運命の恋
──誰かが、アナタを見ています。
──会社の昼休み
「あら、典子。何だか嬉しそうな顔して、どうかしたの?」
「ふふーん、わかる?」
「わかるわよ、凄く。鼻の下のびてるしさ、顔にに¨男¨って書いてあるよ。」
「いやーだー、もー。」
「で、相手は?…この会社の人?」
「そう。彼ね、毎朝同じ時間に同じ場所ですれ違っていたの。」
「それで?」
「すれ違う時に、挨拶していたんだけど…」
「うんうん。」
「彼の目つきが日に日に変わってきたわけ。」
「それで?」
「あ、私に気があるなと思って…」
「うんうん。」
「バレンタインデーの日に、本命とギリの境目が曖昧なチョコを渡して反応を見たわけ。」
「それで、彼は?」
「うん、小さな声で¨有難う¨って。」
「それだけ?」
「それだけ。そのまま行っちゃった。」
「そこから、どうしたら男と女の関係になるわけ?」
「んーとね、チョコ渡した時一瞬、彼の目の色が変わったの。だから、本音を吐かせようとして、休みの日に飲みに誘ったの。」
「うんうん。」
「それで、どんどん彼に酒を飲ませてたんだけど…」
「逆に、典子が酔っちゃった…と?」
「ふふん、酔ったふりをして彼の部屋に強引に私を連れて行かせたの。彼ったら、なかなか尻尾を出さなくてさ。」
「うんうん。」
「私は酔って気付かない振りしてたんだけど…」
「…?」
「彼の部屋の壁一面に、私の写真が貼られていてね…」
「典子のストーカー?…気持ち悪くなかったの?」
「愛されているんだな、って感動しちゃった。私ってさ、彼のストーカーしてたから。」
「……。」
「しかも、この間2人で歩いていたら、占い師が声を掛けてきて…」
「…?」
「お互いに、お互いの生き霊が憑いているんだって。凄いでしょう?」
「……。」
「でもね、ひとつだけ不満があるの。」
「……?」
「私達2人の写真を撮ると、お互いの生き霊が周りの霊まで呼んじゃってさ、2人の写真にならないのよ…」




