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第五幕 哲学の世界

No.77

 薄暗い室内。舞台の床には絨毯が敷いてある。舞台中央には、来客用の豪華なソファーが二脚とその間に、細長いテーブルが置いてある。舞台下手には、大きな机と椅子が置いてある。机の上には、積み上げられた書物と、書きかけの原稿やペンなどが乱雑に置いてある。これらの家具は、客席から、左斜めになるように配置してある。

 舞台下手奥に、丸い小さなテーブルがあり、その上には、四角い箱が置いてある。そして、舞台奥の三分の二ほどを、大きな本棚が占めている。この本棚の高さは四mほどである。

 その本棚の隣に、首の無い大男が立っている。身長が三mほどで、豪華に着飾っている。舞台上手の客席側に、大人しそうな猫がいる。

 舞台上手、下手奥、舞台奥の本棚の左隣、それぞれの壁にドアがある。


女の子 (上手のドアを開けて、室内に入って来る)

 おじゃまします。

 (左側を見る)

 猫が居る。何か普通の猫っぽいな。

 (猫に向かって歩いて行く。しゃがみ、猫を撫でる)

 よしよし。

部屋の猫 (女の子に顔を擦り付ける)

女の子 (猫の首を触る)

 大人しい猫。あの猫は何処に行ったのかな。

大男 (本棚の左側に隠れたまま)

 先程来た猫は、本当の魂を取り戻し、その様な、本当の猫に成った。

女の子 これが、彼なの?

大男 そうだ。その猫は、私に魂を望み、私はその猫に魂を与えたのだ。

女の子 (部屋の猫に向かって)

 そうなの?

大男 そうだ。そして、この部屋を訪ねて来た、お前は、私に何を望むのだ。

女の子 (立ち上がる。大きな本棚の方に歩く)

 大きい本棚。難しそうな本が沢山並んでいる。

 (一冊手に取り)

 古臭い本。高いのかな。

 (本をパラパラとめくる)

 字がわからない。

 (本を本棚に戻す。本棚の左側を見て)

 そこに、誰か居るんでしょう?

大男 (本棚の影から、前に出てくる)

 お前の望む事は、何か?

女の子 わ、首がない。しかも大きい……。

大男 珍しいか。私は訳があって頭部が無い。訳があって身体が巨大なのだ。

女の子 ふーん。何で?

大男 巨大な身体は、力を発揮する為。頭部が無いのは、考えない為。命令を下さない為。

女の子 それじゃあ、どうやって生きることができるの? 頭がないんじゃあねぇ。

大男 ただ、私はあらゆる約束の基に在る。私と契約した、如何なる者も、その望みを叶えられなかった事は無い。

女の子 そして、それは、また相手も同様に何かを支払わなくてはいけないのでしょう?

大男 もちろん。そうだ。

女の子 私は、別にあなたに対して望むことはないの。ただ、ここに居る猫は、私と一緒に旅をして来た猫ではないから。彼が何処に行ったのか教えて欲しいだけです。

大男 では、それがお前の望みであると言う事なんだな。

女の子 もし、そうだと言ったら?

大男 うむ。もしそれが望みなら、私がそれを伝える代わりに、この部屋から出て行ってもらう。そして、本の場所に戻るがいい。

女の子 やっぱり、この猫は、彼ではないのね。ふーん。

 (部屋の猫に向かって)

 嘘をつく人なのかな。

大男 その猫は、先程来た猫だ。私は、その猫に生を与えてやった。あの猫は作り物であるが故に。本当の生物でない限り、生きる事は出来ないであろう。

女の子 彼は、そんなことを言うかしら?

大男 言ったとも。その彼は、猫らしい生き方を望んだのだ。人間の様な思考をする生き方や、長い旅行に出る様な生き方で無く。

女の子 本当に?

大男 そうだ。私は、その猫との契約の通りに従ったのだ。

女の子 それで、あなたは、彼に何をもらったの?

大男 うむ。この部屋に住む猫として、何処にも向かわないで此処に在り続ける存在として在る事を、約束した。

女の子 う~ん。本当かなぁ。

 (歩いて、中央上手側のソファーに座る)

 座っていい? って聞くと、それも望んだことになるのかな?

大男 まさか。そこまで小さな事には、こだわるつもりは無い。そして、無理に望みを持つ必要は無いのだ。

部屋の猫 (歩いて行って、女の子の隣に座る)

女の子 (猫を撫でる)

 う~ん。どうもこの猫は違う気がする。一体何匹の猫が此処に来たの?

大男 まあ、沢山だな。何しろ私には、頭脳が無い為、記憶力を持たないのだ。

女の子 良いことも悪いことも、忘れられる。確かなことも不安なことも、あの時の感情も、全ての出会いも、忘れたことにしてしまえる。

 頭脳が無いくらいで、全てを忘れてしまえるものなのかしら。そしたら、何故、心は在るの? 何故、この世界は在ると言えるの? 何故、心の無い所に、約束が在る事ができるの?

