝国のモスクワ、サンクト・ペテルブルク奪還の西からの援護、共産勢力の監視となーんかきな臭いシナイ半島への派兵+第二帝政時代の領域に落ち着くことなどを取り決め、講和条約に盛り込んだ。

ちなみに日本が出した条件は空母グラーフ・ツェッペリン級の日本での建造代行。金は要らない仕事が欲しい。それがこの頃の日本造船界の思いだった。むちゃくちゃな要求であればこそ燃える日本職人のお家芸。

彼の国からも仕事が来るのだが、特務連合艦隊の整備において、一隻当たり、駆逐艦でもオーバーホールとなれば大和型戦艦を、最強装備にして15隻は簡単にぽんと作れるだけの金を気前よく払ってくれる。ので、国内に金があふれて、逆に困っている状態だった。


「冬の北極海でも行動可能な船を作るのだ。」

対外的には丸くなったちょび髭閣下は、海軍に結構な無茶ぶりを噛ました。憧れの日本から来た船がなんとまあ冬に入った北極海を通ってきたのだ。不可能と言われた北極航路を既に民間レベルで実用化していた日本に深い憧憬と軽い絶望と嫉妬を覚えたちょび髭閣下は、こんな無茶ぶりを出したのだ。

しかも、やってきた船が開戦で帰国できなくなっていた自国の客船シャルンホルスト号だったことも閣下の心に火をつけた。


44年1月下旬キール軍港

彼の国の特連艦隊と日本の連合艦隊が、親善訪問をした。

訪問リストを貰っていた者達はリストの数と実数が合わないことに気づいた。

「レーダー君気づいたかね。あの二隻の空母。」

「はい閣下。おそらくは日本に。先日完成し開港のため神戸を出港したと連絡がありました。」

ちょび髭閣下と海軍長官レーダーの視線の先には真新しい空母が2隻。

[お初にお目にかかります。閣下。]

「む。其方は?」

2人の前に遥夢が現れる。

[ハルナ・リールシェル・ランゲルハンスと申します。ハルとお呼びください。本日はお預かりしておりました、二隻をお渡しに参りました。]

日本軍の主力空母、隼鷹級に似たアングルド・デッキを装備した大型艦。

「グラーフ・ツェッペリン。」

[はい。ペーター・シュトラッサーもです。現在横須賀と舞鶴で、3,4番艦の建造も着々と進んでおり6月頃には納入可能かと。]

「それは重畳。」

3人の見守る前で集まった観衆に二隻の異色空母が、ドイツの明日の防空をになう新鋭空母であることが明かされ、大歓声を巻き起こした。

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