表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

第3章 政府からの連絡

そして1週間は何事もなく過ぎた。だが1週間後、早めに帰り家族で夕食を食べている時、速達が届いた。この世界を統治している「ファーザートム連合(FU)」からだった。FUは、トム自身を招聘すると言う内容の手紙だった。

「政府から直々にお呼びがかかった。理由は、向こうについてから教えるって」

「分かったわ」

「なんでか知らないが、娘も連れて来いってさ」

「私も?」

ちょうどハンバーグを食べていた少女は、フォークを取り落とした。

「あ、落ちちゃった」

娘が拾おうとした時、電話がかかった。

「はいはいクロンパスです。あ、はい、います。少々お待ち下さい」

妻が電話に出てトムに交代した。

「はい、トム・クロンパスです。ああ、はい、先ほど手紙が届きました。え?…………分かりました。では、明朝、うかがいます…こちらに来る。はいはい、では、明日、午前8時に、玄関で待っています」

そして、電話を切った。

「FUからだった。ファーザートムが呼んだのは、娘と自分自身で、他の人はいらないのと、妻は、政府の方で手厚く保護すると言っていた」

「さすがに、ファーザートムからの詔ね」

この世界を支配しているファーザートムは、全ての権利を一人で保有しており、いわば独裁者と同等であった。しかし、一般的な独裁者と異なり、行政権は行政長官、司法権は司法長官、立法権は立法長官。それぞれに権限を委託すると言う形で、引き渡していた。しかし、それでも、重要な法律や裁判の結果、それに行政関連のことの最終決定権は、依然としてファーザートムが有していた。

「でも、なんで自分が呼ばれたんだろう。何ももってないのに」

彼は今までの人生を思い返してみた。しかしながら、ファーザートム、FU、その他の政府機関からの呼び出しされる理由が分からなかった。


翌日の午前7時半。彼らは玄関で待っていた。それから、25分後、一台の特別車がトムの家の前に止まった。自動的にドアが開き、そのままトムと彼の娘であるジアス・クロンパスは車に乗り込んだ。妻は玄関先で彼の姿が見えなくなるまで見送った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