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侵略するもの守るもの

私たちはタツナミという場所へ来た

ここは年中争いが絶えない場所だという

そこである戦士に出会った

紫苑「今から戦いに?」

戦士「おうよ!ところであんた達は?」

紫苑「ただ立ち寄っただけよ、ここの現状を知りたいのだけどよろしくて?」

戦士「ここが戦いが絶えない場所だってのは知ってるよな?」

紫苑「ええ」

戦士「俺たちは人と戦ってんじゃねぇ、魔物と戦ってんだ、ここいらの村はことごとく壊滅しちまって、生き残った連中もこの村に流れついてる、ここを落とされたら俺らは別の場所に行かなきゃならねぇ」

紫苑「私たちにできることは?」

琥珀「おっおい」

紫苑「私は魔物狩りをやってる剣先紫苑という者だ」

戦士「おぉ、あの剣先紫苑か、できることって言ってもな、魔物を狩ることくらいしか」

紫苑「あぁ、それで構わない」

戦士「じゃあ着いてきな」

そう言うと戦場に連れて行ってくれた

あたりには血と臓物が撒き散らかっている

戦士「いつも奴らが来る時間は決まってんだ。奴らは逢魔時にやってくる」

「もうそろそろ時間になる」

目を凝らすと向こうから魔物の軍勢がやってきているのが見えた

戦士「来たな、野郎ども!仕事の時間だ!」

私たちは必死に戦った

カンッ キンッ

金切音は絶える間を知らず鳴り響いている

ブシャッァ グジュ ゴロッ

幾多の血が流れ敵も味方も肉の塊になっていく

丑の刻が来るころ奴らは逃げていった

戦士「おう、生き残ったか」

そこには血に汚れた戦士が立っていた

紫苑「あなたはなぜ戦うの?」

戦士「俺には妻と二人の子がいるんだ、そいつらを守るために戦ってる」

「そういうお前たちは何のために戦ってんだ?」

紫苑「私たちは生きるために戦ってる」

戦士「とりあえず、家に帰って飯でも食うかな」

「お前たちも来るか?」

紫苑「お言葉に甘えさせてもらいます」

琥珀「やったー!飯だ!飯ー!」

戦士の家へ着いた

戦士の嫁「あら、あなた、そちらの人は?」

戦士「あぁ、今日一緒に仕事した奴らだ」

戦士の嫁「そう、さあ上がって」

私たちは戦士の妻の手料理をご馳走になった

琥珀「いやぁー美味かった美味かった!」

戦士の妻「あなたたち泊まるところはどうするの?」

紫苑「ないですね」

戦士の妻「じゃあうちに泊まっていきなさい」

紫苑「ありがとうございます」

次の日

私たちは戦士の妻と買い出しついでに街で依頼を探した

案の定と言っていいほど攻めてくる魔物を倒してくれという依頼しかなかった

戦士の家に帰ると

戦士「そういや渡してねぇもんがあったな

はい、依頼料」

そう言って渡された。なかなかの量が入っていた

そのあとまた夜の戦いへ赴き敵を倒した

そしてまた戦士の家へ泊まった

そのあと朝食をいただき

集落を後にした

歩いている時にこんなことを考えていた

正義とはなんだろうか?

他者を守ること?

大切な人を守るため他者を捨てること?

国に忠を尽くすこと?

どれも正解で不正解だ

過去の世界では戦うことは正義であった

あの場所では戦うことが正義なのかもしれない

彼であれば家族を守ることが正義であるのかもしれない、そしてそれが結果的にあの場所を守ることとなっている

戦いは絶えず今日も血が流れている

攻めるものあれば守るものあり

それが常識である

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