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キドアイラク  作者: 虚虎 冬
プロローグ
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1/26

魔女は憎しみを持って

 夜。

 一人の女が静かに佇み、

 ある一点を見つめています。

「やっと、この時が来たか…」

 魔女が見つめるのは城。

 大きくて立派な、

 水晶でできた城です。

 城ではパーティでもしているのでしょうか。

 明りがともり、

 たくさんの人が舞い踊っています。

「この城も、もうすぐ私のもの…

 月が赤く満ちた時、それがお前の死期となる…

 覚悟しておけよ、王」

 魔女は、城の者たちに聞かれぬよう、

 声を潜めて嗤うのでした。

 魔女を見ていたのは、

 ぼんやりと光る月だけでした。

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