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異世界無双血風録  作者: 大五郎
第17章 神竜編
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71 天使襲来Ⅱ

な、なんとかここまで出来ました。。。

天使達が白い翼をはためかせ飛び交っていた。

地上のジャングルでは数万のトカゲ人(リザードマン)達がキマイラや獣人達を押し止めようと必死に戦っていた。

だが上空からの天使達の攻撃で戦力を分断され浮き足だったところをキマイラ達の雷撃で焼かれ更に獣人達の牙や爪で引き裂かれていった。

地上戦力を援護する天使達の足留めにはなっていたがただそれだけだ。

いずれは潰滅して突破されるのは目に見えていた。

しかし白竜の里の手前の最終防衛ラインであるここを抜かれれば後は身を潜めるジャングルもなく易々と里に入られてしまうため退く訳にもいかなかった。

ジャングルの木々の間から空を舞う天使達に向け弩弓から矢が放たれるが届かず地上に近付いた天使が偶に射程に入る事はあったが軽くかわされるか火球(ファイアーボール)などの魔法で迎撃されるだけだった。

逆に射掛けたトカゲ人(リザードマン)達は位置を特定されて天使達に上空から一方的な攻撃を受け死んでいく。

それでも決死の覚悟でトカゲ人(リザードマン)達は戦い続けていた。

里には彼らの番の雌と幼生体が暮らしておりそれらを天使達に蹂躙される訳にはいかないのだ。

トカゲ人(リザードマン)達は多くの屍を積み重ねながらも退く事はなかった。


不意に猛烈な熱波が上空を走った。

厖大な熱量を放つ巨大な炎の槍(ファイヤーランス)が宙を駆け天使達数百体を纏めて呑み込み一瞬にして消し炭に変えていく。

そしてそれが放たれた方向から巨大な火の鳥(フェニックス)が猛スピードで突進してくる。

天使達は火の鳥(フェニックス)の乱入に虚を突かれたが直ぐに新たな敵と判断して大きく展開し包囲を始めた。

翼長百mを超える巨大な火の鳥(フェニックス)はそれを意に介した風もなく包囲の中心に飛び込んでいく。

回避が間に合わずその火の翼に触れた天使達が瞬時に燃え上がり叫び声を上げながら墜落していった。

しかし包囲が完成すると天使達は一斉に氷槍(アイスランス)を放った。

無数の氷の槍(アイスランス)火の鳥(フェニックス)に突き刺さりそしてあっさり蒸発して消えていいった。

火の鳥(フェニックス)は竜の吐息(ブレス)のように長く伸びる炎の舌を吐き出し包囲する天使達を焼き尽くしていく。

地上ではいきなり出現した火の鳥(フェニックス)に一瞬呆然としていたトカゲ人(リザードマン)達が天使達の攻撃が途絶えた機会を逃さず体勢を立て直しキマイラ達に反撃を開始していた。

果敢にキマイラに突撃し捨て身でキマイラに肉薄し槍を突き入れ曲刀で切り刻んでいく。

当然キマイラも雷撃を放ちその牙と爪で突撃してくるトカゲ人(リザードマン)達を斃していくがその数に圧倒され取り付かれていき一体又一体と斃されていった。

キマイラがいなければ獣人達はトカゲ人(リザードマン)の敵ではなく容易く打ち倒していき戦線を押し戻し始めていた。

このまま押し返せるかに見えたが突如巨大な氷の槍(アイスランス)火の鳥(フェニックス)に突き刺さり爆散した。

火の鳥(フェニックス)を構成していた炎は散り散りになり一部逃げ遅れた天使を巻き込みながらもその姿は消え去っていた。

そして火の鳥(フェニックス)がいた空域の中心には勇気の姿があった。

火の鳥(フェニックス)だけでケリがつけば楽だったんだが・・・」

勇気は巨大な氷の槍(アイスランス)を放った存在に目をやった。

そこには全長百mの巨大な天使がいた。

「真打の登場か」

「貴様は竜族の新たな眷属か?よくも大神様より預かった天使達の数を減らしてくれたな。その罪万死に値する!」

天使をそのまま大きくしただけに見える大天使が憎々し気にその端正な顔を歪めて勇気を睨みつけた。

「どいつもこいつも俺を竜の眷属扱いするなぁ。俺は竜の家来ではなく対等の協力者なんだが」

「抜かせ!なんであろうと同じ事だ!死ね!」

大天使は勇気の身長よりも巨大な光槍(ライトジャベリン)を放った。

勇気は魔力力場でそれを受け止めそのまま撃ち返した。

しかし光槍(ライトジャベリン)は大天使に命中する前にその身体を包んだ淡い光の膜に触れ霧散する。

「巨神が使っていたのと同じタイプのバリアか。但し魔力消費が多過ぎて巨神のように常時展開は出来ないようだな。なら・・・」

勇気を支えもなく宙に浮かべている魔力光が変化し炎の渦になっていく。

そして炎の渦は周囲に広がり数を減らしながらも包囲を続けていた天使達を呑み込み焼き尽くしていく。

包囲網全てを呑み込んでいく厖大な炎の渦に天使達は逃げ惑い数体は大天使の側に逃げ込んでいく。

大天使は再びバリアを展開し迫ってくる百mクラスの巨体すら覆い尽くす厖大な炎の渦を弾いていく。

炎の渦ファイヤーボルテックス。バリアを支える魔力がいつまで持つかな?」

「き、貴様!」

周囲の天使を全て焼き尽くした炎の渦は大天使に集中していき包み込み続けていく。

大天使はバリアの維持で精一杯で手も足も出せない。

やがて魔力が枯渇してきたのか苦し気な表情を浮かべていく。

「降伏しないか?命だけは助けてやるぞ?」

余裕の表情を浮かべている勇気が誘い掛けた。

「クッ・・・、誰が竜の眷属などにひれ伏すものか・・・」

「竜の眷属じゃないって言うのに。まあそれはいいか」

唐突に大天使の周囲の炎の渦ファイヤーボルテックスが消え去った。

「な、なんだと?グハッ!!」

いきなりの事に呆然とした大天使の横腹に細い光槍(ライトジャベリン)が突き刺さっていた。

先程大天使の側に逃げ込んできた内の一体が放ったのだ。

「何をする!」

大天使はその一体を払い除ける。

その天使は巨大な大天使の腕に叩かれ潰され弾けて臓腑を撒き散らしながら落下していく。

「な、何が・・・」

「そいつは前に戦って捕え洗脳して使い魔にしておいた天使だ。お前の指揮下ではなかったがお前達の侵攻が始まったと聞いた時点で呼び寄せておいた。お前達がトカゲ人(リザードマン)達に足留めされていたお蔭で間に合ったので紛れ込ませておいた」

「何故・・・、そんな手間を・・・」

「こちらにも色々と都合があるのさ。雷撃雨(サンダー・シャワー)

無数の電撃が放たれ大天使とその周囲で生き残っていた天使達に浴びせられる。

一本一本の威力が弱いのか焼き焦げる事はなかったが大天使も天使達も痺れて墜落していった。

地上ではトカゲ人(リザードマン)達の捨て身の攻撃でキマイラが次々と討ち取られていき大天使の墜落を見た獣人達が恐慌に駆られ潰走を始めていた。

トカゲ人(リザードマン)達は勝ち鬨をあげキマイラの殲滅が済むと追撃に移っていく。

「未来においてトカゲ人(リザードマン)を虐殺し支配者の座から追いやった俺が過去において助ける事になろうとは皮肉なものだ」

勇気はその様子を見下ろしながら一人呟いた。













続けばいいですねぇ・・・。

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