 本当のことは、何時まででも、覚えていられる。本当の約束は、絶対に、心から消えることはない。

 あなたは、頭がない振りをして、本当は、表情を見せたくはないんじゃないの? 全てを忘れている、ポーズを誰かに、見せ続けたいのではないの?

大男 本当に、忘れたのだ。私にも昔は頭脳が在った。それを、何処かに忘れてしまったのだ。私は、この部屋で、私の理想とする、空間に出会った。

 私は、書物を読みきかされる。私は、何かを覚えていたことを、思い出す。ただ、それが、何処から来た、何なのかは、解からないのだ。

 私は、心ではなく、ただ、言葉だけを信じる。私が、全てを忘れても、言葉だけは、全てが記憶される。言葉だけが、約束が存在していたことを、証明している。

 必要なのは、体の一部でも、存在の、奥の理でもなく、ただ、その様なものが、その様に在ったと証明する、記号だけだ。

 それ以外、私には、見ることができない。

女の子 そのように組み立てられた、言葉だけが、言葉ではないはずなのに。

 (立ち上がって、客席を向く)


     言葉は、

     何かと誰かの為の、

     取引や、

     契約の為に、

     使われることだけの為に、

     使われる物ではない。


     心とは、

     誰かや、

     何かの為に、

     使われる為に、

     誰かの住み家にする為に、

     在るのではない。


     感情は、

     その人が、

     使う為に、

     適切な時に、

     その場所で、

     使われる為にある。

     その感情に、

     言葉を乗せることが、

     出来たなら、

     心も、

     そのことを、

     きっと、

     言葉と共に、

     その、

     在るべき運命を、

     永遠に、

     記憶することができる。


     心を軽視する、

     記号の世界の住人たち。

     何かを組み立てて、

     倉庫のように、

     心に、

     言葉を、

     勝手に解釈した出来事を

     放置する。

     全てを、

     放り投げたように、

     様々な物が、

     あの場所には、

     転がっていた。


     私を、

     落ちつかせる心、

     その在り方が、

     かつて、在った。


     心は、

     心で生きている。

     それは、

     ばらばらになった、

     壊れていく存在を、

     落ちつかせ、

     つなぎ合わせるため、

     自身を、

     削りながら、

     互いを結び合わせていく。


     (大男に向かって)


     あなたは、

     あなたの顔を、

     頭脳を、

     繋ぎ合わせることができなかった。


     少し、

     思い出してほしいの。

     まだ小さかった頃、

     たくさんの場所に、

     出かけることができた。

     まだ、知らなかった頃、

     たくさんの物と、

     会話することができた。

     まだ、失わなかった頃、

     たくさんの喜びを、

     素直に、受け取ることができた。


     旅に出た時、

     一つの目的が在った。

     たぶん、

     あなたは、

     一つ一つ、

     失っていった。

     また、

     手放さざるをえなかった。

     あなたは、

     何一つ受け取らなかった。

     そして、

     その代りに、

     何かを、

     受け取らざるをえなくなった。


     心を、

     変えざるをえなかった。

     知らない人々の住む、

     知らない土地の、

     理解できない、

     苦しみと、法を、

     喜ばなければ、

     ならなくなった。


     心と共に、

     身体も、

     変わらざるをえなかった。

     何かを忘れるため、

     記憶を失い、

     何かを畏れたため、

     表情を失い、

     何かから、隠れるため、

     この部屋に逃げ込んだ。

     そして、

     何かに対するため、

     必要以上に、言葉を身に付けた。


     今は、

     苦しみは、

     訪ねては来ないでしょう。

     ただ、

     何時までも、

     この部屋には、

     いられないのでは、ないの?


     この部屋には、

     もう、

     いろいろな人が、

     来て、

     そして、

     これからも、

     たくさんの人達が来ることになると思う。

     その時に、

     あなたは、

     また、

     あの、

     旅の記憶が、

     訪れるはず。

     忘れた、

     過去が、

     蘇ってしまう。

     何時までも、

     この部屋の、

     番人をしていられることはないでしょう。


     約束や、

     契約。

     それ以前のこと。

     まだ、

     はっきりとした、

     形にならないもの、

     あやふやな、

     限定されず、

     まだ、

     あなたにも、

     見出されていないものがあるはずです。


     あなたはわかっていた。

     誰かが、

     訪ねてくることを。

     あの猫は、

     あなたの部屋に住みつくような猫ではなく、

     もっと広い所を求めていたことを。

     そして、

     言葉による契約ではない、

     ただ、

     あの、

     ただ一つの、

     自分の魂を求めて、

     歩いている。

     彼は、

     そして、

     彼の魂は、

     この、

     古い本に囲まれた、

     部屋には居ない。


     この先の、

     何処かで、

     まだ、

     追い求めているはずです。


     (間があり、客席に向き直り)


