女達の導火線
「いらっしゃいませ」ホスト
「うん。慶太いる?指名で!」
やって来たのは、佐藤。
(うわっ・・タイミング悪っ・・・やばいかな?)店長金山
席に着いて岩永を待つ佐藤
(田代さんか・・・)田代に気づく佐藤
(んっ?佐藤か・・・ニヤッ・・・)田代
「ねえ~慶太、今日アフター行こうかぁ~」
田代、佐藤に聞こえるように
「えっ!・・今日・・は・・もう、先客が・・」
岩永(山本待たしてるしな)
「何よ、勝ちたくないの?仕事でしょ?アフターも!」田代
(うん。ここが、ホストの見せ場だよ。岩永)金山
「チュッ!」
(んぐっ!!キスしやがった!田代さんに!!)佐藤
(うおっ!彼女の前で・・・そりゃ伸びるわ、ホストでも)店長金山
「・・今日は、先客だから。ごめんなさい。
明日、同伴しよっ・・駄目?」岩永
「ふふふ・・いいよ。かわいいなあ・・。
じゃあ、今日はもう、帰ろうかな。」田代
「本日780万円です。」ホスト
(なっなっ・・ななひゃくはちじゅーまん!!
どんだけ使ってんだ!けーちゃんに)佐藤
「じゃあ、私も今日は帰るわ。いくら?」新宿の女帝小林
(あっ!新宿の女帝・・・すごいな、ここの客層)佐藤
「本日、820万円です。」ホスト
(うわ~・・なんか、私、すっごい小物に思えてきた・・)佐藤
田代が、帰りすがり、佐藤に近寄り、(送るのは、岩永)
「あらっこんばんわ・・まだ、お若いから、あんまり、いいお酒の
味が、わからないのかしらね・・・ほほほほほ」田代
そこそこ高いお酒入れてるが、10万20万のレベル。
ついでに、やはり、六本木の女帝と気づいた小林が、帰り際
「ここじゃあお金持ってる人が、一番えらいからね。ほほほほ」小林
(・・くっそ~。くそっ!くそっ!田代に小林め!!
貧乏って、言いたいんだろ?なめんなっ!なめんなよ!)佐藤
(うぷぷぷぷ・・もう笑いが止まらない・・・
これで佐藤先輩も参加すれば、売り上げがハンパねえぞ)守銭奴金山
やっと、佐藤の席に着いた岩永
「きょーちゃん。ありがと来てくれて」岩永
「うん。・・・こないだ、ごめんね。
仕事が、忙しくって、ちょっと、機嫌悪かったんだ。」佐藤
テーブルの下、岩永の手を握る佐藤
「うん。・・・俺も、ごめん、さっきも・・・田代さんに・・」岩永
「うん。ちょっと・・・・・・・・
てか・・・・・・・・・・・・・・・
すごく嫌・・・・・・・・・っ!」佐藤
「ごめん・・・ああでも、しないと・・・」岩永
「うん・・・・」佐藤、岩永の手を強く握る
「ねぇ・・きょーちゃん。お仕事どう?」岩永
「うん。忙しいけど、順調。もうちょっと、したら
また、打ち合わせで、帰るのは、少し遅くなると、思う。」佐藤
「・・・ねぇ・・きょーちゃん・・・・」岩永
「・・んっ?どした?」佐藤
周りに誰も見てないのを確認して
「チュっ!」
「・・・・」岩永
「・・・・」佐藤
(いやっ・・・見てたよ俺・・。見てるこっちが、ハズいわ・・・)金山
「でも、すごいお金使うね田代さんと、小林さん」佐藤
(う~ん・・・まずいな・・・どう説明するかな・・)岩永
「いらっしゃいませ。佐藤先輩」助けに入る金山
「おお!金山か、久しぶりだな」佐藤
「実は・・・」詳しく説明する金山
「じゃあ・・負ければ、辞めるんだ、けーちゃん?」佐藤
「うん・・でも、絶対負けたくない!」岩永
(う~ん・・・・困った・・・辞めさせたいけど・・・けーちゃんには、
何でも、一度も、負けて欲しくない・・・
田代さんと、小林さんの代理戦争か・・
私じゃあ、絶対まだ、勝てないしな・・・)佐藤
(参加せずか・・・
だが、田代ねーさんと、佐藤先輩が、岩永に付けば圧勝)金山
「とりあえず、私は保留だな・・どっちがいいか、わからない。」佐藤
(でも・・勝てば・・俺・・田代さんと・・・)岩永
「・・・ねぇ・・・」岩永
「んっ?何?」佐藤
岩永が、耳元でささやく
「・・・・・・・・しよっ」岩永(今日帰ったら、Hしよっ)
「ふふ・・・・。」佐藤
なんだかんだで、上機嫌で、帰って行く佐藤
「岩永、お前天性だな・・ホスト・・・」金山店長
「あれっ?そう?別に意識してないけど・・・」岩永
(素か・・・俺には、恥ずかしくてできねえもん・・
マジで、ホスト向いてるよ。天才って、いるんだな。
そりゃ~東京ナンパ四皇のラスボスって、言われるわ・・)金山
「じゃあ、今日は、もう上がります店長。」岩永
「おおっお疲れ様。体調の管理だけは、しっかりしとけよ」金山
(おかしなもんだな・・・遥か、格上の男なのに・・・)
店を出て、電話をする、岩永
