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事件は日記で起こっていた  作者: 山目 広介
4/12

04.男性

 ◇ ◆ ◇




 私は遺伝的に男だった。


 性染色体がXXの女性ではなく、XYの男性なのだという。


 だから生理が来ないのだろう、と言われたらしい。


 胎児のときにホルモンのバランスが崩れて身体が男性へと変わらずに女性の状態になったようだ。


 いや、もともとはどちらにも対応しているはずで、男性にはならずに女性になったというべきだろう。



 これによるとレズではなくトランスジェンダーだったのだろうか。


 同じような疑問を持ったらしい以前の自分は調べている。


 しかし、遺伝的には男なのだからノーマルに分類されるのでは、と最初は結論付けていた。



 トランスジェンダーというのは体の性別とは別の性別として意識が認識しているようだからだ。心と体の性別の不一致がトランスジェンダーだということらしい。


 自分が男だと思って付き合っていたわけではないのだから、それとは違うのだろう。


 私の場合は、意識――心は女で、身体も女。でも遺伝子が男だ、ということだろうか。しかも付き合った相手も女だという。


 こんがらがりそうだ。心と体だけで遺伝子までは考慮されていない現状ではここまでだろう。



 だが考察が続いていた。


 魚類などでは遺伝子ではなく環境で性別が変化することもあるそうだ。魚類は体の構造が雌雄で大差がないために変更が容易なようだ。


 両生類でも似たことがあるのか。カエルの性転換には、少なくとも1つ有用な機能があり遺伝的多様性を高める点である。普通、オスはY染色体を子に伝えるだけで、X染色体のように組み換えを起こすチャンスはない。したがって、Y染色体を持つ系統のメスがいれば、Y染色体は『より健康な』新しいバージョンを作れることは有利になるらしい。


 何故にカエルは詳しいのだろうか。そういう記事を見たのだろう。


 爬虫類では途中で変態するわけではないようだ。ここでの変態は、変態と言ってもヘンタイではない。


 鳥類では組み合わせが違うようだが哺乳類と似たような遺伝の仕組みで決まっているらしい。


 人は胎児のときに進化の過程を経験するのだろう。そのときに生みの親の体内で薬などの影響を受けたと結論していた。


 魚だったときには性別は変わったりするものだったのだから、と結ばれている。



 だが、書かれている説明によると、魚は環境または相手によって自身の性別を変化させるというのだから、それと一緒にするのはどうなんだろう。なんか違う気がする。


 何か別の意図があるのだろうか。同一人物のはずなのに考えが読めない。調べたことが全部書かれているわけではないだろうし、何か考える元となるものを読んだのかもしれない。


 どういうことだろうか。精神が男女入れ替わったりしてもおかしくはないということなのかもしれない。


 でも思い出せないと本当は分からない。





 LGBTQの前三つは自分と相手の性別、そして四つ目のTは自分の心と体の性別、Qはなんだろうか。マイノリティは纏めているだけで色々と種類が豊富にあるのかもしれない。


 同性婚を認めさせたりという優遇処置がある状態の権利を勝ち取るために集まったりしたものなのだから、無視し得ない集団となるためにいろいろな人を集めたいのだろう。


 あれ、よく見るとLGBTqで最後は小文字なのかな?


 両方の記述がある。違いがよく分からないけど、表記にバラつきがある。どうでもよいことなのだろうか。


 ん? 「+」が最後に付いているのがあるし、なんだろうか?


 よく分からない。





 それと、生みの親という綴られていること。これではまるで母親が違うかのようだ。


 いや、両親の遺伝子も調べたらしい。そのときについでに戸籍から養女だと発覚しているみたいだ。





 頭が混乱する。


 あれ? でも最初に見たとき、鏡と母――養母?――の容姿が似通っていたよね。どういうことだろうか。


 養女ではあっても、血縁はあるということも考えられる。それとも故意に似せたのだろうか。化粧とか髪型とかで。





 しかし、それよりももっと驚くことが次の頁には書かれていた。疑問が吹き飛ぶ。


 殺されかけた、と。


 この平和な日本で殺されかけるとは尋常じゃない。推察するなら、通り魔とかストーカーとかだろうか。





明日次回05.容疑者たち

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