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俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!?〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なんでそんなに執着してくるんだ!!!〜  作者: 小屋瀬


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第三話 王子


寮の真隣にある学校へ向かう途中、1年A組の教室前が妙に賑わっているのに気がついた。

A組というと、結構な位の貴族や、成績のいい生徒のみが配属される、いわゆるエリートクラスだ。対して俺は二年D組。何の変哲もない生徒で構成されたThe・普通のクラスだ。

まぁそのA組に人集り(ひとだかり)ができてるのは、今年入学した王子効果なんだろうな。

はぁー、有名人って大変だな。


白いフロアタイルの床が、ずらりと並んだ大きな窓から差し込む光を反射している。一人では物寂しい廊下をただぼうっとを歩いていると、流石真隣。すぐに目的地である食堂に到着した。


「ロイはどこかなー⋯⋯っと、まだ来てないのか。とりあえずどこか座っとこ」




王子効果なのか、外に屋台があるからか、食堂はいつもより人気(ひとけ)が少なく、心置きなく弟を抱きしめられる。

待ち遠しく弟を待つ兄、レイ−クレシス。一方、彼との再会を心待ちにしている弟、ロイ−クレシスはというと⋯⋯




「――って、なんで付いてくるんだ!」


「僕、君のことが気になっちゃって」


隣にベッタリとくっついて、一切離れようとしない王子は、どうやらパーソナルスペースというものをご存じないようだ。先程から、彼の一括りされた髪が僕の肩にぶつかっていた。


「ふざけるな!あんたのせいで、何人の生徒が付いてきてると思ってんだ!!」


「僕は別に慣れてる。それに遠くにいるだけだ、割り込んだりはしない。ていうか、今はそんなことどうだっていい。ねぇ、ロイ。君は火と水、両方の魔法を操れるの?」


目は笑っているものの、何かを含んだその笑顔は先程皆の前で見せていた気前の良いものではなかった。


「そんなのどうでもいいだろ」


「⋯君、二つの属性魔法が使える人がこの世に何人いると思ってるの」


「知らない。早くどっか行ってくれ」


そう言うと、王子は少し考える素振りをした(のち)、「これは王宮で保管されていた歴史書に書いていたんだが」という文言を添えて話を始めた。


「⋯10人。純属性を2つ操ることができるのは、歴史上10人しか存在していない。普通は魔法道具等を使って、初めて別の属性も使うことができるんだ。それなのに君は⋯」


「10人⋯そうか、それはきっとそちら側の表記ミスだな。」


「表記ミスって⋯僕は真面目に!⋯⋯って、どうして止まるんだ?」


「⋯悪いな、王子様。あんたの冗談に付き合えるのはここまでだ。これ以上、僕に付いてくるなよ」


食堂までもう少しのところまで来たロイは、王子に向かってそう告げると、食堂への道を一人歩いていった。そうして一人残された王子――カイン−ティアトスの元に、彼を追っていたうちの一人である男が近づいた。


「カ〜イン、振られちゃったねぇ」


「⋯そうだね。王子特権でいけると思ったんだけど」


そう言うカインの視線は小さくなっていくロイの背中をじっと捕らえていた。


「あの子はなかなか手強いよ〜俺の感がそう言ってる」


「ふふっ、僕の感もそう言ってる。⋯⋯よし、このまま彼を尾行しようか」


そう言って歩みを始めるカインを前に、彼の幼馴染であるケイ-セルーラは、後ろを向き、彼を追ってきていた生徒らを睨みつけて帰らせた。そして何事もなかったかのように前を向いて話しかける。


「バレないようにしないとだよ〜、彼怖いし〜」


「そう?僕は別に。彼、ちゃんと弱い部分があるみたいだし」


「⋯⋯俺、ほんとカインの幼馴染で良かったと思うよ」


「ふふっ、僕も幼馴染がケイで良かったと思うよ」


会話を交わしながらロイの後をついて行った二人もまた、食堂へと足を踏み入れた。

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