「もしもし~今どこ?・・うん・・うん・・
じゃあ・・そこまで、行くから」
(ちょっと、遅くなったな・・よし、ここはホストっぽく・・)岩永
ポツンと、待つ山本。知らない街なんで、どこか、不安で、
なぜか、せつない。
(どっちから、来るんだっけ?けーさん・・・もうわかんないや)山本
「バッ!」 っと、山本の目の前に花束
「遅れました。慶太ですっ」岩永
「わははは・・・・うれしい。ありがとけーさん」山本
「いこうか?焼肉でも、行っちゃう?」岩永
「おおー!焼肉!高いの!高いの~!!」山本
遅くまで、やってる、高級焼肉店
「やっぱ、よくみると、ガキだな。」岩永
「うん。私も、今日よくわかったよ・・・お店行って。
やっぱ、中2のガキだ・・・
でも、けーさん17なのに大人だよね」山本
「いやっ、ガキだよ。やっぱり、きょーちゃんとか、田代・・
知らないか・・田代さん・・」岩永
「ん?田代さんって、聞いた事はあるよ。
なんか、女帝なんでしょ東京の?」山本
「うん。女の人で、今トップが、田代さん。
それで、そのあとに、新宿の人とか、池袋の人とか
そのあとに、きょーちゃんとかかな・・」岩永
「やっぱ、すごいんだ・・京子さんも・・」山本
「ん?ああ。俺が、ここまでこれたのも、
ほとんど、きょーちゃんのおかげだし
やっぱり、喧嘩が、強いだけじゃ、どうにもならないよ。」岩永
「・・・ねえ・・けーさんっ・・
私は、どこへ、向かっていけばいいんだろ?
毎日、喧嘩ばっかりで・・
毎日、けーさんや、お兄さん達に助けてもらって・・」山本
「うん。・・・まだ、好きな事してれば、いいんじゃない。
別に、25~6位まで不良してても、いいし。
それから、したい事や、やりたい仕事が、見つかったらやればいいし。
悪の道に引きずり込んだ俺も悪いけどな・・・」岩永
「いやっ・・めっちゃ助けてもらってばかり。出会ってないと、
もっとグレてるか、体売って、生活してたと思うし・・」山本
「・・・じゃあ。咲き乱れろ!悪の華を!」岩永
「ど・・どういう意味?けーさん」山本
「・・いずれ・・俺や、菅原、片岡は、引退していく。
これはもう、時間の問題だ・・
最初から、別に野望もなかったし。もう満足してるし。
オマケに、東京四大派閥ってまで、言われて、勝手に押し上げられて
もう、ろくに、喧嘩もできない状態。最後唯一かまってくれるのは、
新宿のキムぐらい。菅原達もそれが、わかってるから、
ナイフを完全に、潰さないんだよ・・・
新宿潰したら、もう、終わり。引退。
必然的に、俺も、引退・・・だが。俺には、使命がある。
あの場所を、守りきる事・・・」岩永
「・・・あの場所?」山本
「ああ・・いつも、溜まってる、あの渋谷の場所。
あれは、石川さんから、譲ってもらった、利権の一部だし。
昔からの、その時代、時代の悪のたまり場なんだ・・・」
「もしかして・・・ひとみさんって人の時代も?」山本
「ああ・・ずっと、あそこで、たむろして、バカ騒ぎしてた。」岩永
「あっ・・・そういえば、見た事あったな、あそこで・・・」山本
「うん。目立ってたからね、渋谷爆撃・・」岩永
「そっか・・・いつの時代も、あそこに集まるんだ・・」山本
「ああ・・・だから、あきなには、俺達が、引退した後も、
ずっと、あそこを守って欲しい。
嫌なんだ・・・いい思い出が、変な奴に取られるの・・・
今も、これからも・・・」岩永
「うんっ。私も、嫌。
いずれ、違う不良グループのたまり場になるなんて・・」山本
しばらく沈黙の二人・・・
「六本木も思い出あるけど、
やっぱ、あきなが、加わったあとのJACKの方が
ずっと楽しいしな。やっぱ、あの場所に行くと、誰かいるってのが
本当ホッとするし。仲間っていいなって思うよ。」岩永
もう、泣いてる山本。声を押し殺し号泣
色々な思いが、こみ上げる。
「本当に、けーさんと、出会えて良かった・・・
でも、あの爆撃戦争の事が、
複雑すぎて、どうしていいか・・・・」山本
「うん。今まで、してきてもらったんだから、
いずれ、向こうが、頼ってきたら
一生懸命してあげればいいじゃない。してもらった分はね・・」岩永
「うん。・・・」山本まだ、もやもやしてるが・・
岩永の言葉で、すべて、吹っ切れる
「どうせ悪なら、極悪に。
極悪の華、狂い咲かせてやれ!」岩永
「・・・・・・はいっ。」山本
「食えっ!こげる。お前もう、エリートなんだから、悪の・・」岩永
「そうだね・・中2でプレジェイの幹部だもん。」山本
「ああ。外道だ。」岩永
「ああ。外道だ。」山本
いやっ、更正の道も、ありますが・・・・更正!
