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キドアイラク  作者: 虚虎 冬
プロローグ
3/26

月は恐怖を覚える赤で

 兄が行ってしまってから、

 女の子は暇でした。


 時折窓から月を眺めます。

 眺めるたびにだんだんと、

 月は赤みを増しているような気がします。

 初めは綺麗だと思っていたのですが、

 今では見ていて恐ろしい。

 血の様な色になっていたのです。


 女の子が目を見開かせて、

 赤黒い月を見ていると、

 甲高い声が聞こえました。

「今こそ、復讐の時ぞ!」

 その声は女の子の父、王の部屋から聞こえました。

 その部屋は、自分と母しか、

 女の人は入れないはずです。

 女の子は不思議に思って、

 王の部屋へと向かいました。

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