     私は知りたかった。

     もっと、

     色々な、できごと、

     心における、

     様々な出会いと、

     あの、

     ただ一つの感情の流れを。


     私の旅はもうすぐ終わり、

     私は、

     生きる世界に、

     戻らなくてはならない。

     私の猫の魂。

     そして、

     私の旅は、

     この先まで、は続いている。

     私は、

     ここで引き返すつもりはない。

     私だって、

     怖かった。

     でも、

     その感情を避け、

     何かを失う必要はなかった。

     その時、

     その状況で、

     何かを、

     変えていく事が出来た。

     唯一のもの、

     それは、

     やはり、今、此処に在る。

     あなたは、

     失う事で、

     何かを忘れてしまった。


     思い出して。

     そして、

     もう、

     絶対に、

     離さずに、忘れないで欲しい。

     何かを、

     失う事は、

     とても、

     とても、

     悲しく思えるから。


大男 (間があり、机の方に向って歩く。女の子の方に向き)


    私は、

    何を思い出せばいいのか、

    それすら、判らない。

    此処で、

    こうやって、

    あなたと、

    向かい合っている今、この時でさえ、

    私は、

    留めて置く事さえ出来ない。


    私の過去の旅、

    もう、

    思い出せないくらいの、

    昔の記憶。

    私は、

    かつては、旅人であった。

    様々な土地へ出かけ、

    様々な人々。建物、書物、

    そして、法と出会い、

    会話をし、

    そして、

    その場所を離れて行った。


    それらの場所に、

    私の求めるものは無かった。

    だが、

    私は、

    何を求めていたのだろう。

    私は、

    全てを見て来た。

    そして、

    何かを知る為、

    私は、

    私の身体の一部を捧げて来た。

    

    (辺りを見回す動作をして)


    私は、

    此処で、

    その何かを、

    言わなければならないようだ。


 (机の前に行き)

 この、机の上に、私について、あの予言者が、何時だったか書き付けた物がある。まだ、この部屋に来て間もない頃の事だ。

 その時に、私は、あの人物と約束したのだ。私は、私の秘密を話してはならないと。そして、私は、その為に此処から出る事が出来なくなった。

 私は、私を忘れたかった。私は、私を忘れる手法を、彼から教わったのだ。私はもう思い出したくは無い、あれらの記憶を。

 私は、何も知りたくは無かったし、見たくも無かった。何も求めては来なかったし、何も欲しなかったのだ。

 私は、今でも、感情だけ、心だけで、それを追体験する。まだ、完全ではないからだ。

 私は、一言も、話したくは無い。ただ、あなたが望むなら、その、机の何処かに、私の過去に関する記述が在るであろう。

 私には、目が無く、もはや探せない。あなたには、まだ、諸々の事が生きている。好きにするがいい。


 大男、元の場所に戻る。


女の子 (机まで歩いて、椅子に座る。机の上を見て、溜息をつく)

 う~ん。

 (溜息をつく)

 何だか色々な物があるなぁ。書きかけの物が、沢山ある。

 (一枚手に取り、読み上げる)

 「新しい人間について」

 なになに、新しい人は、まだ囚われたままでいる。この人物は、長い間、死者の国に、繋がれたまま、出られないでいる。我々の誰が、この人物無しで、この世界を肯定することができるだろうか? 否、この人物無しで、この世界を、世界たらしめる者などは、いないのだ。云々。

 ふーん。誰かを探しているのかな。

 (また、一枚取り、読み上げる)

 「理想について」

 なになに、理想は、外部に在るものだ。捉えて、追いかけて、捕まえなくてはならない。逃げ足の速い理想は特に。それらは、勝手に動き回り、気まぐれに訪れ、去って行くからだ。我々は、必ず、理想を持たなければならない、或る物だ。云々。

 (また、一枚取り、読み上げる)

 「精神について」

 なになに、精神とは、その世界の事だ。これが無くては、何物も、何事も、唯の形骸に過ぎない。精神は、あの場所から遣って来て、その存在に留まり、また、何かを得る為、あの場所へ行く。その場所とは、あの世界、全ての人間が、求めて、けして辿り着く事の出来なかった世界。あの、作り物の世界。云々。

 (後ろを振り返り)

 こんなのばっかなの? 何かもっと他に、人を楽しませる様な、読み物はないのかな?

大男 あの人物の描く物は、その様な物だけだ。それらも、まだ書き掛けで、どの様な結末にも至ってはいない。

女の子 何で? 預言者なのに、どんな先のことも予言できるんじゃないの?