「あっ!隠してたけど、私、新宿の藤原の妹です。」山本
「えええ!!!知らなかった・・・それでか・・・」岩永
「言わないでね、けーさん。内緒だよ。」山本
「うん。わかった。」岩永
「じゃあ、次、けーさん。」山本
「えっ?何が?何?」岩永
「人に言えないような、隠してる事いいなよっ!
こっちも言ったんだからさ~」山本
「えええ・・・マジ?」岩永
「マジ。」山本
「えっと・・・あの・・・」岩永
あれだけは、言っちゃだめだよ、刺青の件
「早くいいなよ。超弩級の奴を。」山本
「え~・・・っと・・・じゃぁ・・・こないだ~」岩永
「こないだ~?」山本
「やっぱ。無理だー!!すいませーん、お勘定してくださーい」岩永
「うわ~逃げた。わはははは」山本
少し、ぶらついて、帰る二人。
岩永の腕に絡み付いてる山本
「・・・・なにしてんの?」岩永
「いいじゃん。今日位。知らない街だし。」山本
「見られたら、大変だよ・・・」岩永
「意外に、びびりだな。うちの大将は・・・」山本
タクシーに乗り込み、恵比寿のマンションで、岩永が降りる。
離れて行く・・・繋いだ手。
「・・・・・」岩永
「・・・・・」山本
「・・ほれっタクシー代。また明日なぁ~」岩永
「う・・ん。ありがと。また、ご飯連れてってね。」山本
(もう、帰ってるかな?なんだか緊張するな・・プチ浮気したしな・・
今日帰ったら、しようって、言ってるしな・・・・・・)岩永
「ガチャ」
「ただい・・・んっ!」岩永
「いやっ、きょーちゃん・・・いや・・・・・ん・・・・・ん!?」岩永
ありゃりゃ・・・玄関で・・・
就寝前の二人
「ねえ、私も、一緒の刺青入れたい。」佐藤
「うん♪待ってました。明日行こう。」岩永
「ふふふ・・・でも、小さくね。痛そうだから」佐藤
翌日 若井の所へ
「お願いします。若井さん。」岩永
「うん。了解。ここに、こんな感じでだね。」若井
「ねぇ・・恐いから、けーちゃんいて。」佐藤
「うん。いるよ。」岩永
(ずっと・・・一緒に・・・あなたと・・・)岩永
六本木は、少し変化が・・・
片岡、菅原の提案で、六本木に二つあったプレジェイを統合
さらに、六本木マッドストリートホープスも合流
六本木はプレジェイ系大団結。 楠木のレーザーを除いて。
新チーム JACK STREET HOPES 誕生
なんか、すっげ~しっくり来た名前なんで、みんな賛成
ほらっ来た・・・池袋の・・・
うわー・・・粉砕した・・・ジャックストリートホープス・・・
椎名さんだね・・こないだやられた仕返しだな・・
困ったな・・・また、大荒れだ・・・だが、淘汰されてきたな
残るは、ディープに、爆撃、レーザー
ギャング系のブルー・・うわっ!!
潰した!!あっという間に・・・
でた、伝説の四人組
六本木レッドジャンクス・・・
あっ!逃げてった・・覆面したまま・・・
あっ帰り際、レーザーの楠木見つけて、頭を思いっきり、殴って逃げた!
「・・・・・んっ。何か・・当たった?」楠木
相変わらず、無痛だな・・・血が、でてるよ・・・
こないだ、チクったから、プチ嫌がらせですよ。
また、面白い事ばっかりしてんな・・・・
田代さんとの、同伴は?
えっ?今から!?
すごいスケジュールだな・・片手間に一つチーム潰したな・・・
えっ?マジで、夜王になる?漫画見たって?夜王の・・
いずれ、新宿の夜王に会いたいって?
中野さんだけど・・・次に藤原さん・・・
いつも、漫画で、知識いれるの、止めてくれる?
おかしくなるから・・・
いません!
新宿にスワンは!




