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月は恐怖を覚える赤で
兄が行ってしまってから、
女の子は暇でした。
時折窓から月を眺めます。
眺めるたびにだんだんと、
月は赤みを増しているような気がします。
初めは綺麗だと思っていたのですが、
今では見ていて恐ろしい。
血の様な色になっていたのです。
女の子が目を見開かせて、
赤黒い月を見ていると、
甲高い声が聞こえました。
「今こそ、復讐の時ぞ!」
その声は女の子の父、王の部屋から聞こえました。
その部屋は、自分と母しか、
女の人は入れないはずです。
女の子は不思議に思って、
王の部屋へと向かいました。