大男 どんな先の事も? どうだろうな。私は尋ねた事も無いが。気になるなら、訪ねてみるがいい。隣の部屋に、まだ居ることだろう。

女の子 もう、あの部屋には、戻らない。

 あの人は、語り口は、好きじゃないから。

 (また、机の上を探し、一冊の本を見つける。それを、捲っている。間があり)

 あっ……。

大男 おそらく、それであろう。

女の子 (無言で、本を読んでいる)


 間があり、照明が落ちていく。大男にスポットライトが当たる。


大男 (一歩前に進み)

 おそらく、なにも言えないであろう。おそらく、語る事が出来ない事柄が在るのを、悟るであろう。我々が、如何に、この様にあり続けるかを、知る事になるだろう。そして、その事により、沢山の物を、また多くの記憶を失うであろう。

 そうだ。記憶、過去は、忘れるのではなく、失うのだ。文字通り、失くしてしまうのだ。もう二度と、思い出す事さえ出来ない。あの場所へ、向かって行ってしまう。

 死んだ物は、蘇る事は無いのだ。心と言っても、その様な物で在るからだ。頭脳の無い事こそ、幸いで在るのだ。そして、文字で書かれた約束だけが残る。


 スポットライト消え、女の子に当たる。


女の子 (本を持って、立ち上がる。客席に向かって)

 ここに、あの、大男のことが書いてあります。何処から来たのか、どうして旅に出たのか。どの様な国々へ行き、そして、どの様な人々と話をしてきたのか。そして、その旅の中で、何を知り、何を失ったのか。そして、どの様にこの部屋に辿り着き、そして、また、様々な人との約束をかわし、そして、そして、

 どの様に死んでしまうかが……。

 私たちのことが少し、記述してありました。私は、この私たちの物語を最後まで、見てもらうため、ここでこの内容を言うことは、できません。ただ、これは、本当のことなの? 本当に、本当に、本当に、この様になるの? こんなことってあっていいの……。

 私は、何も知らなかった。本当に何も知らずにいた。もし、生きることが、何かを求めることが、この様な結末に終わるなら、誰も、何かを欲したり、求めたり、しなくなるでしょう。私は、私の求めるものを、そして、この旅の目的を、そして私自身を信じている。今は、この先に向かうことだけを考えている。

 (本を閉じ、机に置く)


 スポットライト消え、照明元に戻る。


大男 君は、何かを知ってしまった様だ。もう、好きにするがいい。この先に、行くも、戻るも、勝手にするがいい。猫は、

 (下手奥にある、箱を指差し)

 この箱の中に、閉じ込めておいた。

女の子 (歩いて行って、箱を持ち上げる。箱の中に猫は居ない)

 猫は、居ない。私は、知っていました。彼は、向こうの空間に居る。そして、そして……。

 (溜息をつく)

 悲しい。とても悲しいの。

大男 それなら、

 (下手のドアを指し)

 向こうの部屋に行くといい。君の求める物も、そこには在るはずだ。猫は居ないがね。

女の子 (涙ぐんで)

 それも、よくわかっている……。

 わかってる……。

 もう、何も言わないで、何も。

 (歩いて、下手奥のドアを開けようとする)

大男 待った。傘と、骨を忘れている。

 (ソファーに向かって歩く)

女の子 (そのまま立っている)

大男 (傘と髑髏を手に取り、歩いて行って、女の子に手渡す)

 元気で。

女の子 (受け取って)

 あなたは、見えているのに、見えないふりをする。私は、あなたのことなんて、認めないし、一生好きになれない。

 でも、あなたには、頭は必要だと思う。見栄えがいいから。

 これは、

 (大男に髑髏を渡す)

大男 (受け取る)

女の子 合わないかもしれないけど……。

 でも、あなたにあげます。色々と教えてもらったから。

 (ドアを開け、中に入る。退場)

大男 (両手で髑髏を持ったまま、客席の方に向かって歩く)

 皆さんは、全ての事が書いてある様な、書物、読んでみたいだろうか? 皆さんも、一度は、考え、その様な書物の事を、空想した事があると思われる。

 そして、これは、現に目の前に在り、常に読む事の出来る或る物だ。

 ただ、とてもとても長い。そして、大抵の人間は、記号を読む事が出来ない。この書物には、独特の、読み方がある。

 読んでみたい人間は、自分で読んでみるがよいだろう。また、読み方の解からないという人物は、自分の力で、この場所まで、歩いて来てみる事だ。私が、その人物の人生と引き換えに、それを、その本を、紹介するだろう。

 しかし、人生なんて、何が起こるか判らないから、いいのではないか、と考える人間には、勧めるつもりは無い。そんな人間が約束を守れるとも思われない。

 (間)

 ……感情。有れば有ったで、煩わしいが、無いのは無いで、困ったものだ。


 幕が閉まる。




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