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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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私トイレットペーパーになったんだけど、これでもラブコメヒロインてマジですか?!!!

掲載日:2026/07/23

私、吉本静香はトイレットペーパーになった。話せば長い。そう、あれはブラックな会社から終電で家に帰った日のこと……..


……..

……..

……..


「気持ち悪いハゲの部長、いつまで残業させてんだんだよ。まじで腹立つわ。みんな纏めて◯なないかな。」


私は腹を下して、トイレに籠っていた。


理由はわかっている。最近の長時間残業で腰と胃が弱くなっていたのだ。


会社を何度も辞めようと思った。でも母の病気の治療費を稼ぐために背に腹は変えられない。


でも、転職しようかな。


スマホをぽちぽちしてYerTube のプレス機が物を潰す動画を再生する。


うん。これこれ。


この瞬間だけはまるでプレス機が

この世の理不尽を自分の代わりに潰してくれているような快感を得られる。


何本か再生し、今日は便秘であることを悟る。


無意識にいつもの定位置のトイレットペーパーへ手を伸ばす。


あれっ?


何もない?


トイレの棚を開けてみる。やっぱり在庫切れだ。どうしよう。拭くものないじゃん。


私は絶望した。新作のステバのラテを新しく買ったワンピースに溢した時並みの絶望である。


思えば私の人生は不幸続きだ。小さい頃に父の離世、社会人に上がった年に母の癌の診断、初めて付き合った彼は二股野郎。新卒で入った会社はハゲ上司付き。そして残業して帰って腹を下したらトイレットペーパーはなし。


気がつくと、涙は溢していた。


理不尽だ。何で私ばかりがこんな仕打ちを受けるのだと思った。私は声を張り上げた。


「何でトイレットペーパーすらないんだよ。なんでなんで私ばかりなの。もういっそうトイレットペーパーになりたい。」


涙を手で拭い、皮肉にもポトンと落ちたピー(自主規制)のせいで、自動式トイレが勢いよくソレを流していく。


ジャワー。


「その願い叶えたり!」


どこからかおじいさんの声が聞こえた。


「えっ?」


私は不審者かと思い、トイレのドアをロックし体をこわばらせたが、そんなのお構いなしにトイレを中心に強烈な光が私を包んでいく。


一一一一一一一一一一一一一一一一一一


私は目覚めるとトイレットペーパーになっていた。どこかわからないが、金ピカのトイレの棚の上に居るようだ。


「ねぇ、ここどこなの?」


啜り泣く私に誰も答えてくれない。これが私の2周目の人生いいえ、トイレットペーパー生の始まりだった。


一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一


シャーリング侯爵は不思議に思っていた。いつも利用する2階のトイレに奇妙なトイレットペーパーが転がっていたのだ。


彼は芯が金のモノを愛用し、紙の切れ端にも金の粉を散りばめるのが常だった。


今日は面倒な領地の運営書類をイスタの報告書を交えて、承認と計算を終えたばかりでへとへとだ。


そんな日……


用をたしにトイレに入った際、彼はまるでシルクのように美しいトイレットペーパーを目にした。


「何ということだ。これは何という物だ。」


繊細な縫い目が実に美しい、まるで王都のマルーダ(工芸人)たちが好んで作るような一級品で唯一無二のアーティファクトのような風格を表していた。


しかし、なぜいきなり彼の家にそれが現れたのか彼には分からなかった。だから、鞘に納められた魔剣マフィスを抜き構えた。


もしや魔族のものが化けているのではないかと、思ったのである。


一一一一一一一一一一一一一一一一一一


シャーリング侯爵という男は実に悲劇的な人生を歩んできた。


ルディリスの戦いで戦功を上げるまでは…….


孤児院で生まれ、運命を変えるために禁忌を破り魔剣を手に入れた。


魔剣がなければ彼は初の戦場で命を散らせていたのであろう。


彼にとって魔剣マフィスは彼の半身であり、また握り締めることで自身の運命を切り開く御守りでもあったのである。


一方、静香は困惑していた。突然剣を構えられたことに。


テンパってダメ元で、トイレットペーパーをズルズル伸ばしていく。


「シュシュ!シュシュ!(私は無害なトイレットペーパーです!)」


シャーリング侯爵は意図を読み取ったのか、暫く構えると剣を腰の鞘に華麗に戻していく。


「実に興味深いアーティファクトだ。意思があるのか。」


私を持ち上げ、彼は長いまつ毛で私を見入るように見つめる。


「シュシュ!シュシュ!(待って!恥ずかしい!そんなに見つめないで!)」


それが私とこのイケメンポンコツ男の出会いだった。


シャーリング邸の夜は更けていく。


※気が向いたら連載化するかも?

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