一年と、三年のアイドル
「次は~あきはばら~あきはばら~」車内アナウンス
新宿から、秋葉原の高校へ、通う金山。いつもと変わらない毎日。
ただ、少し違うのは、少し早く出てきたこと。
任されてるホスト店の、経理、や、営業。実戦や、学校で学ぶ教育。
着々と、夜の顔に成るべく、成長していく。
(ふぁ~~・・少し早く出てきただけで、こんなに、街の顔って、変わるんだな。)
普段見馴れたこの街の色や、すれ違う人、わずかな違いが、まったく違う街に見える
(ん?あれっ!)改札口を出て、誰かを見つけた金山
「お~いっ。おはよう、渡辺~」
「んっ!おお金山おはよう。」同級生で右翼団体所属の渡辺にばったり。
「渡辺、今日電車通学か?いつも、この時間に降りるの?」学校には、十分すぎるほど、間に合う時間。
「ああ・・・今日は、たまたま・・昨日徹夜で、新宿で、遊んでたから、新宿からだよ。」渡辺
「あれっ?じゃあ・・一緒の電車だったのかな?」二人で歩きながら話す。
「ああ・・そうかもな。金山は、店に泊まってんのか?」自販機で、コーヒーを買いながら。
「いやっ・・朝まで、うるさいから、学校行く日は、早めにサウナに泊まってるよ。」金山
「俺は、ほとんど事務所に住み込みだからな、うらやましいよ」コーヒーを金山に投げる渡辺
「もう一つよろしく~」そういって、現れたメイド喫茶のひとみちゃん。
「ああ。おはよう~」そういって、もう一本コーヒーを買う渡辺。
「ひとみちゃん早いな出勤。」自販機の横フェンスに腰かけ、コーヒーを飲みながら金山
渡辺も、ひとみちゃんも並んで腰かけて、コーヒーを開ける。
「うん。私ただの、腰掛のバイトとしてじゃなく、経営とかも、やって行きたいから、
早めに出勤して、店の帳簿とか、食事の仕込みとかも、してるから。」ひとみちゃん
「へ~、大変なんだな。」コーヒを飲みながら渡辺
「おはよーう。」にっこり笑い、三人の前を通り過ぎる紳士
「おはよーございまーす」三人が、軽めの挨拶。メイド喫茶のオーナーさんに
「なんか、ちょっと早く来ただけで、こんなに、ほのぼの、してるってゆうか・・
普段の車のクラクションの音なんかも、聞こえないし、いつもは、ただ、通りすぎるだけの
この場所でこうやって、立ち止まってコーヒー飲んだりとかって、
普段出来ないこの空気がいいね。落ち着くなこの大都会で・・」
金山普段は、アキバ→新宿→夜の渋谷→たまに、六本木の繰り返しの毎日。
「なんか、地元人って、感じが、良くない?こんな朝早くに、このフェンスに腰かけて・・」ひとみ
「そうだよな・・完全に、地もピーだな。」渡辺
「ははは、そうだよな、秋葉原にいる時間が、一番一日で長いしな」金山
飲み干し、缶をゴミ箱に入れ、「さて、そろそろ出勤するよ。またね」ひとみ
おなじく、缶をゴミ箱に入れ、「ういっす。どうせ今日も顔だすから。」渡辺
ゴミ箱に缶を投げストライク「じゃあがんばって、ひとみちゃ~ん」金山笑顔で送る
少し歩いたひとみが、「あっ私年上だぞ!金山!。さん、つけろっ」少しニヤケながら、
「わかりやしたよ、ひとみさん。じゃあ後で」金山も楽しそう
「さて、行くか学校・・」歩き出した二人。
「ああ!!!それと!」 少し離れた所を、歩いている、ひとみが、少し大きめの声で言う。
「私、秋高、に、編入学する事になったから~よろしく~」手を振りながら去って行くひとみ
「まじっすか!!!!!」驚く二人
学校入り口まで来た二人
「じゃあ、二年か、三年か~ひとみさん。」金山
「でも、職場と学校が、近くて、超いいよな」渡辺
学校を入ると、三年のアイドル佐藤先輩が、ほうきで学校を掃除中
「あっ!おはようございまーす。」金山いまだに、緊張する。
「ん?・・おお早いな一年坊」掃除を続ける佐藤先輩
なぜ、そうじなんだろうと、じっと見ている二人。
「ん?・・・ああ掃除か?、たまに、早くきた、誰かがやればいいんだよ。
みんな、忙しいし、出来る奴が、やらないとな。」佐藤先輩掃除も終了した模様
「さて、今日もがんばるか!じゃあな一年坊」そういって三年の校舎に向かう佐藤先輩
二人は、教室付近、歩きながら
「でも、えらいよな。俺達も見習って、たまにしないとな・・」渡辺
「ああ、だって、佐藤先輩のほうが、絶対忙しいしな」金山
佐藤先輩は、超売れっ子ナンバー1キャバ嬢。
「ん?早いな、渡辺、金山。」すでに教室で何かをしている女子のあさみ
「おおっ。たまたまな・・あさみは、いつもこの時間か?」金山
「うん。早めに来てこの静かな学校で、昨日の帳簿とかの整理するんだよ、はかどるから」あさみ
あさみは、キャバクラで、キャバ嬢兼、経理を担当している。
「そっか、みんな、がんばってんだな。俺が、金持って無かった方ってのが、よくわかったよ」金山
「俺、あんまりねえよ。未だに。」渡辺
「ははは、確かに、思いっきり筋食ってる奴のほうが、貧乏だよな、今のご時勢」金山
「そうだよな・・やくざに右翼って、もう、食っていける時代じゃ、ねえんだろうな・・」渡辺
「石川さんに椎名さん、中野さんにしても、ヤクザじゃなくて、一応、実業家だし・・」金山
「まあだから、本当に勉強になるよ秋高は。」渡辺
「ブオ~ン!ブオ~ン」バイクの爆音が、聞こえてくる。
「誰だ?いい音してんな?」気になる金山窓の外のグランドを見る。
「ぐうぉ!!」強烈にびっくりする金山。
「ぐぐぉ!!」渡辺も、見てびっくりする。
なんと、石川運転のバイクに、滝部も乗車。とんでもない光景を見たかの様
「うわっ・・すっごいコンビ始めて見た・・・石川さんが単車乗ってるの」あさみもびっくりする。
「うわぁ~滝部さん。やっぱ、かっこいいな」憧れの滝部。佐藤先輩
学校内にいた、男子生徒は全員飛び出して、すでに、石川滝部の近く
「お疲れ様です」金山や渡辺、全部で5~6人の男子生徒
「1・2・3・・・6人か、十分だろ。」石川が煙草に火を付けながら
「はい。十分ですね。・・お前ら、付いて来いや!」滝部が少し大きな声で。
「はいっ!!」すぐさま車で来ていた三年が車を取ってくる。
バイクに石川と滝部
それに、二台の車で後を追う秋高の男子生徒。
「課外授業だね・・今日は、しっかり、学びなさい」校長が、窓から眺める
「てか。朝早くなんなんだろ・・よっぽどの事だろうな、あの二人が揃うなんて」少し気遣うあさみ
「ふふ・・・たまたま、朝早く来たのが、これか・・・
何か、持ってんだろうな一年坊。しっかり、目~かけてもらいな。」三階の窓から佐藤先輩
石川のバイクは、高速に向かう。必死で追う秋高の生徒
これから、石川、滝部の力を、まざまざと、見せ付けられる事となる。
伝説の男達の喧嘩を・・・




